技術士受験徹底指導・詐欺士の添削塾

これまでの3部門5科目の合格経験に基づき、貴方の技術士二次試験受験について徹底的にサポートさせていただきます。
詐欺士からのコメント
 技術士二次試験(筆記)を受けた皆様、お疲れさまでした。私は今年も建設部門の道路で受験しました。出題のうち、建設一般のネタは想定通り(生産性向上と国土強靱化)でしたので、出来が良かった方が多かったと思います。一方で、道路の専門は、一応書くことは書きましたが思いっきり予想外でした_| ̄|○。手応えのあった方は勿論、一応原稿用紙を埋めることが出来た方も、概要でいいので解答論文の内容をまとめておいて下さい。いざ口頭試問に挑むことになった場合、非常に重要です。(2019/07/16)
私は昨年度(建設一般で足切り(;。;))に引き続き、今年も懲りずに「建設部門・道路」に挑戦しました。ここではおまけとして、道路科目の出題も総括したいと思います。
II 次の2問題(II-1、II-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)
II-1 次の4設問(II-1-1~II-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用1枚以内にまとめよ。)
II-1-1 車道の曲線部においては、当該道路の設計速度に応じた最小曲線半径が道路構造令にて定められているが、その算定の考え方及び適用に当たっての留意点を述べよ。
II-1-2 2平成30年3月の道路法改正により創設された、重要物流道路制度の目的を説明せよ。また、重要物流道路制度の概要について述べよ。
II-1-3 連続鉄筋コンクリート舗装と転圧コンクリニト舗装の構造の概要について説明せよ。また、普通コンクリート舗装と比較して、それぞれの舗装の特徴を述べよ。
II-1-4 道路土工構造物の点検において、切土のり面の崩壊に繋がる変状事例を1つ挙げて、点検時の着目ポイントを2つ述べよ。また、当該変状が切土のり面の崩壊に至るメカニズムについて述べよ。
II-2 次の2設問(II-2-1、II-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙2枚以内にまとめよ。)
II-2-1 ある市街地の生活道路(地区に住む人が地区内の移動あるいは地区から幹線街路に出るまでに利用する道路)において、地区に関係のない自動車の走行やスピードの出し過ぎなどの問題が発生しており、交通安全対策(ゾーン対策)が検討されている。
この対策の担当責任者として、下記の内容について記述せよ。

(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
II-2-2 市街化の進んだ地域内を通過するバイパスの新設事業において、河川と鉄道とが並行する箇所を橋梁でオーバーパスする区間が工程上重要となっている。早期開通が求められる中、この事業の進捗管理の担当責任者として、この橋梁区間での計画に関し下記の内容について記述せよ。

(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)事業を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)事業を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
III 次の2問題(III-1、III-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
III-1 2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な運営には、大会関係者及び観客の輸送を安全、円滑に行うことが求められるため、高度な交通マネジメントが必要である。このような状況を踏まえ、交通マネジメントの実施計画を策定する道路技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)平時の交通処理能力を大幅に上回る大会期間中の交通需要に対して、技術者としての立場で多面的な襯点から課題を抽出し分析せよ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
III-2 橋梁、トンネル等の道路構造物については、平成25年から平成26年にかけての道路法、同施行令及び同施行規則の改正を経て、平成26年度に策定された定期点検要領等に沿って、各道路管理者において点検が実施されており、平成30年度で一巡目の定期点検が完了したところである。道路構造物のメンテナンスを担当する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)地方公共団体が,二巡目となる道路橋の定期点検を実施するに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
【問題II-1】
問題II-1は道路でも、従来通りの設問形式で、解答数が2問から1問に半減しただけでした。当初「解答数が半減するので出題数も2問に減じられるのではないか(出題要領に【出題数は解答数の2倍程度】との但し書きあり)」ということが懸念されていましたが、出題数の減少は実施されず、「平面(曲線)設計手法」「重要物流道路制度」「コンクリート舗装」「道路土構造物点検」と道路科目が対象としている広範な分野から4問満遍なく出題されました。このため、受験者の負担が単に減じただけという結果です。解答用紙1枚程度の浅い知識でかまわないので、自分の専門分野とその周辺領域について間口を広く準備すれば問題なくクリアできる内容だと感じました。
私は規定が創設されたばかりの「道路土構造物点検」に力を入れ予習していたので、II-1-4を選びアンカー付法枠工を題材に取り上げて書きました。
【問題II-2】
基本的には昨年までと同様、ある業務を取り上げて実施手法や留意点等を問う問題でした。ただし,各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
◯◯業務を実施するに当たって・・・、
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
(1)の調査検討すべき事項と内容と(2)留意すべき点工夫を要する点は従来通りですが、新たな出題形式の今年は(3)の関係者との調整方策というものが加えられています。問題II-2では、当該試験によってコンピテンシーのうちマネジメント能力を問うことになっているため追加されたと思います。
取り上げられたネタは、「生活道路の交通安全対策」と「橋梁による河川と鉄道横過」でした。
生活道路の交通安全は、スピードの出せない線型とかバンプのことでしょうが、経験も全くなくよくわからないので、「河川と鉄道横過」を書きました。道路橋の経験は全くないですが、下水道管路の計画、設計でこれを体験しており、仮設も含む河道の河積確保や時間的制約(非出水期施工や軌道閉鎖工事)、精度の高い変位管理等を書きました。
とにかく、これから数年間は多分この出題形式が踏襲されると思いますので、非常に準備がしやすくなったと思います。
【問題III】
基本的には昨年までと同様、科目の俯瞰なネタに関する問題提示と課題抽出、課題の解決策(課題遂行方策)提案に関する問題でした。ただし、建設一般や問題II-2と同様に、各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
(1)(道路)技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
内容的にはオーソドックスですね。ただし注意しなければならないのは、「課題はあくまで解決すべきモノ」であり、遂行すべきモノではないという扱いになっていることです。まぁ、言葉の定義だけなのですが、試験制度改正等で散々「課題遂行方策について問う」とか書いてあったので大きな違和感を感じます。
また、「解決策に共通して新たに生じうるリスク」っていうのは、技術や社会経済状況の変遷をモニタリングするとともに、これに基づき事業計画を見直す重要性はいろんな分野で不変だと思いますのでこれを書けばいいと思います。
さて、出題内容ですが、、「交通マネジメント」と「橋梁点検」でした。
私は交通マネジメントを選択しましたが、東京五輪パラリンの交通マネジメントなんてもう東京ととかでやりまくって終了してるのに、設問がどう読んでも「東京五輪パラリンを踏まえて書け」みたいな感じでもあり、独善的なことを書きまくって用紙だけは埋めたものの中身はぼろぼろでした(´д`)。
実は受験直前、同僚のK君が「詐欺士サン、今年は指針もできたし、道路土構造物点検が本命ですよ」というので月刊道路という雑誌のバックナンバーでネタ探ししたところ、ちょうど作問時期の3月号が点検特集になっていました。ただし、中身を見ると、「自治体での初回点検が一巡した今後の橋梁点検の課題」みたいな内容で、道路土構造物ではないのでスルーしてしまいました。
道路土工構造物点検の方はしっかり勉強(一夜漬けだけど・・・)して、I-2-4もそのおかげで書けましたが、もしも「月刊道路3月号」も勉強していれば・・・。
ということで、問題IIIの解答が散々だった自分は来年も挑戦(かも・・・)です。
II 次の2問題(II-1、II-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)
II-1 次の4設問(II-1-1~II-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙1枚以内にまとめよ。)
II-1-1 我が国の建設リサイクルの取組状況について説明し、さらに建設発生土について有効利用及び適正処理の促進の方策について述べよ。
II-1-2 道路・鉄道その他の建設事業の施工時又は供用時における騒音発生源とその対策を2つ挙げ、概説せよ。また、それぞれの対策の実施における技術的留意点について述べよ。
II-1-3 平成18年に国土交通省によって定められた「多自然川づくり基本指針」における「多自然川づくり」の定義を説明せよ。また、「多自然川づくり基本指針」から約10年を軽た現状における多自然川づくりの技術的な課題を2つ挙げ、それぞれ概要を説明せよ。
II-1-4 環境影響評価法に基づく第一種事業の環境アセスメント手続きにおいて、計画立案段階から環境影響評価準備書の作成までの間に事業者が行うべき環境影響評価法上の主要な手続きについて、時系列順に説明せよ。
II-2 次の2設問(II-2-1、II-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙2枚以内にまとめよ。)
II-2-1 ある集落の近くで、環境影響評価法や地方公共団体の環境影響評価に関する条例の対象とならない建造物を新設することになったが、地域住民の信頼や同意を得る必要があると考え、事業者として自主的に環境影響評価を行うことにした。環境影響評価の担当責任者として業務を行うに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)建造物を設置環境と合わせて想定し、環境影響に関して調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
II-2-2 ある環境を改善する事業において、事業効果の評価を行う必要が生じた。アンケートを活用した適切な手法によって、環境整備による効果を便益として計測する業務を担当責任者として進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。

(1)具体的な便益計測手法を選定するに当たって、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)選定した具体的な便益計測手法に基づいて業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるためのアンケート回答者を含む関係者との調整方策について述べよ。
III 次の2問題(III-1、III-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
III-1 これまでの急激な都市化等により、水辺や緑地、藻場、干潟等の自然環境が失われつつあるなど、生態系の破壊、分断、劣化等が進行している。そのため人類の存立基盤である環境が、将来にわたって維持されるよう、生物多様性が保たれた良好な自然環境の保全、再生等の取組を加速する必要がある。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)社会資本整備事業において、生物多様性の保全,再生等の取組を行うに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
III-2 人口減少、少子高齢化等を踏まえた計画的な土地利用コントロールによる緑地・農地と調和した都市環境・都市景観の形成や、平成28年5月に策定された「都市農業振興基本計画」等を踏まえ、都市農地の保全や都市農業の多様な機能の発揮に関する取組を地域ごとに行うことが求められている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)ある地域で都市と緑・農が共生するまちづくりの検討を実施するに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
【問題II-1】
問題II-1は、従来通りの設問形式で、解答数が2問から1問に半減しただけでした。当初「解答数が半減するので出題数も2問に減じられるのではないか(出題要領に【出題数は解答数の2倍程度】との但し書きあり)」ということが懸念されていましたが、出題数の減少は実施されず、「建設発生土」「騒音」「川づくり」「環境アセス」と、建設環境が対象としている広範な分野から4問満遍なく出題されました。このため、受験者の負担が単に減じただけという結果です。解答用紙1枚程度の浅い知識でかまわないので、自分の専門分野とその周辺領域について間口を広く準備すれば問題なくクリアできる内容だと感じました。
【問題II-2】
基本的には昨年までと同様、ある業務を取り上げて実施手法や留意点等を問う問題でした。ただし,各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
◯◯業務を実施するに当たって・・・、
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
(1)の調査検討すべき事項と内容と(2)留意すべき点工夫を要する点は従来通りですが、新たな出題形式の今年は(3)の関係者との調整方策というものが加えられています。問題II-2では、当該試験によってコンピテンシーのうちマネジメント能力を問うことになっているため追加されたと思います。
建設環境が対象とする環境方策は、対象区域の住民や企業、利用者等との合意形成がついて回ります。計画策定等に向けた委員会運営やワークショップ、環境アセス関連の意見聴取等の経験があれば、そのノウハウを書けば完璧です。また、コンサル等なら客先の役人(及び市民や利用者)、役人なら市民や利用者に計画案の内容を説明するとともに、意見聴取してこれを反映する取組について書けば完璧だと思います。
取り上げられたネタは、「環境影響評価」と「環境整備方策の事業評価(B/C)」でした。
うーーーん、業務範囲がかなり狭いです。自分のような河川技術者ベースで受ける受験者等にはかなり厳しい内容です。
一方、公園整備等の技術者ならB/Cは書けるだろうし、環境アセスやっている人なら環境影響評価はお手のものでしょう。専門分野によって明暗分けたんじゃないかなと思います。
とにかく、これから数年間は多分この出題形式が踏襲されると思いますので、準備だけはしやすくなったと思います。この出題形式に合わせ、自分の専門外の業務についても複数まとめておくことがクリアの必須条件と感じました。
【問題III】
基本的には昨年までと同様、建設環境に関するネタに関する問題提示と課題抽出、課題の解決策(課題遂行方策)提案に関する問題でした。ただし、建設一般や問題II-2と同様に、各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
(1)(建設環境)技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
内容的にはオーソドックスですね。ただし注意しなければならないのは、「課題はあくまで解決すべきモノ」であり、遂行すべきモノではないという扱いになっていることです。まぁ、言葉の定義だけなのですが、試験制度改正等で散々「課題遂行方策について問う」とか書いてあったので大きな違和感を感じます。
さて、出題内容ですが、、「生物多様性保全」と「都市農地」でした。生物多様性保全の方は、これまでも何度も出題された、建設環境の俯瞰大本命ネタだった一方、都市農地の方は間違っても俯瞰ではない、平成28年度に策定された「都市農業振興基本計画」について予習したか、あるいは実務で関連業務等に携わったかでなければ歯が立たない難問だったと思います。
最後の「解決策に共通して新たに生じうるリスク」っていうのは、他の科目のところでも書きましたが、技術や社会経済状況の変遷をモニタリングするとともに、これに基づき計画を見直す重要性はいろんな分野で不変だと思いますのでこれを書けばいいと思います。
受験者の9割以上は生物多様性の方に解答したんじゃないかなぁと感じましたが、その分生物多様性の方は平均点が高そうです。
II 次の2問題(II-1~II-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)
II-1 次の4設問(II-1-1~II-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙1枚以内にまとめよ。)
II-1-1 下水の排除方式には分流式と合流式があるが、それぞれの特徴を多面的に比較して述べよ。
II-1-2 管きょ更生に用いられる管の構造形式のうち、自立管及び複合管について、それぞれの特徴及び適用される工法を述べ、それらの工法の概要について述べよ。
II-1-3 下水処理における硝化反応について、概要及び特徴について述べよ。
II-1-4 遠心濃縮、常圧浮上濃縮、ベルト式ろ過濃縮の3方式の機械濃縮の中から2つを選び、それらに重力濃縮を加えた3つの汚泥濃縮方法について、それぞれの概要及び特徴について述べよ。
II-2 次の2設問(II-2-1、II-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙2枚以内にまとめよ。)
II-2-1 地方の中核都市A市では、これまで汚水処理と雨水排除の整備区域を概ね同一として、計画降雨50mm/h(5年確率降雨)を計画区域全域における一律の整備目標とする下水道施設の整備を進めてきたが、雨水の未整備地区も多く残っており、従来の全体計画を見直す必要も生じている。計画的かつ効率的な浸水対策の施設整備を進めるため、雨水管理総合計画を策定することになった。あなたが、この雨水管理総合計画策定業務の担当責任者に選ばれた場合、下記の内容について記述せよ。
(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
II-2-2 B市では1つの処理区による単独公共下水道の整備が概成し、処理能力50,000m3/日(日最大)の下水処理場が稼働しているが、処理区域外の汲み取りし尿と浄化槽汚泥を収集処理していたし尿処理施設が老朽化したため、し尿・浄化槽汚泥を下水処理場で受け入れる検討が必要になった。下水処理場の水処理方式は標準活性汚泥法であり、また汚泥処理工程は濃縮→消化→脱水→場外であるが、し尿・浄化槽汚泥の受け入れ検討を進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

III 次の2問題(III-1、III-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
III-1 A市は20年前に下水道事業の供用を開始したが、水質規制が適用されている公共用水域に下水処理水を放流していることから、全体計画には高度処理が位置付けられている。しかしながら、供用当初は流入水量が少ないことや初期投資コスト抑制のため、高度処理は導入せず、二次処理で対応してきたところである。近年、下水道整備が進み、流入水量が増加してきたことから、既存施設を活用した高度処理の導入について検討する必要が生じた。なお、A市は10年前をピークとして少しずつ人口が減少している。このようなA市において、高度処理の導入計画を策定する技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)既存施設を活用した高度処理の導入を検討するに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その選定理由を述べるとともに、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)それらの解決策により新たに生じうるリスクを示すとともに、それらへの対策について述べよ。
III-2 B市(人口40万人)の公共下水道(合流式)においては、保有する大部分の下水道管きょの老朽化が進み、下水道管きょに起因する道路陥没の発生が急増するなど、老朽化対策が急務となっている。また、頻発する浸水被害への対応や、予想される大地震への備え等も進めていかなければならない状況にある。しかしながら、本格的な人口減少社会の到来による下水道使用料収入の減少、昭和40年代から平成10年代に集中的に整備された下水道施設の老朽化、さらにこれらに対応する技術者の減少などが課題となっている。このような状況を踏まえて、計画的かつ効果的に管きょの老朽化対策を進める技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)計画的かつ効果的な管きょの老朽化対策を進めるに当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その選定理由を述べるとともに、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)それらの解決策により新たに生じうるリスクを示すとともに、それらへの対策について述べよ。
【問題II-1】
建設部門等では、従来の解答数2が1に減じただけという小変更でしたが、下水道にとってはものすごく大きな変更です。「Aグループ(計画と管路)、Bグループ(水処理)それぞれ1問づつ」という縛りの廃止は、下水道の難易度を大きく易化させるものです。自分自身、最初の技術士(下水道)の合格に4回もかかったのは「いつもBグループのまともな解答がどうしても書けない」からでした。Aグループだjけなら、今の無勉の自分にでも1枚位はいくらでも埋められます。それが証拠に、ブログにこんなこと(II-1-1の解答に近い)を即興で書いたりしています(o゜▽゜)o。
出題ネタは、旧Aグループが下水道の排除方式と管更正、旧Bグループが硝化脱窒と汚泥濃縮と、まことにオーソドックスです。今後は下水道の技術士を受ける技術者なら、業務上身につけた自らの知識によって、無勉で解答できるレベルの簡単な試験になったと感じました。
【問題II-2】基本的には昨年までと同様、ある業務を取り上げて実施手法や留意点等を問う問題でした。ただし,各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
◯◯業務を実施するに当たって・・・、
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
(1)の調査検討すべき事項と内容と(2)留意すべき点工夫を要する点は従来通りですが、新たな出題形式の今年は(3)の関係者との調整方策というものが加えられています。問題II-2では、当該試験によってコンピテンシーのうちマネジメント能力を問うことになっているため追加されたと思います。
下水道が対象としている業務は幅広いため、関係者や調整が必要な項目は、業務ごとに大きく異なってきます。例えばII-2-1の雨水管理計画なら、放流先河川や排水機場の管理者、減災も含む場合(内水HMや水防訓練)では地域住民、さらに棟間や校庭貯留などを計画する場合はその施設管理者といった感じです。
このような的を得た調整先を抽出した上、効率的な調整方策を記述することが得点のポイントだと思います。
取り上げられたネタは、「雨水管理総合計画(浸水対策)」と「汚泥の共同処理(既存下水道施設活用)」でした。
雨水管理総合計画の方は、毎年のように出ている定番のネタであり、流域対策や河川等関係者との連携がしっかりと書かれている必要があります。汚泥の共同処理の方は専門外のためよくわかりませんが、今後少子高齢化によりコンパクト&ネットワークが叫ばれていく中、施設の集約化、統合ということでますます増える分野だと思います。2問とも良問と感じました。
【問題III】
基本的には昨年までと同様、科目の俯瞰なネタに関する問題提示と課題抽出、課題の解決策(課題遂行方策)提案に関する問題でした。ただし、建設一般や問題II-2と同様に、各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
(1)技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その選定理由を述べるとともに、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策により新たに生じうるリスクを示すとともに、それらへの対策について述べよ。
内容的にはオーソドックスですね。ただし注意しなければならないのは、建設部門の各科目と同様「課題はあくまで解決すべきモノ」であり、遂行すべきモノではないという扱いになっていることです。まぁ、言葉の定義だけなのですが、試験制度改正等で散々「課題遂行方策について問う」とか書いてあったので大きな違和感を感じます。
また、(3)は建設部門では「解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策」となっているのに下水道では単に「生じうるリスク」となっていて「共通」という表題が与えられていません。下水道受験者の方は、この分戸惑いがなかったと思います
さて、出題ネタの方ですが、「高度処理」と「管路施設老朽化対策」でした。地元開催ということでつい先日何年ぶりかで下水道展(ブログにはポケモンネタしか書いてませんがしっかり展示も見学してきました(o゜▽゜)o)に行ってきましたが、企業ブースの大部分はこの2つに関連したものでした。まさに大本命2題でした。
高度処理は閉鎖性水域富栄養化等を踏まえた、わが国の下水道の「量」から「量と質」への大きな課題なので、準備して挑んだ受験生は多いのではないかと思います。管路施設老朽化の方は、長寿命化計画のネタを予想して準備した受験生が多いのではないかと思います。その分受験生の皆さんの平均的な出来はかなり高い気がします。
早いものでもう8月になってしまいました。暑さのピークですね!
平成10年代位まで、技術士二次試験は8月末に行われていたので、当時はこの酷暑シーズンの中、盆休みを返上してお勉強する必要がありました。あれに比べたら、7月中旬(海の日)実施の今は、受験生も、そして試験運営サイドも負担が軽くなったと思います。
ということで、月も変わったしサボってないで今年の出題の総括を進めたいと思います。本日は上下水道一般です。
I 次の2問題(I-1、I-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
I-1 上下水道事業は、市民生活にとって重要なライフラインであり、災害や事故発生時においても事業を一定のレベルで継続させ、早期に業務レベルを復旧することが必要不可欠である。このため、頻発するさまざまな災害や事故においても実効性のある上下水道事業共通の計画立案と災害リスクの低減が求められている。
 上記のような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1)技術者としその立場で多面的な観点から上下水道事業に共通する課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える上下水道事業に共通する課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)業務遂行において必要な要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
I-2 上下水道事業は、我が国の生活基盤を支えるインフラとして重要な役割を果たしている。一方で、その事業活動は、インフラ整備、水輸送のための管路システム及び水処理におけるエネルギー消費等により、地球温暖化に影響を及ぼしている。
 上記のような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)上下水道事業においては地球温暖化防止のためのさまざまな取組が求められている。これについて、技術者としての立場で多面的な観点から上下水道事業に共通の課題を抽出して分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える上下水道事業に共通の課題を1つ挙げ、その理由を述べるとともに、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)業務遂行において必要な要件を技術者としての倫理,社会の持続可能性の観点から述べよ。
出題形式や内容】
 まず、大きな特徴は、「上下水道のみ」「下水道のみ」ではなく、「上下水道をまとめたネタについての設問」だったことです。名前が似ているけど監督官庁が違う上下水道全般の話題ということで、困惑された受験生さんもかなり多かったと思います。今後は下水道の受験者でも、上水道の時事ネタ等も勉強、を準備して挑む必要性が生じました。大昔(平成12年度以前)に回帰したわけです。一方、平成24年度以前には、設問に関連した資料(グラフや表等)が大量に提供され、これを踏まえて解答する様式でしたが、こうした資料提供は一切なくなりました。
 試験制度改正や技術士コンピテンシー等で、盛んに「課題遂行方策」という用語を使っているのでこれを問う問題を予測していましたが、建設一般等と同様に、蓋を開けたら従来のような「課題と解決策」という表現でした。建設部門と同様に「課題は遂行するモノ」ではなくて「課題は解決するモノ」という表現。
 出題内容は「課題抽出(従来でいう問題提示)」「解決策(従来でいう課題遂行方策)提示」「解決策実施に伴うリスクと対策」という予測に対し、この内容とともに新たに「(4)業務として遂行するに当たり必要となる要件(技術者倫理やサスティナビリティを踏まえた内容)」というものが追加されました。課題と解決策は課題をいくつか挙げた上、その中で最も重要と考える一つを選び、複数の解決策を書くよう指示されています。ここで、抽出する課題も複数の解決策も、3つづつ程度が標準ではないかと考えます。いずれにしろ、2問ともほぼ同様の形式で出題されていますので、来年以降もこの形式で出題されると考えていいと思います。
【問題I-1】
H30豪雨による上水道長期マヒを受けたんでしょう、BCPに特化した防災がネタにされました。かなりの大事件だったので、特に上水道で受験された方はかなりの確率で勉強されたと思います。非常に素直な問題でした。
【問題I-2】
地球温暖化防止・・・、こちらも大本命ネタですね。特に水処理にエネルギーを使う上下水道、また下水道の汚泥有効活用等、地球温暖化防止に向けた課題は山積しています。「上下水道双方」という条件付けは厳しいものの、非常に素直な出題ネタでした。
建設一般と同様に、二問とも本命の出題ネタなので、よく書けた人も多いと考えます。問題は「上下水道全般」ということで、下水道の受験生なら、どの程度上水道も含んだ解答に出来たのかが、評価を分ける一つの大きなポイントになる気がします。
II 次の2問題(II-1、II-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)
II-1 次の4設問(II-1-1~II-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙1枚以内にまとめよ。)
II-1-1 我が国において、エリアマネジメント(地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取組)の展開が期待されるようになった背景を述べよ。また、エリアマネジメントの推進に資する都市再生特別措置法に基づく制度のうち、都市再生整備計画の計画事項に位置付けることによって効果を発揮する制度、又は都市再生整備計画を提案できる主体に関する制度について、1つを挙げ、その概要(目的、要件等)及び制度活用のメリットを述べよ。
II-1-2 土地区画整理事業における「換地照応の原則」について説明せよ。また、換地の特例制度である「市街地再開発事業区」、「高度利用推進区」又は「誘導施設整備区」のうち、いずれか1つを選択し、その概要(目的,区域設定の条件、申出条件等)について説明せよ。
II-1-3 建築物の規制・誘導等を行う次の制度について、土地の高度利用、都市機能の増進を図る上での考え方の違いに留意しつつ、それぞれの特徴及び概要を述べよ。

(1)高度利用地区

(2)再開発等促進区を定める地区計画(都市計画法第12条の5第3項,建築基準法第68条の3)
II-1-4 都市における公園緑地の多面的な機能を4つに区分して説明せよ。
II-2 次の2設問(II-2-1、II-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙2枚以内にまとめよ。)
II-2-1 防災・減災対策と並行して事前に被災後の復興まちづくりを考えながら準備しておく復興事前準備の取組を進めておくことが重要となっている。このため平時から災害が発生した際のことを想定し、ソフト的対策を含む防災・減災対策と並行しつつ、それとは別に、被災市街地の復興に資するソフト的対策を事前に準備しておくことが必要である。
 大規模地震による被災の懸念のある地方公共団体において、復興事前準備の取組を行うことになり、あなたがこの業務を担当責任者として進めることになった。下記の内容について記述せよ。'

(1)調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
II-2-2 人口減少・少子高齢化が進むとともに、財政制約が高まりつつある大都市近郊の都市の住宅市街地において、下図のとおり幹線道路及び補助幹線道路に囲まれた約500m四方の区域内に存する3つの街区公園(A:約1,500m2、B:約700m2、C:約300m2)について、その配置及び機能の再編に関する方針を策定することとなった。この業務を担当責任者として進めるに当たり、下記の内容について記述せよ。
 なお、当該区域内の住民1人当たりの街区公園の面積は、現在、当該都市が掲げる市街地の住民1人当たりの街区公園の整備目標水準を満たしているものとする。また、3つの街区公園は、いずれも設置後30年以上が経過しているが、これまで、公園施設の維持・修繕は行ってきているものの、それらの公園で確保すべき機能の見直しは行っていないものとする。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
tお計II-2-2図
               
III 次の2問題(III-1、III-2)のうち1闘題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
III-1 我が国では人口減少社会を迎える中で、空き地・空き家等の低未利用地が時間的・空間的にランダムに発生する「都市のスポンジ化」と呼ばれる状況が顕在化しつつある。

(1)こうした状況を踏まえ、地区レベルで都市のスポンジ化対策としてのまちづくりを行っていく上で、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
III-2 鉄軌道を含む公共交通の分担率が一定程度ある地方の都市圏において、都市圏全体を傭鰍する視点から、人口減少・少子高齢化を踏まえた都市の持続的経営を目的として都市構造の再編を進めることとなった。あなたがその計画策定を担当責任者として進めるに当たり、以下の問いに答えよ。
 なお、都市構造の再編を進めるに当たっては、公共交通が都市の形成に影響を及ぼすことに着目し、公共交通の利用を前提とするものとする。

(1)都市計画の技術者としての立場で多面的な観点から計画策定に係る課題を抽出し、その課題を分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
【問題II-1】
問題II-1は、従来通りの設問形式で、解答数が2問から1問に半減しただけのようです。当初「解答数が半減するので出題数も2問に減じられるのではないか(出題要領に【出題数は解答数の2倍程度】との但し書きあり)」ということが懸念されていましたが、出題数の減少は実施されず、「都市再生」「土地区画整理事業」「高度利用と地区計画」「公園緑地の機能」と都市及び地方計画が対象としている広範な分野から4問満遍なく出題されました。このため、受験者の負担が単に減じただけという結果です。解答用紙1枚程度の浅い知識でかまわないので、自分の専門分野とその周辺領域について間口を広く準備すれば問題なくクリアできる内容だと感じました。
【問題II-2】
基本的には昨年までと同様、ある業務を取り上げて実施手法や留意点等を問う問題でした。ただし,各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
◯◯業務を実施するに当たって・・・、
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
(1)の調査検討すべき事項と内容と(2)留意すべき点工夫を要する点は従来通りですが、新たな出題形式の今年は(3)の関係者との調整方策というものが加えられています。問題II-2では、当該試験によってコンピテンシーのうちマネジメント能力を問うことになっているため追加されたと思います。
都市計画分野が対象とするまちづくりや公園整備、再開発等は、対象区域の住民や企業、利用者等との合意形成がついて回ります。このため、最近は河川や道路もPIの取組等を頻繁にやるようになりましたが、都市計画はその先駆者です。計画策定に向けた委員会運営やワークショップ等の経験があれば、その特のノウハウを書けば完璧です。また、決してそのような大それたことで無くても、例えばコンサルなら客先の役人、役人なら市民や利用者に計画案の内容を説明するとともに、意見聴取してこれを反映する取組について書けば完璧だと思います。
取り上げられたネタは、「復興事前準備」と「街区公園の再配置計画」でした。
復興事前準備は平成30年7月に、復興まちづくりのための事前準備ガイドラインというモノが国土交通省都市局示され怪しいと感じ、配布した問題集のII-2-22でも取り上げました。とりあえずこのガイドラインに沿った内容なら、文句なしでA評定が取れると思います。
街区公園の再配置は、30年以上前の高度成長期からバブル期前に書けて整備されたものなので、今後の少子・高齢化進行を踏まえ「コンパクトプラスネットワーク」に順応したものに見直す取組を書けばいいのではと思います。具体的には例えばこの仙台市の取組の内容なんかが参考になります。
とにかく、これから数年間は多分この出題形式が踏襲されると思いますので、非常に準備がしやすくなったと思います。
【問題III】
基本的には昨年までと同様、科目の俯瞰なネタに関する問題提示と課題抽出、課題の解決策(課題遂行方策)提案に関する問題でした。ただし、建設一般や問題II-2と同様に、各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
(1)(都市計画)技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
内容的にはオーソドックスですね。ただし注意しなければならないのは、「課題はあくまで解決すべきモノ」であり、遂行すべきモノではないという扱いになっていることです。まぁ、言葉の定義だけなのですが、試験制度改正等で散々「課題遂行方策について問う」とか書いてあったので大きな違和感を感じます。
さて、出題内容ですが、、「都市のスポンジ化」「コンパクトプラスネットワーク」という、大本命2題でした。
上記のリンクを見れば、望ましい解答内容(国土交通省の方針に沿ったモノ)が手に取るようにわかります。この内容に合致しておればA評定を期待してもOKです。
最後の「解決策に共通して新たに生じうるリスク」っていうのは、技術や社会経済状況の変遷をモニタリングするとともに、これに基づき計画を見直す重要性はいろんな分野で不変だと思いますのでこれを書けばいいと思います。
総合的に見て、都市及び地方計画は非常に素直な題材が取り上げられたと思います。その分受験生の皆さんの平均的な出来はかなり高い気がします。
SUKIYAKI塾掲示板の書き込みを見ていたら、「問題Iの解答再現の要否についてのスレッドが立っていました」
これに対し、ある方が平成31年度技術士第二次試験実施大綱の2頁中断あたりに「口頭試験は、技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における答案(総合技術監理部門を除く技術部門については、「選択科目」についての問題解決能力・課題遂行能力に関するものを問うもの)及び業務経歴を踏まえ実施するものとし、筆記試験の繰り返しにならないよう留意する。」との記載があるため、今年から解答論文の再現は「問題IIIのみでよい」と回答されています。
お恥ずかしいことに知りませんでしたが、少なくともこの公表資料を見る限り、口頭試問で言及される筆記解答は問題III(選択科目に関する問題解決能力・課題遂行能力)のみと考えていいと思います。
昨年までは「筆記解答の復元は概要だけでもいいので全てやっておくことが望ましい」が常識でしたが、今年からは負担が減りましたね!!!
とにかく、問題IIIの解答復元だけはしっかりとやっておきましょう!
技術士二次試験の直前である7月9日(火)、添削指導の最終ピークや自らの試験準備等のため気づかなかったけど、技術士制度改革についてという提言の最終版が、技術士会の公式サイトにアップ、公式にオーソライズされました。、

技術士制度改革について(提言):「最終報告」
2019年7月9日
技術士制度検討委員会
 2016年に文部科学省科学技術・学術審議会技術士分科会において「今後の技術士制度のあり方について」の報告書が取りまとめられたことを受け、本会では「技術士制度検討委員会」を設置し、技術士制度に関わる様々な論点について検討を進めてきましたが、今般、標記の『「技術士制度改革について(提言)「最終報告」』を取りまとめました。
今回焦点を当てた検討項目は次の通りです。
(1)更新制度の導入
(2)技術士補の在り方
(3)国際通用性の確保
(4)資格の活用


本報告は、上記4つの項目に関する基本的な考え方を示したに過ぎませんが、今後は検討を重ね具体的な形に仕上げていくとともに、技術士分科会等での審議に資するため積極的に発信していきたいと考えます。
添付資料
技術士制度改革について-最終報告-(概要)(PDFファイル 215KB)
技術士制度改革について(提言)「最終報告」(本文)(PDFファイル 3089KB)

実はこれ、既に5月に技術士会会員限定サイトの方には公開されていましたが、これで正式に公開ということになると思います。
気になる更新制度の導入については以下の通りです。
(1)更新制度に基づき更新を実施している技術士のみ「技術士(◯◯部門)(更新)」という称号を用いることができる
(2)更新期間は5年
(3)更新手続きは所定のCPD取得と更新講習受講(ほぼRCCMと同様です)
(4)CPDは5年で100ポイント(20ポイント/年相当)で、継続研鑽の意味合いで1年間に最低10ポイントの取得が義務づけられる
(5)明記はないものの「CPD加盟各学会登録単位からの転記方法の検討」等と書いてあるので、現在RCCMで用いているJCCAのCPD等が概ね転用できるようになる
(6)CPDの取得期間単位はRCCMの「年度(4月から翌年3月まで)」とことなり、西暦年次ごと(1月~12月)とのこと

私は諸外国の事例等も踏まえ、CPD(継続研鑽)に基づいた更新制度を適用すること自体には賛成しますが、諸外国ではほとんどないRCCMや監理技術者のような高額更新手数料や更新講習は絶対反対です。でも、JCCA(建設コンサルタンツ協会)なんて、派手に講習やっていてまさに収入の屋台骨になっているみたいですが、日本技術士会もこのような安定した収入源がなんとしても欲しいんでしょうね・・・。
 
また、「技術士(◯◯部門)更新」って、すげーカッコ悪いですよね。
素直に法改正して、更新していないと「技術士」と名乗れないことにするのはダメなのでしょうか。

まぁ、以上のような内容に固まったわけですが、技術士は国家資格なので、これからこの内容を踏まえて文部科学省主導で法改正が検討、条文や関連法令、制令等の作成や国会審議等の手続きが進められます。これには多分最低でも数年かかると思います。
そして既技術士の方は、多分法改正施行後5年後の時点で初めて更新をすることになると思います。
※私も含め多くの方が現役をリタイヤしている可能性もありそうですね・・・(ノД`)
II 次の2問題(II-1、II-2)について解答せよ。(問題ごとに答案用紙を替えること。)
問題II-1 次の4設問(II-1-1~II-1-4)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙1枚以内にまとめよ。)
II-1-1 河川堤防(土堤)について、維持管理の観点からの施設の特徴と維持すべき機能をそれぞれ2つ以上述べよ。また、その特徴と機能を踏まえ、河川堤防(土堤)の維持管理に当たっての技術的留意点を述べよ。
II-1-2 重力式コンクリートダム本体、アーチ式コンクリートダム本体、フィルダム本体から1つを選び、大規模地震に対するダム本体の耐震性能を照査する際の流れを概説するとともに、照査における技術的な留意点を2つ以上述べよ。
II-1-3 河道閉塞(天然ダムの形成)、火山噴火による降灰、地すべりの活動のいずれか1つを選び、これに起因する土砂災害の特徴と、二次被害の防止・軽減に資する調査、監視等、緊急的なソフト対策について述べよ。
II-1-4 水防法に基づく高潮浸水想定区域図の作成について、想定する台風の条件設定(規模、経路)の方法を述べよ。また、想定する台風による高潮推算(海域のみ。河川域及び陸域は除く。)の方法及び留意点をそれぞれ1つずつ述べよ。
問題II-2  次の2設問(II-2-1、II-2-2)のうち1設問を選び解答せよ。(解答設問番号を明記し、答案用紙2枚以内にまとめよ。)
II-2-1 近年、激甚な災害が各所で発生し大規模な災害復旧事業が進められているが、環境の保全に配慮しつつ災害に強い社会資本の整備が求められている。あなたが環境に配慮した災害復旧工事の検討業務を担当することとなった場合、河川,砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象として、以下の問いに答えよ。

(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
II-2-2 近年、大規模広域豪雨による洪水・土砂災害の発生や、大規模地震・津波が想定されることを踏まえると、河川、砂防及び海岸・海洋の分野では、防災に配慮した地域づくりを進めていくことが求められる。あなたが洪水、土砂災害、津波のいずれかの防災地域づくりの検討業務を担当することとなった場合、以下の問いに答えよ。

(1)調査検討すべき事項とその内容について説明せよ。

(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。

(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
III 次の2問題(III-1、III-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
III-1 近年の自然災害は気候変動の影響等により頻発化・激甚化の傾向にあり、国民の生活・経済に欠かせない重要なインフラがその機能を喪失し、国民の生活や経済活動に大きな影響を及ぼす事態が発生している。特に、防災のための重要インフラがその機能を維持することは、自然災害による被害を防止・軽減する観点から重要である。

(1)近年の自然災害発生状況を踏まえ、自然災害時に防災のための重要インフラの機能維持を図るために必要と考えられる対策について、技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
III-2 平成30年7月豪雨をはじめ、近年大規模な豪雨災害が頻発していることを受け、「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」へ意識を変革し「水防災意識社会」を再構築するための取組を社会全体で進めていくことが重要である。また、洪水氾濫に加えて、土砂・高潮・内水なども含めた複合的な災害にも備えていく必要がある。

(1)平成30年7月豪雨等の近年の災害を踏まえ、人的被害や社会経済被害を最小化するために必要と考えられる対策について,技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。

(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。

(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
【問題II-1】
問題II-1は、従来通りの設問形式で、解答数が2問から1問に半減しただけのようです。当初「出題数が2問に減じられるのではないか」ということが懸念されていましたが、出題数の減少はされず、「河川」「ダム」「砂防地すべり」「海岸海洋」のそれぞれの分野から出題されました。このため、受験者の負担が単に減じただけという結果です。
河川は堤防(土堤)の維持管理という、基本中の基本ともいえるネタが採用されました。十分予測された内容なのでちょっと準備をしていれば問題なく書けたと思います。
ダムはダム形式毎の耐震照査手法の詳細説明。指針があって手法が定められている物なので、キチンと勉強していれば問題なく書けたと思います。
砂防地すべりでは、災害別(天然ダム、噴火、地すべりのいずれか)の特徴と、二次災害防止・軽減に向けた調査、監視、緊急的なソフト対策というもので、実務に携わっていなくても、近年の土砂災害について学習していれば問題なく書ける内容だと思います。
海岸・海洋は高潮シミュレーションでの台風の外力設定手法。これはかなりマニアックなので、実務で携わってないとちょっとお手上げって感じがします。
【問題II-2】
基本的には昨年までと同様、ある業務を取り上げて実施手法や留意点等を問う問題でした。ただし,各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
◯◯業務を実施するに当たって・・・、
(1)調査検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
(1)の調査検討すべき事項と内容と(2)留意すべき点工夫を要する点は従来通りですが、今年は(3)の関係者との調整方策というものが加えられています。問題II-2では、当該試験によってコンピテンシーのうちマネジメント能力を問うことになっているため追加されたと思いますがここがキーポイントですね。
Ii-2-1は河川であれば「美しい山河」に示された災害復旧における環境配慮方法(個人的には改良復旧が来ると思っていましたがオーソドックスな環境配慮でした)で、十分予測された内容なのでちょっと準備をしていれば問題なく書けたと思います。
II-2-2は平成29年西日本水害や平成30年7月豪雨災害などを踏まえた防災地域づくりネタです。6月に私が参加してきたシンポジウムの内容そのままです。具体的には地域主体の取組で、地域や市民が自らの危険性を十分認識して災害時の行動を取るための施策を書いてやるのが最もいいと思います。いずれにしろ、建設一般や問題IIIも含めこのネタをじっくり準備した方も多いと思うので、そういう方々はよく書けたでしょう。
さて、問題は新設された「関係者との調整方策」ですが、II-2-1もII-2-2も、河川環境や地域防災に関するワークショップや教育等が該当してくるため、これらの取組について書けばいいと思います。
【問題III】
基本的には昨年までと同様、科目の俯瞰なネタに関する問題提示と課題抽出、課題の解決策(課題遂行方策)提案に関する問題でした。ただし、建設一般や問題II-2と同様に、各科目、部門を超えて出題形式が以下のように統一されたようです。
(1)◯◯に必要と考えられる対策について、技術者としての立場で多面的な課題を抽出し分析せよ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
内容的にはオーソドックスですね。ただし注意しなければならないのは、「課題はあくまで解決すべきモノ」であり、遂行すべきモノではないという扱いになっていることです。まぁ、言葉の定義だけなのですが、試験制度改正等で散々「課題遂行方策について問う」とか書いてあったので大きな違和感を感じます。
さて、出題内容ですが、H3007豪雨では「上水道の長期マヒ等、インフラ施設の被災により避難生活やサプライチェーンに重大な被害」と「逃げれば助かったのに地域や市民が避難行動を取らなかったため生じた多数の犠牲者」という2つの重大な特徴があり、どちらかは出るんじゃないかと思ってました。しかしながら、両方とも出てしまいました。この設問内容については、両方とも本命中の本命なので、勉強された方は多いと思います。うまく書けたのではないでしょうか。
以上の河川、砂防及び海岸・海洋の専門問題は予想通りの素直なモノが多く、総じて平均点が高いのではと感じました。その分、昨年度の超低合格率のリバウンドで、今年は合格率を高くしてくれるといいのですが・・・。
技術士二次試験受験生の方々、お疲れさまでした。
ボチボチとですが、試験制度改正の本年度の筆記試験の出題内容について、総括していきたいと思います。とりあえず、私が受験して問題文が手元にある建設部門。道路科目から始めます。そのほかの部門・科目(上下水道部門、下水道、建設部門、河川、砂防及び海岸・海洋、都市及び地方計画、建設環境)は近日中に技術士会から問題文が公開されるので、その内容で総括しますが、「なるべく早く総括して欲しい」という受講生様がいらっしゃったら、問題文をスキャンしてお送り下さい。先行して実施いたします。
それでは、今年から復活した建設一般から行きましょう。
次の2問題(I-1、I-2)のうち1問題を選び解答せよ。(解答問題番号を明記し、答案用紙3枚以内にまとめよ。)
I-1 我が国の人口は2010年頃をピークに減少に転じてお.り、今後もその傾向の継続により働き手の減少が続くことが予想される中で、その減少を上回る生産性の向上等により、我が国の成長力を高めるとともに,新たな需要を掘り起こし,経済成長を続けていくことが求められている。
 こうした状況下で、社会資本整備における一連のプロセスを担う建設分野においても生産性の向上が必要不可欠となっていることを踏まえて,以下の問いに答えよ。
(1)建設分野における生産性の向上に関して,技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)(1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を,技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
I-2 我が国は、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象に起因する自然災害に繰り返しさいなまれてきた。自然災害への対策たついては、南海トラフ地震、首都直下地震等が遠くない将来に発生する可能性が高まっていることや、気候変動の影響等により水災害,土砂災害が多発していることから,その重要性がますま
す高まっている。
 こうした状況下で、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地城・経済社会の構築に向けた「国土強靱化」(ナショナル・レジリエンス)を推進していく必要があることを踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1)ハード整備の想定を超える大規模な自然災害に対して安全・安心な国土・地域・経済社会を構築するために、技術者としての立揚で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で提示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(4)(1)~(3)を業務として遂行するに当たり必要となる要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
【出題形式や内容】
 試験制度改正や技術士コンピテンシー等で、盛んに「課題遂行方策」という用語を使っているのでこれを問う問題を予測していましたが、実際は従来のような「課題と解決策」という表現でした。うーん、それにしても「課題は遂行するモノ」ではなくて「課題は解決するモノ」ということかぁ。違和感ありまくりです・・・。
 一方、出題内容は「課題抽出(従来でいう問題提示)」「解決策(従来でいう課題遂行方策)提示」「解決策実施に伴うリスクと対策」という予測に対し、この内容とともに新たに「(4)業務として遂行するに当たり必要となる要件(技術者倫理やサスティナビリティを踏まえた内容)」というものが追加されました。課題と解決策は課題をいくつか挙げた上、その中で最も重要と考える一つを選び、複数の解決策を書くよう指示されています。ここで、抽出する課題も複数の解決策も、3つづつ程度が標準ではないかと考えます。いずれにしろ、2問ともほぼ同様の形式で出題されていますので、来年以降もこの形式で出題されると考えていいと思います。
【問題I-1】
生産性向上が出ました。試験直前に怪しいとここに示しましたが、見事に出題されてビックリです。この記事を信じて予習された方は満足できる内容が書けたのではないでしょうか。。
【問題I-2】
本命の国土強靱化ネタが出ました。ただし、内容は私が例題で予測した脆弱性評価による見直しではなく、オーソドックスな「防災から減災」「公助から自助、共助」「ハードからハードとソフトのベストミックス」等での想定外への対応でした。
いずれにしろ、二問とも本命の出題ネタなので、よく書けた人も多いと考えます。平均点は高そうですね・・・。

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例題I-15
東日本大震災による甚大な災害等を踏まえ、平成25年12月11日に、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法(以下「基本法」という。)」が公布・施行され、基本法に基づいた国土強靱化基本計画による取組を開始して5年が経過した。本計画における取組はおおむね計画どおりに進捗したと評価できる一方、大規模地震の発生確率の増加、異常気象の頻発・激甚化等を踏まえれば、我が国において国土強靱化の取組は引き続き喫緊の課題である。このため、平成30年12月に国土強靱化計画の見直しが実施された。
国土強靱化に関する次の設問に解答せよ。
(1)当初5年間における計画遂行に当たって露呈した問題について説明せよ。
(2)(1)で示した問題解決に向けた、あなたが重要と考える課題遂行方策を3つ提案せよ。
(3)(2)で提案した方策による負の側面と、これを解決するため必要な対策についてあなたの意見を述べよ。


1.はじめに
東日本大震災の甚大な被災を踏まえ、基本法に基づ
き国土強靱化基本計画が平成26年6月に策定された。
本計画は防災・減災を踏まえた国土づくりを「施策
の重点化」「ハード・ソフト両面での効率的な推進」
「自助・共助・公助の適切な組合せ」「民間資金の活
用」で目指すものであるが、発効から5年が経過し、
平成30年12月に見直しが閣議決定された。
以上に基づき、露呈した問題について説明するとと
もに、問題を解決するため必要な課題遂行方策につい
て私の意見を述べる。
2.5年間の計画遂行で露呈した問題
5年間の計画遂行の結果、明らかとなった脆弱性等
の問題の主要なものを3つ挙げて述べる。
2-1.国土利用や産業構造の脆弱性
大都市圏では人口や産業の集中により、災害時に甚
大な被害となるリスクが大きい。一方で、少子高齢化
等で今後ますます人口減少や過疎化が進む地方部では、
災害対応や復興に係る人材などのリソース確保が困難
となるリスクが大きい。こうした諸問題に対応可能な
国土利用や産業構造構築が強く求められている。
2-2.リダンダンシーの重要性
平成30年7月豪雨災害では、甚大な人的被害が生
じてしまったが、上水道等の長期機能マヒ等により、
復興や避難生活にも重大な支障を来した。災害に強い


強靱な国土の構築には、被災時や復興におけるエネル
ギー供給網、通信網、交通網の多重化、行政や金融、
物流や情報サービス等の代替性確保等、リダンダンシ
ー確保が極めて重要である。
2-3.より良い復興への意識改革
 災害時には迅速な復旧・復興が最重要課題となる。
これまでの災害復旧では、早急な現況復旧を最優先し
て事業を実施してきた。しかしながら、強靱化計画を進
めて行くに当り、より良い復興への意識の重要性が顕
在化した。復興を機会に、地域の土地利用や産業構造、
社会資本のあり方等を見据えた上で、地域独自の文化
や生活様式等の伝承の視点も加えた、より強靱な地域
づくりを実践していくことも重要である。
3.問題解決に向けた課題遂行方策
3-1.地域防災力の向上
 強靱な国土造りのためには、そこに住まう人、働く
人が主体となって地域防災力向上を図っていくことが
重要である。災害リスクが高い場所への人口集中の分
散等を図るとともに、地域コミュニティ強化や教育訓
練等により、住民や地域が自らの命は自らが守るとい
う意識に基づいた自発的な防災活動を促進していく必
要がある。
3-2.リダンダンシー確保に向けた取組
災害時や復興時にエネルギー供給網、通信網、交通
網が機能を維持出来るよう、インフラ施設の冗長化、


多重化等を効率的に進めていく必要がある。併せて、
それらの社会基盤の上に成り立つ産業等におけるBCP
の策定や不断の見直しを行うとともに、訓練実施等に
よる計画の実効性担保にも注力していくべきである。
3-3.より良い復興の実践
「仙台防災枠組2015-2030」では、国家・地方レベ
ルの「IV優先行動」において、「Build Back Better
(より良い復興)」が明記されている。例えば、水害
対策において、今後気候変動等に伴う超過洪水リスク
増大等も踏まえ、改良復旧事業の考え方を適用する等
の施策を展開していくべきである。また、「より良い
復興」の実践に当たっては、単に防災・減災だけでな
く、自然環境保全、地域の歴史や分化、観光等にも配
慮した、多面的な「より良い復興」を目指すことが重
要である。
4.負の側面と解決するため必要な対策
国土強靱化は、国民生活を直接守る国家プロジェク
トであり、最新の技術や知見、災害履歴等に基づいて
進められることが求められる。防災関連の計画に絶対
的なものはない。気候変動等に伴う外力の増大や、現
行における防災技術の陳腐化等のリスクが常につきま
とっている。このため、計画策定後も被災履歴や関連
技術について継続的にモニタリングするとともに、こ
の結果顕在化した脆弱性等に対し、PDCAサイクルに基
づき見直しを図っていくことが重要と考える。  以上