解答方法

これまでの3部門5科目の合格経験に基づき、貴方の技術士二次試験受験について徹底的にサポートさせていただきます。
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今年もまもなく7月を迎える時期になりました。
今年の技術士二次試験は8月3日が試験日ですので、受験本番まであと1ヶ月ちょっとです。
そろそろラストスパートの時期ですので、新たな分野についての知識吸収等はやめて、今ある知識の再確認に注力しましょう。
具体的には、知識の骨子について、ノート等に手書きでまとめることをお勧めします。
何度もいいますが、手書きすることで「書けない漢字」が洗い出され対策を講じることが出来ます。
また、できれば模試を受けるのが理想ですが、模試を受けない人も試験時間を本番同様に決めて論文を手書きで書くことを是非ともしてみて下さい。何事も慣れておくことが重要だと思います。
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タグ : 技術士 解答方法

従来の筆記対策では(一部下水道等を除き)基本的に【600字×3枚】という大枠が同じだったため、書くべき文章の内容や分量は【600字×3枚】を念頭に記述内容を検討してきました。
しかしながら、試験制度改定によって「問題II-1」「問題II-2」「問題III」のそれぞれにおいて、解答に書くべき文章の内容や分量が大きく変わりました。このスタイルがいつまで続くか分かりませんが、当面はこれに合わせた勉強方法により、問題毎に違う解答方法を身につけることが重要です。
今日は問題II-1の解答方法について、私見を述べたいと思います。
とりあえず、今年の「河川、砂防及び海岸・海洋」の問題を題材に考えてみましょう。

II-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち2設問を選びに解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。)

II-1-1 一級河川の河川整備計画の策定に関して、河川法の目的に照らして、計画内容として配慮すべき事項について述べよ。なお、当該河川においては、河川整備基本方針で洪水調節施設は位置づけられていないものとする。

II-1-2 近年、着目されている新技術である「台形CSGダム」について、重力式コンクリートダムと比較して、その技術的な特徴を述べよ。

II-1-3 土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴を、近年の土砂災害の実態を踏まえて2つ述べるとともに、それぞれの特徴に対応するためのハード・ソフト両面の対策について留意点を述べよ。
 
II-1-4 大規模な津波が来襲し、天端を越流した場合でも海岸堤防の効果が粘り強く発揮できるよう、海岸堤防の構造上の工夫について述べよ。

何度もいいますが、問題数がグッと少なくなったことにより、例えば「河川」を専門とする人でも、「砂防地すべり」「ダム」「海岸・海洋」のいずれかの解答も強いられるようになりました。
但し、ここで注意しておきたいのは、「解答用紙1枚なので要点や概要をキチンと明示できればよい」ということです。上記の設問に対し、余り深入りした解答は必要ありません。というか解答用紙1枚では深入りしたくともできません。
上記より、私も専門外でほとんど知識が乏しいダム分野の「II-1-2」を選び、どのような解答を書いたらよいかを検討してみましょう。
台形CSGダムについてネットで検索したら、(財)ダム技術センターの方が書かれた、「台形CSGダムの検討状況」という説明資料がヒットしました。ここに解答すべきことの要素が間違いなくあります。
当該資料によれば、「CSG」とは現地調達骨材のことであり、「台形ダム」とは従来の直角三角形ではなく台形断面を有する重力式ダムのことだそうです。そして、CSGによる台形ダムが「CSG台形ダム」です。
CSGを採用することの特長は以下の通りです。
●ダムサイト周辺で得られる材料を有効活用できる
●施工の簡略化と連続打設による急速施工が可能
●原石山、骨材製造設備の省略、施工の簡素化等によるコスト縮減と環境保全が可能
欠点としては、現地調達材料なので規格化された骨材と比較してどうしても品質面で劣ることのようです。
一方、躯体形状に台形ダムを採用することの特長は以下の通りです。
●堤体内に発生する応力が小さく、最良に求められる所要強度を小さくできる
●荷重条件の変化に対し、発生応力の変動が小さくできる
●転倒や滑動に対する安全性を高めることができる
欠点は、直角三角形断面と比較して断面寸法が大きくなる(コンクリート打設量が増える)ことみたいです。
以上が基本的に学習によって押さえておきたい知識の内容です。
ここで、この論文の一番最初に「要旨」という概要文が示されていることに着目しましょう。以下にこれを引用させていただきます。

要 旨
 日本では、近年の公共事業費の削減、自然環境の保 護・保全に対する強い要望を受け、ダム事業には、今 まで以上のコスト縮減と環境への配慮が望まれている。 このような社会背景から、河床砂礫や掘削ズリなどの 現地発生材を有効活用するCSG工法を用いたダム建 設への期待が高まっている。
 CSGは、河床砂礫や掘削ズリなど、ダムサイト近 傍で容易に入手できる岩石質材料に、セメント、水を 添加し、簡易な練り混ぜにより製造される材料である。 CSG工法をダム建設に採用した場合、原石山の省略 もしくは大幅な規模の縮小、骨材製造設備などの省略 あるいは簡略化が可能になると考えられ、建設コスト の縮減、環境保全が期待できる。一方、堤体形状が台 形であるダムは堤体内に発生する応力が小さく、比較 的強度の小さい材料であっても堤体材料として十分利 用することができる。
 このようなCSG工法と台形ダムの両方の特徴をあ わせ持つ新型武のダム「台形CSGダム」について検 討を進めてきているところであり、本論文は、台形C SGダムの概要を紹介するものである。

1枚物解答で求められている内容は、まさにこの「要旨」に書かれたレベルそのものだと思います。
それでは具体的な解答を考えてみましょう。
設問では「重力式コンクリートダムと比較して、その技術的な特徴を述べよ。」となっていますのでこれにキチンと対応させることが必要です。ここで「○○と対比した場合の特徴」「○○と比較した場合の特徴」という設問が筆記試験では頻繁になされます。これを書いていて、私が初めて合格できた下水道の試験でも「小規模下水道に適した処理方式を挙げ標準活性汚泥法と対比した場合の特徴を説明しろ」みたいな問題に答えたのを思い出しました。
こうした「○○と比較し」という表現で一瞬たじろいでしまう方も多いかと思います。「比較するためにはおのおのの方式の特徴をキチンと説明しなければならないんじゃないか」等心配される方が多いでしょう。でもその心配はほとんどありません。
こうした設問で比較対象に指定される「○○」は、その技術の標準的な物の場合がほとんどです。
このような場合、いちいちこの「○○」の特徴を記述したりしなくとも、単純に章立てや記述方法をちょっといじるだけで設問に適合化させることができます。
この設問が記述を求めている「CSG台形ダムの特徴」は、すなわち「標準的な方法と比較した場合の特徴」にほかなりません。したがって、いちいち標準的な工法である「重力式コンクリートダム」の特徴等を書かなくても、CSG台形ダムの特徴を述べる前文として「CSG台形ダムについて、重力式コンクリートダムと比較した場合の技術的な特徴について以下に列記する」と書いてやればいいのです。
では内容を検討します。
1枚物の場合、「はじめに」「おわりに」等は不要です。解答は限りなくシンプルな構成とすべきです。
設問をあらためて読んで下さい。設問は「CSG台形ダムは重力式コンクリートダムと比べてどんな特徴があるんですか」という問いかけになっています。また、「新技術であるCSG台形ダムの特徴」を書くためにはCSG台形ダムとは何か」もきちんと明示する必要があります。これらを踏まえた章立てが必要です。
1.CSG台形ダムの概要
2.重力式コンクリートダムと比較した場合の特徴

以上の構成でいいと思います。
ボリューム的には「概要」が30%、「特徴」が70%ってところが妥当だと思います。
では、本文を考えてみましょう。
まずは概要です。これは「要旨」に書かれたことが十分参考になります。
1.CSG台形ダムの概要
 CSGとは、河床砂礫や掘削ズリなど、ダムサイト
近傍で容易に入手できる岩石質材料に、セメント、水
を添加し、簡易な練り混ぜにより製造される材料であ
る。一方、ダムの堤体を台形とすることで、堤体内に
発生する応力を押さえ、比較的強度の小さい材料を堤
体材料として利用することが可能となる。CSG台形
ダムは、CSGにより築造する台形ダムの呼称である。
以上で8行です。ボリューム的には32%でいい感じじゃないでしょうか。
次に特徴です。まずは前述したような前文を付けます。
なお、「特徴」ですので、利点と欠点双方書くのがルール(「特長」の場合は利点のみ書く)です。このためその旨(得失として整理する)も記述しておきましょう。
2.重力式コンクリートダムと比較した場合の特徴
 CSG台形ダムについて、重力式コンクリートダム
と比較した場合の技術的特徴を得失として整理する。
あとは特徴の列記です。
文章でまとめてもいいですが、箇条書きの方がもれなく簡単に記述可能だと思います。
(利点)
1)ダムサイト周辺で得られる材料の有効活用が可能
2)施工の簡略化と連続打設による急速施工が可能
3)原石山、骨材製造設備の省略、施工の簡素化等によ
 るコスト縮減と環境保全が可能
4)堤体内に発生する応力が小さく、最良に求められる
 所要強度を小さくできる
5)荷重条件の変化に対し、発生応力の変動が小さい
6)転倒や滑動に対する安全性が高い
(欠点)
1)断面形状が大きくなり、コンクリート打設量が増加
 する
2)規格化された骨材を用いる場合と比較してどうして
 も品質や強度等が劣る
欠点1)は設備や輸送等のコストが縮減、トータルコストでは帳消し、欠点2)は、台形大型断面化により帳消しになるということです。
では、できた解答を見てみましょう。
1.CSG台形ダムの概要
 CSGとは、河床砂礫や掘削ズリなど、ダムサイト
近傍で容易に入手できる岩石質材料に、セメント、水
を添加し、簡易な練り混ぜにより製造される材料であ
る。一方、ダムの堤体を台形とすることで、堤体内に
発生する応力を押さえ、比較的強度の小さい材料を堤
体材料として利用することが可能となる。CSG台形
ダムは、CSGにより築造する台形ダムの呼称である。
2.重力式コンクリートダムと比較した場合の特徴
 CSG台形ダムについて、重力式コンクリートダム
と比較した場合の技術的特徴を得失として整理する。
(利点)
1)ダムサイト周辺で得られる材料の有効活用が可能
2)施工の簡略化と連続打設による急速施工が可能
3)原石山、骨材製造設備の省略、施工の簡素化等によ
 るコスト縮減と環境保全が可能
4)堤体内に発生する応力が小さく、最良に求められる
 所要強度を小さくできる
5)荷重条件の変化に対し、発生応力の変動が小さい
6)転倒や滑動に対する安全性が高い
(欠点)
1)断面形状が大きくなり、コンクリート打設量が増加
 する
2)規格化された骨材を用いる場合と比較してどうして
 も品質や強度等が劣る         -以上-
以上のレベルで書かれていれば、及第点(60点・A標定)は十分もらえると考えます。
以上のように、II-1(専門知識)は自分の専門外も勉強しなければなりませんが、決して深いところまで学習する必要はありません。「概要」「要旨」を知る程度のレベルで十分です。その分、「広く浅く」勉強しておくことが肝要だと思います。

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本番まで、あと10日という日程になりました。
まあ、この時期になったら、そろそろ腹を据えて下さい。
あれもでるかもしれない、これもでるかもしれないと迷うかもしれません。
でも、いまさら広く浅くははっきり言って無理です。
これまで学習してきたこと、そして自分が得意な分野でその場しのぎで対応可能なことを主体に最後の調整を図って下さい。
ちなみに、昨年私は建設環境に合格できましたが、「震災対策」「多自然川づくり」「都市緑化」の三つの骨子をおさらいしただけ、それでも合格できました。勉強したことがビンゴでバッチリでたわけではありませんでしたが、日頃の業務経験や、ちょっと特殊ですがここでやっている添削作業で得た知識でカバーすることができました。
試験には、試験勉強で得た知識のほか、日頃の生活で得た知識もフル稼働して臨んで下さい!

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先の大震災を踏まえた教訓集として「国民の安全・安心の確保に向けて準備するべき29の要点」というものが、6月14日に国土交通省から出されています。

東日本大震災教訓集「広域大災害に備えて」~国民の安全・安心の確保に向けて準備するべき29の要点~の作成について(お知らせ) 
東北地整が中心となり5月にまとめたもののようで、時期的にこれが直接設問に影響する可能性はほとんど無いと思いますが、建設一般や上下水道一般のよい参考資料というだけでなく、各科目の震災関連出題に関しても、体制の立場に沿った課題解決方策を知る有用な資料です。
受講生の皆様、是非目を通しておいて下さい・

建設一般の出題は、II-1は社会・経済情勢に基づいた建設分野における俯瞰な題材、II-2は技術や人材、国際展開や成長戦略など特異な部分につっこんだ題材が用いられています。参考までに、現行制度になってからの過去問題を以下に列挙します。(青はII-1赤はII-2
■平成19年度
II-1
産業構造の変化等により、人口減少傾向にある地域における社会資本整備の課題を挙げ、厳しい財政の制約の下で、地域の活性化を図っていくための社会資本整備のあり方について、具体策を示しあなたの意見を述べよ。

II-2
我が国の技術の発展を支えてきた“団塊の世代”の多くの技術者が、定年退職により実務の第一線から退く事態を迎えている。そのような経験豊富な技術者の大量退職が、社会資本を整備するための技術に与える影響と課題について多面的に述べ、それを踏まえて、今後技術を維持継承するための方策についてあなたの意見を述べよ。
■平成20年度
II-1
社会資本の維持管理に関する現状と課題を述べ、これに対する対策としてのアセットマネジメントの必要性及びその実用化に向けた方策についてあなたの意見を述べよ。

II-2
我が国の公共事業は、近年、縮小傾向にあるが、このような状況が、建設分野における技術力の維持及び向上に与える影響とその課題を挙げ、今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。
■平成21年度
II-1
地球温暖化を緩和するための低炭素社会について、以下の問いに解答せよ。
(1) 低炭素社会の実現に向け貢献できると考えられる社会資本整備の取り組みを3つ挙げ、それぞれについて概説せよ。
(2) 前項で述べた取り組みの1つを取り上げ、その推進にあたっての課題と解決策についてあなたの意見を述べよ。

II-2
建設部門においては、解析・設計から管理に至るまでコンピュータの導入と併せ、技術の高度化・細分化が進展しており、計算結果の妥当性を総合的に判断することが困難となってきている。
このような状況を踏まえ、技術者として解析・設計や数値シミュレーション等の成果の合理性を総合的に判断できる技術力を維持するための課題と、今後とるべき方策についてあなたの意見を述べよ。
■平成22年度
II-1
我が国の国土は厳しい地形・地質、気象等の条件下にあることに加えて、近年は社会的状況も大きく変化し、自然災害から国民の安全や生活を守ることがより一層求められている。建設部門に携わる技術者として、社会的状況の変化に対応して防災あるいは減災対策を行う上での課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。また、これらの課題に対して、国民の安全や生活を守る観点から今後どのような取組を進めていくべきか、あなたの意見を述べよ。

II-2
我が国の建設産業においては、国内の公共事業投資額の減少に伴い、さらなる成長が期待される海外の社会資本整備に対する積極的な取組が求められている。一方、国際貢献・技術協力の観点から、開発途上国などにおける社会資本整備に対する積極的な取組も求められている。このような状況の中、建設部門に携わる技術者の視点から、海外での社会資本整備に取り組む上での課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。また、これらの課題に対して今後とるべき方策について、あなたの意見を述べよ。
■平成23年度
II-1
我が国の社会資本は、戦後の高度経済成長とともに着実に整備され、膨大な量の社会資本ストックが形成されてきた。しかしながら、これらの社会資本は老朽・劣化が進行しつつあり、今後、社会資本の高齢化が急速に進行する事態に直面することになる。
また、我が国の経済社会は、人口減少や少子高齢化の進展に加え、厳しい財政状況にあることから、社会資本への投資額が抑えられる状況が続いており、かつてのような右肩上がりの投資を期待することは困難である。
建設部門に携わる技術者として、このような我が国の社会資本と経済社会の現状を踏まえ、今後の社会資本整備における課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。
また、これらの課題に対してどのように取り組むべきか、あなたの意見を述べよ。

II-2
建設産業は、住宅・社会資本の整備だけでなく、その維持・管理や災害対応など多面的な役割を果たすことが期待されているが、近年、建設投資が急激に減少していること、就業者の減少及び高齢化が進行していることなどから産業全体としてかつてないほど厳しい状況に直面している。
このような状況下、建設産業の課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。
また、建設産業の活力を回復させるため、これらの課題に対してどのように取り組むべきか、あなたの意見を述べよ。
以上の設問形式に対し、毎年、受験者の大部分がII-1を選んで解答しているようです。これはやはり一般論として時事ネタに基づいた勉強の成果が出しやすいことによるものです。
ここで、技術士二次試験の筆記試験でA評定を得るためには、受験者の上位20%程度に残ることが必須といわれます。このため、「選択する受験者の殺到するII-1を選ぶより、II-2を選んだ方がよいのでは?」という考え方がよぎります。
私は、「勉強したことがズバリ出た」のであればそうする方がよいでしょうが、「勉強成果に基づき実際に論述展開しやすいのはII-1の方」の場合はやめておいた方がよいと思います。書きやすい、論述展開しやすい方を選び解答した方が、必ず出来がよい解答論文となるはずです。
私自身、これまで建設部門の合格科目では、全てII-1を選んでいます。
実は一度だけ、平成22年度に道路を受けた際に、以上に述べた理由からII-2を選びましたがダメだった(B評価だった)こともあります(建設部門の技術士としてお恥ずかしい限りですが・・・)。
「上位2割」といいますが、実際には問題II(建設一般)がAでも問題I(専門科目)がB以下で落ちてしまう受験者も相当いるはずです。実際には上位3割~4割に入れば合格の目があると思います。 試験本番では姑息なことを考えずに、堂々と書きやすい方の問題を選択するのがよいと私は考えています。
添削させていただく論文で、けっこう「現状」「課題」「問題点」が明確になっていないものが見受けられます。
今日は「現状」「課題」「問題点」について思うところを述べます。
以前は上記の区分なんて、あまり、というか全く気にかけていませんでした。
以下は、私が過去に受験、合格することができた平成18年度の『河川、砂防及び海岸・海洋』の専門問題です。
現在までの多自然型川づくりが抱える課題を分析し、今後の多自然型川づくりの推進方策について述べよ。
「課題を分析し」とありますので、課題を抽出しなければ話が進みません。
このため、以下のように課題を抽出(まあ実際は多自然川づくりに向けた提言のパクリなんですが・・・)しました。
2.多自然型川づくりの抱える課題
 現在まで行われてきた多自然型川づくりの課題について整理すると、以下に示す4つが挙げられる。
 1)多自然型川づくりに関する共通認識の欠如
 2)多自然型川づくりを支援する仕組みが不十分
 3)多自然型川づくりを推進する体制が不十分
 4)多自然型川づくりを担う人材を育成するシステムが不十分
当時はこれが正解と考え、また試験官も同様に判断、結果は合格できました。
でも、最近はこれではちょっとまずいんじゃないかと思います。
理由は「SUKIYAKI塾」の「骨子法」です。
主宰者が、当該サイト等で骨子法を提案、その中で「現状・原因」「課題」「問題点」等を詳細に定義してしまっているからです。
そして、この定義された内容は「フムフム」と実に納得のいくものだと思います。
主宰者鳥居氏の著書を一部を引用させていただきます。

もっと簡単な例で考えてみましょう。ここに小学生がいます。彼はあまりテストの出来がよくありませんでした。こんな点数を親には見せられません。だけど連絡帳のテスト結果確認欄に親が印を押すシステムになっているので、見せないとバレてしまいます。
【課題】学校で悪い点を取ったテストをいかにして親に隠すか
【問題点】連絡帳のテスト結果確認欄に親が印を押すシステムになっており、見せないとバレる
つまり「○○したいけれど△△だから簡単にはできない」という○○が課題、△△が問題点です。

上記は非常にわかりやすい説明だと思います。
ちなみにここには明記されていませんが「テストの出来が悪く親に見せられない」というのが「現状」です。
私が平成18年度に書いた以下の「課題」の部分は、実はここで定義されている「現状」を書いてしまっています。

 1)多自然型川づくりに関する共通認識の欠如
 2)多自然型川づくりを支援する仕組みが不十分
 3)多自然型川づくりを推進する体制が不十分
 4)多自然型川づくりを担う人材を育成するシステムが不十分

キチンと課題として抽出するのであれば、ポジティブな表現で上記の「現状(現状における問題点)」をひっくり返すような事項を書かなければなりません。

 1)多自然型川づくりに関する共通認識の醸成
 2)多自然型川づくりを支援する仕組みの確立
 3)多自然型川づくりの推進に向けた体制の整備
 4)多自然型川づくりを担う人材育成システムの構築

そして、上記の実現に立ちはだかるのが「問題点」です。
組織の問題や金の問題、いろいろ挙げられると思います。
これを踏まえた解決策の提案が、論文のメイン部分になると思います。

以上のようなことを、あまり意識しない試験官もいるかもしれません。
前述の通り、実際に過去に私は「課題を書け」という設問に対し「現状の問題点」を書いて合格しています。
でも、現段階ではSUKIYAKI塾の存在が技術士試験関係者にとってメジャーになりすぎている感があります。決して無視は出来ないと思います。
私がもし作問や採点を担う立場であれば、やはりあのサイトに書いてあることは参考にするでしょう。
このため、現在は私も「現状」「課題」「問題点」の定義を知った後は意識するようにしています。
もちろん、合格を目指す方には是非ともそうするようお勧めいたします。

タグ : 解答方法 技術士

さて、ここのところ出題予測ネタばかりなので、たまには解答方法でも書いてみましょう。題材は昨日中間とりまとめの発表があった「地球温暖化防止」です。題して「簡単解答法(ネタバレ建設一般問題)」
例題16
 地球温暖化とそれに起因する気候変動は、経済社会活動、地域社会、国民生活全般に多大なる影響を及ぼすものであり、究極的には人類の生存基盤に関わる重大な課題である。このため、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準に大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ、現在及び将来の世代のために気候系を保護するため、国際社会全体で地球温暖化の防止に取り組む必要がある。
 社会資本整備における地球温暖化防止に向けた課題について3つ挙げ内容を説明せよ。その上で、今後社会資本整備を進めていくに当たり、これらの課題に対してどのように取り組むべきか、あなたの意見を述べよ。

地球温暖化防止というテーマで、現状や課題、課題解決に向けた問題点や推進すべき施策を表に整理するなどが、まあ、巷での常套手段であり、「骨子法」などともいわれ実践されています。まあ、これはこれでいいと思います。
でも、こうしたネタ元っぽい資料等が明らかな場合、いちいちそんなことはせず、「国土交通省の中期的地球温暖化対策中間とりまとめ」(以下「とりまとめ」とします)を熟読、これに基づいた解答方針を練っておけばよいのです。
■章立て
上記の問題にまず章立てしてみます。詐欺士推奨オウム返し法により、「はじめに」「おわりに」は付けません。
※2年前はまだ迷っていてこんなこともいってたんですが・・・
1.地球温暖化の現状
2.社会資本整備における地球温暖化防止に向けた課題
(1)課題1
(2)課題2
(3)課題3
3.課題解決のため取り組むべき方策
(1)課題1に対して
(2)課題2に対して
(3)課題3に対して
私なら上記のようにします。
■地球温暖化の現状
ここには、とりまとめの「I.はじめに」「II.温室効果ガス排出量削減の進捗状況」に書かれていることの概要をさくっと記述すればいいと思います。枚数は0.5枚程度でしょうか・・・。
■課題の設定
とりまとめの「III.地球温暖化対策に関する基本認識」を読んで、ここから抽出するのが正攻法です。でも私はそんな面倒くさいことはしません。
ここで、とりまとめの目次を見て下さい。
IV 国土交通省の中期的地球温暖化対策の3つの視点・・・・・・・・・・・・・・・8
1.地域の特性に応じた低炭素まちづくり
2.東日本大震災以後のエネルギー制約への対応と望ましいエネルギーシステムの構築
3.ライフスタイル・ワークスタイルの変化を踏まえた地球温暖化対策

おやおや、課題に相応しい語呂のいい理想的なのが3つ転がってますね!
私なら、迷わずこれをパクらせてもらいます
但し、見出しは1行に押さえたいし「課題」というニュアンスも強調したいので手を加える必要があります。
ということで以下のような感じに見直します。
(1)地域特性に応じた低炭素まちづくり推進
(2)エネルギー施策の見直し
(3)地域や市民の意識改革

あとはとりまとめに書いてある事項の文章要約です。課題に直すと以下のような感じでしょうか・・・。
(1)は低炭素まちづくりに向け、特に基礎自治体レベルの取組が重要なこと。
(2)は地球温暖化の他、福島原発事故でさらに未利用未活用エネルギー活用等エネルギー施策見直しが求められていること。
(3)は地球温暖化防止に向け、地域や市民の意識改革を進めていく必要があること。

■課題解決のため取り組むべき方策
このとりまとめでは、13頁以降にご丁寧に課題(視点)ごとの方策をまとめてくれています。
まずは前振りと章立てです。あくまでもオウム返しが基本です。
3.課題解決のため取り組むべき方策
 地球温暖化防止に向け、社会資本整備をどのように進めていくべきか、2で挙げた課題ごとに私の考えを述べる。 
(1)低炭素まちづくり推進に向けた取組
(2)エネルギー施策見直しに向けた取組
(3)地域や市民の意識改革に向けた取組

ここまでくればもう簡単です。とりまとめを参考に各課題毎の方策から要約や抽出で書きつづります。
なんか胡散臭いですが、実際にこうした手法で何度もAがもらえたのは事実です。出題予測のネタは最大限活用することをお勧めいたします。
今年の建設一般や上下水道一般は、東日本大震災ネタが取り上げられる確率は、やはり極めて高いと考えています。
当然、受験生のほとんどがそう考えます。このため、みんな事前に勉強するハズなので、解答は皆そこそこの出来のドングリの背比べ状態になります。こうした中、A評定を得るためには上位15~20%に残らなければならないのです。
今日はこのための姑息な手段の伝授です。
私は昨年の建設環境、そして6年前の河川で「多自然川づくり」の設問を選択、解答に『提言「多自然川づくりへの展開」』のフレーズ「課題の残る川づくりの解消」「川づくり全体の水準の向上」をそのまま拝借させていただきました。また、昨年の建設一般では、東日本大震災を踏まえた土木学会長の決意表明から『防災施設整備に想定外という言い訳は許されない』というエッセンスを拝借しました。そして、いずれもA評定でした。
こうした国や体制側の提言や決意表明のフレーズやエッセンス、言い回しの拝借は、『「猿真似したな!減点だ!」になっちゃうだろ』と考える方もいるかもしれませんが私は違うと思います。逆にこういったフレーズを解答論文に取り込むことで、少なくとも体制側の提言や決意表明に沿った知見があることが証明できるメリットの方が大きいと考えています。
さて、ここで重要な情報提供です。東日本大震災から1年 復興へ向けた技術士宣言という決意宣言が平成24年3月29日付で公益社団法人日本技術士会のホームページにアップされています。
中身を見ますと、まさに東日本大震災をネタにした建設一般的、上下水道一般的内容です。
「大震災を受けた防災・減災対策の見直し」の内容もありますし、「震災からの復興まちづくりに向けた取組」の内容も記述されています。
中身をじっくり拝見すると、使えそうなフレーズや言い回しがいっぱいあります。
例を挙げると「いのち(生命)、くらし(生活)、なりわい(仕事)」これなんかいろいろな場面で使えそうです。
例えば「震災復興」の問題に対し、現状説明の文章の最後の方に、「我が国社会全体において、この震災からいのち(生命)、くらし(生活)、なりわい(仕事)の3つの視点に立ち復興を遂げることが最重要課題となっている。」等と書く。
あるいは、「震災復興に向けた課題を3つ挙げ」となっていたら「いのち(生命)の復興」「くらし(生活)の復興」「なりわい(仕事)の復興」とストレートにこれをそのまま課題に転用にしてしまう。内容は・・・そこはあなたが考えて下さい。十分組み立てられるはずです。
こうしたフレーズなどは、直接的には委託したシンクタンク等が考えたのかもしれませんが、この宣言を確定するまで、技術士会の委員会で何度も会議を行い検討した結果だと思います。
そして作問者は技術士会で主体的に活動されている方々です。この宣言を検討した委員会にも作問者が関与していた可能性が限りなく濃厚です。
姑息な手段かもしれませんが、こうした宣言等は十分解答に反映させることが私は得策であり、「他人に一歩差をつけられる」手法と考えています。
もうすぐ年度末も終わり、いよいよ新たな年度となります。
それと同時に、今年も技術士試験の申し込みが開始、平成24年度の技術士受験シーズン(?)が正式にスタートします。
今日は、昨年の建設環境の合格論文について述べたいと思います。
今日取り上げるのは、Bグループの「多自然川づくり」です。
問題は下記の通りです。
I-9 多自然川づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 多自然川づくりの現状と課題について述べよ。
(2) (1)で述べた課題を踏まえた上で、多自然川づくりを推進するために必要な方策についてあなたの考えを述べよ。
私は平成18年度に河川の技術士を取得しましたが、ちょうどその試験の直前、下記のような提言が国土交通省の設けた委員会から示されました。
■提言「多自然川づくりへの展開」
「これはクサイ」と思った私は、この内容に基づき「多自然型川づくり」の「現状と問題点」「課題」「今後のあり方」をとりまとめ学習しました。
結果としてこれがドンピシャリと大当たり、めでたく河川の技術士になれるきっかけとなりました。
以下に当時の問題と再現解答全文を掲載いたします。
平成18年度専門問題(河川、砂防及び海岸・海洋)
I-2-3(B) 
現在までの多自然型川づくりが抱える課題を分析し、今後の多自然型川づくりの推進方策について述べよ。
1.はじめに
 平成2年に「多自然型川づくりの推進について」が通達されてから約15年が経過した。この間、多自然型川づくりは広まりを見せるとともに、平成14年度には河川改修工事全体の約7割が多自然型川づくりが占める等、川づくりのスタンダードになるまでに至った。
 しかしながら、こうした川づくりの中には、画一的な断面形状で計画したり、かえって河床や水際を単調にしてしまっているものがある等、問題のあるものも数多く見受けられる状況である。
 以上のような点を踏まえ、これまでの多自然型川づくりの課題を整理するとともに、多自然型川づくりの今後のあるべき方向性、推進すべき方策について、私の考えを記述する。

2.多自然型川づくりの抱える課題
 現在まで行われてきた多自然型川づくりの課題について整理すると、以下に示す4つが挙げられる。
 1)多自然型川づくりに関する共通認識の欠如
 2)多自然型川づくりを支援する仕組みが不十分
 3)多自然型川づくりを推進する体制が不十分
 4)多自然型川づくりを担う人材を育成するシステムが不十分

3.今後のあるべき方向性
 これまでの多自然型川づくりが抱えている課題に対し、課題解決のため推進すべき方策のあるべき方向性を整理すると、次の3つが挙げられる。
 1)個別箇所の多自然ではなく、河川全体を視野に入れた多自然へと転換
 2)地域の暮らし、文化や歴史と結びついた川づくり
 3)維持管理を踏まえた川づくり

4.推進のための方策
 1)これまでの知見や現場体験等に基づいた「課題の残る川づくりの解消」
 2)中長期的視野に立った「川づくり全体の水準の向上」

(1)課題の残る川づくりの解消
 これまでの知見や技術、現場経験等に基づいて、現在実施されている課題の残る川づくりの解消を図っていく必要がある。そのためには、以下に挙げるような施策を推進すべきと考える。
 1)既往の技術に基づいた実施事例等の整理
 2)多自然型川づくりに関する図書や技術資料集等の刊行
 3)多自然型川づくりに関する講習会や現場見学会等、研修の機会の増加や充実
 4)行政関係者、現場担当者等の間における多自然型川づくりに係るナレッジマネジメントの構築
 5)多自然型川づくりに係るPRの推進

(2)川づくり全体の水準の向上
 中長期的なスタンスに立って、多自然型川づくりに係る研究・開発等を進めるともに、よりよいものへと川づくり全体の水準を高めていく必要がある。そのためには、以下に挙げるような方策を進めていく必要がある。
 1)多自然型川づくりに係る計画、設計技術の研究・開発
 2)多自然型川づくりに係る施工技術の開発
 3)モニタリングの継続的実施と調査結果のフィードバック
 4)多自然型川づくりに係る指針や示方書等の整備
 5)インパクト-レスポンスに関する科学的解明

4.おわりに
 多自然型川づくりにあたっては、本来その川が持っている河川特性に応じたダイナミズムを確保するとともに、川の縦断的、横断的な生物多様性を維持、創造することが重要である。
 私は河川に関わる技術者として、多自然型川づくりに微力ながら尽力したいと考えている。
-以上-

結局試験直後の平成18年10月に、この提言に基づいた「多自然川づくり基本指針」が出されました。
当時は、我ながら自分の試験関連情報事前収集の結果に満足した次第です。
さて、それから5年が経過して平成23年の建設環境受験。
技術士試験受験に向けた他人様の添削には勤しんでいましたが、自らの受験勉強はほとんどしておらずほぼ丸腰の状態でした。(但し「他人様の添削指導」はあとから振り返ると実は非常に有意義な受験勉強でした)
ただし、そんな中でも過去に河川と都市計画で勉強した「多自然川づくり」と「連続した緑地保全・創造」だけは前日図書館で再度骨子をとりまとめる作業を行いました。
結論として、これが再び大当たりになりました。
以下に問題と解答全文を掲載いたします。
平成23年度専門問題(建設環境)
I-9 多自然川づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 多自然川づくりの現状と課題について述べよ。
(2) (1)で述べた課題を踏まえた上で、多自然川づくりを推進するために必要な方策についてあなたの考えを述べよ。

1.多自然川づくりの現状
 平成2年に旧建設省が「多自然型川づくりの推進について」を通達して20年余が経過した。この間、多自然川づくりは大きく拡大し、現在では河川工事の大部分を多自然川づくりが占める状況となっている。
 しかしながら、一方では、標準定規断面にこだわりすぎて川や水辺の連続性等を全く考慮していなかったり、単に環境配慮部材等を用いただけの、いわゆる「多自然型川づくり」であったり等、課題が残る川づくりが多いのが現状である。
 また、施設整備後に適切な維持管理がなされておらず、河床変動やみお筋の移動等により、施設本来の機能が大きく損なわれてしまっている事例等も多い状況である。

2.多自然川づくりにおける課題
 以上に述べたような現状を踏まえ、多自然川づくりをよりよいものとしていくためには、次に挙げる課題を解決していく必要がある。
(1) 河川全体の営みを視野に入れた川づくり
 川は自然公物であり生き物である。川づくりにあたっては、河川の自然の営みへの配慮が求められる。
このため、川や水辺環境、生態系等の横断的、縦断的、そして面的な連続性に十分留意した上で、その場その場の多自然ではなく、河川全体の営みを視野に入れた川づくりを進めることが必要と考える。
(2)まちや地域と一体の川づくり
 我が国の都市はその大部分が低平地に位置している。このため、古来から漁業や舟運、水利用等によりまちと川は強く結びついている。優れた景観や伝統行事等の地域観光資産にも、川とまちと切っても切れないような物が多い。
以上により、地域の歴史や文化に根ざした、まちや地域と一体の川づくりを目指すことが重要である。
(3)維持・管理まで見据えた川づくり
 多自然川づくりは施設整備だけでは完結しない。整備した空間に自然が持続的に宿ることで多自然川づくりは初めて成り立つ。 このため、単に施設を整備するだけでなく、持続的、永続的な維持管理までを視野に入れた取組が求められている。

3.多自然川づくりを推進するため必要な方策
 以上に挙げた課題を解決するとともに、多自然川づくりをよりよいものとしていくため、当面の施策として「課題の残る川づくりの解消」に取り組んでいく必要がある。
 また、中長期的な視野で「川づくり全体の水準の向上」を図るための取組も重要である。
 以上に挙げた2つのテーマ毎に、私が必要と考える方策を記述する。
(1) 課題の残る川づくりの解消
 1)多自然川づくりに関する研修の開催や図書発行等の推進
 2)河川管理者、施工者、維持管理者等、多自然川づくりに携わる現場担当者間におけるナレッジマネジメントの構築
 3)地域や市民に対する多自然川づくり関する広報・周知の推進
 4)地域や市民、NPO団体や学識経験者等、多様な主体が多自然川づくりに参画するための仕組みの構築
(2)川づくり全体の水準の向上
 1)多自然型川づくりに関する工法、施工技術等の研究・開発
 2)インパクト-レスポンスの科学的解明等、多自然川づくりに関連する生態系、自然現象等の研究・開発
 3)河川工学、生態系、自然環境等の知識を併せ持った、多自然川づくりに従事する担い手となる人材育成
 4)継続的なモニタリングの実施と、この結果を十分に反映させた、PDCAサイクルによるスパイラルアップに向けた取組
―以上―

設問に合わせた章立てにしたり、平成19年度以降の長文問題に対応した「はじめに&おわりに無しバージョン」にしたりはしましたが、書いた内容はほぼ平成18年度の時そのままです。
このように、多自然川づくりには「一粒で二度おいしい」思いをさせていただきました。

建設環境、そして河川、砂防及び海岸・海洋の河川環境ネタとして、「多自然川づくり」は出題頻度が高い分野と考えています。特に、平成22年8月に中小河川技術基準が改定され、昨年ポイントブックIIIという指南書が発行された「水際の多自然」は「建設環境」「河川、砂防及び海岸・海洋」のいずれでも出題確度が高いと考えています。受験者の皆様、準備を怠らないようにして下さい。
今日は、昨年の建設環境の合格論文について述べたいと思います。
今日取り上げるのは、Aグループの「低炭素都市づくり」です。
問題は下記の通りです。
I-1 地球温暖化を緩和する低炭素都市づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 低炭素都市づくりに貢献できると考えられる「交通・都市構造」、「エネルギー」、「みどり」の3分野における取組をそれぞれ1つ挙げ、その概要を述べよ。
(2) (1)で挙げた取組の1つを取り上げ、その推進に当たっての課題と解決策についてあなたの意見を述べよ。

平成22年8月に国土交通省から「低炭素都市づくりガイドライン」というものが出されました。こうしたこともあって、平成22年の都市計画で(ガイドライン発刊前でいささかフライング気味ですが・・・)ほとんど同じような出題がされていました。 以下の問題です。
◇平成22年度・都市及び地方計画の問題
I-1-1 近年、都市及び地方計画の分野においても、低炭素社会の実現について議論がなされている。このような議論がなされるようになった現状と背景を述べよ。今後、低炭素社会を実現するために、都市構造、都市交通、エネルギー、緑の施策分野ごとに具体的な方策を挙げた上で、これらの施策の実効性を高める取組について、あなたの考えを述べよ。

違いは、都市計画の方は、都市構造と交通が分かれていること、及び現状と背景の記述を強いていること位で、基本的にはほとんど同じ問題といっても良いくらいです。そして、昨年の受講生様で何人かがこの出題をテーマに論文を書いており、これを添削させていただいていました。この時に得た知識が非常に役に立ちました。
平成19年度以降の長文問題に共通のことですが、問題で聞いている事項を十二分に把握して、基本は設問にオウム返しで組み立てるようにしています。このため、以前は良く書いた「はじめに」や「おわりに」もあまり書かなくなりました。
文章構成は以下のようにしました。
◇低炭素都市づくりに貢献できる取組
 ●歩いて暮らせるまちづくり(交通・都市構造)
 ●未利用・未活用エネルギーの活用(エネルギー)
 ●水と緑のネットワーク構築(みどり)
◇(水と緑のネットワーク構築)取組に当たっての課題
 ●面的に連続した緑化推進
 ●維持管理を見据えた取組
◇課題解決策
 ●面的に連続した緑化推進
  ▽公園・緑地の他、河川、道路、斜面防災施設等、あらゆるパブリック空間での緑化推進
  ▽都市緑地法の諸制度等による、適切なインセンティブ付与等に基づいた民有地内緑地の保全推進
  ▽緑の基本計画、都市計画(地区計画の緑地率等)等による適切な目標の設定
 ●維持管理を見据えた取組
  ▽適切なインセンティブ付与(日当や資材等の提供、アドプトプログラム等)等も踏まえた、地域や市民が維持管理に参画できる仕組みづくり
  ▽NPO による管理の適用や、指定管理者制度等、維持管理へのPPP/PFIの導入
  ▽継続的なモニタリングの実施とこの結果に基づいたスパイラルアップ 

まあ、何とかそつなくまとめられたなと思います。
以下に解答論文全文を掲載いたします。
 1.低炭素都市づくりに貢献できる取組
 私が低炭素都市づくりに貢献すると考えている取組について、「交通・都市構造」、「エネルギー」、「みどり」の3分野からそれぞれ1つ挙げ、概要を述べる。
(1) 歩いて暮らせるまちづくり(交通・都市構造)
 我が国では高度成長期以降、モーターリゼーション進展等により公共施設や商業施設等の公害移転が特に地方都市で進行、都市構造がスプロール化している。このため、社会生活の大部分を自家用車等に依存する「クルマ社会」が形成されるとともに、バスや鉄道等の公共交通機関の利用が大きく低下している。
 低炭素都市を実現していくためには、ガソリン等化石燃料に依存した社会生活を改めるとともに、CO2 排出量の少ない公共交通へとモーダルシフトを図っていくべきと考える。
 このため、拡散してしまった都市構造の集約化を進めるとともに、LRT やデマンドバス等、集約型都市構造で利用しやすい公共交通の再構築を図っていくことで、歩いて暮らせるまちづくりを実現していく必要がある。
(2) 未利用、未活用エネルギーの活用(エネルギー)
 電力の大部分は、石油、石炭等化石燃料から生成される。一方、原子力についてはCO2 排出量の観点では優等生であるが、未だ収束が見えない福島第一原子力発電所の事故を踏まえると、今後これを拡大していくことは困難である。以上により、化石燃料に変わる未利用、未活用エネルギーの活用が求められている。
 まちづくりにおいては、適切なインセンティブ付与等により太陽光発電や風力発電等を増やす取組が必要である。また、集約都市構造における下水排熱のヒートポンプ利用等、まちや地域が一体となって「エコタウン」を目指す取組も重要と考える。
(3) 水とみどりのネットワーク構築(みどり)
 みどりには、直接的なCO2 吸収源となり低炭素都市づくりに貢献するだけでなく、ヒートアイランド防止、良好な景観、生物多様性の保全等、多様な環境機能を有している。
 都市空間に水とみどりのネットワークを構築することで、こうした多様な環境機能を持ったまちづくりを進めていくことは、都市政策として極めて重要と考える。 
2.取組の推進に当たっての課題と解決策
 以上に述べた中から、「水とみどりのネットワーク構築」について、取組の推進に当たっての課題及び解決策について述べる。
(1) 取組に当たっての課題
1) 面的に連続した緑化推進
 CO2 吸収源としてはもちろんのこと、景観面、ヒートアイランド対策(風の通り道)、生物の成育空間等あらゆる面で面的に連続した緑化が求められる。「都市の中に緑がある」のではなく「緑の中に都市がある」を目指したまちづくりが重要と考える。
2) 維持管理を見据えた取組
 みどりは生物である。このため、みどりが持続的に優れた環境機能を都市に提供していくためには、適切に維持管理されることが必要である。単に整備するだけでなく、維持管理まで見据えた取組が求められる。
(2) 課題解決のための解決策
 以上に挙げた課題を解決するため必要な解決策について、各課題毎に私の考えを述べる。
1) 面的に連続した緑化推進
 ①公園・緑地の他、河川、道路、斜面防災施設等、あらゆるパブリック空間での緑化推進
 ②都市緑地法の諸制度等による、適切なインセンティブ付与等に基づいた民有地内緑地の保全推進
 ③緑の基本計画、都市計画(地区計画の緑地率等)等による適切な目標の設定
2) 維持管理を見据えた取組
 ①適切なインセンティブ付与(日当や資材等の提供、アドプトプログラム等)等も踏まえた、地域や市民が維持管理に参画できる仕組みづくり
 ②NPO による管理の適用や、指定管理者制度等、維持管理へのPPP/PFIの導入
 ③継続的なモニタリングの実施とこの結果に基づいたスパイラルアップ
―以上―

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