都市及び地方計画

これまでの3部門5科目の合格経験に基づき、貴方の技術士二次試験受験について徹底的にサポートさせていただきます。
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開発許可制度運用指針が平成23年9月に改正されています。

国都開第4 号
平成23年9月28日

各都道府県知事
各政令市の長
各中核市の長
各特例市の長殿

国土交通省都市局長

開発許可制度運用指針の改正について  

 今般、「開発許可制度運用指針」(平成13年5月2日付け国土交通省国総民発第9号)の一部を下記のとおり改正したので通知する。
 各都道府県におかれては、貴管内市町村(指定都市、中核市及び特例市を除く。)に対して本指針を周知していただくようお願いする。
 なお、開発許可制度運用指針は、地方自治法第245条の4の規定に基づき行う技術的な助言の性格を有するものであり、各開発許可権者におかれては、引き続き、今後の開発許可制度の運用に当たって、参考としていただきたい。また、改正した指針については、国土交通省のホームページに掲載されているので、適宜活用していただきたい。

 開発許可制度運用指針について、別添のとおり改正する。
 なお、開発許可制度運用指針Ⅲ-7-1(14)の改正部分については、「高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律」(平成23年法律第32号)が施行される平成23年10月20日から適用となるが、その施行日前であっても、その運用に当たり、必要な準備を行う場合には、本改正内容を適宜参考にされたい。


改正事項はここに詳しく書いてありますが、風力発電施設に関する補足、土砂災害防止法との整合、福祉施設に関する見直しのようです。
周知の通り、こうした運用指針等の改訂は、直後の二次試験において問題のネタにされやすいものです。特にI-2で都市開発関係の設問を選ぶ予定の方はキチンと勉強しておくことをお勧めします。
関連の予想問題を平成24/03/11に例題2-27として追加してますので宜しければ参考にして下さい。
このところ頻繁に都市計画運用指針が改定されています。
このうち、もし今年の二次試験で扱われるとすると、作問時期直近でなおかつ震災復興関連の「一団地の津波防災拠点市街地形成施設」に係る改訂(平成24年2月)がいちばん怪しいんじゃないかなと思います。
「一団地の津波防災拠点市街地形成施設」は東日本大震災からの復興・再度災害防止のため施行された津波防災地域づくり法に基づいた都市施設の位置づけです。
I-1の都市計画総論的な問題としても、I-2の実務的な問題としても出題される可能性が高いと思います。
都市計画総論的なものは、例題1-9(I-1)として平成24/03/11に予想問題を掲載しました。また、実務的なものは、例題2-26(I-2)として平成24/03/11に予想問題を掲載しました。勉強される方は参考にしてみて下さい。
また、そのほかの改訂事項も以下の平成23年度以降のものはここで内容を一通り確認しておいた方がよいです。
・都市計画運用指針の改正(平成23年11月30日)
・都市計画運用指針の改正(平成23年7月14日)

しつこく景観ネタです。
今日は都市及び地方計画及び建設環境の話題。
平成17年に策定された景観形成ガイドラインが平成23年6月に改訂になっています。
■景観形成ガイドライン「都市整備に関する事業」

 『景観形成ガイドライン「都市整備に関する事業」』は、「美しい国づくり政策大綱」に基づき、平成17年3月に策定された『景観形成ガイドライン「都市整備に関する事業」(案)』を、国や地方公共団体等における景観形成への取組み進歩等を踏まえて改訂したものです。
 本ガイドラインは市街地再開発事業、土地区画整理事業、街路事業、都市公園事業、下水道事業、都市再生整備計画事業などの都市整備に関する事業を対象としており、それらの事業に携わる実務者が、事業を通じて景観に配慮し、良好な景観を形成しようとする際等に活用されることが考えられ、都市整備に関する事業における景観形成の基本的考え方、実践的方策、事業により良好な都市景観を如何にして具現化するかという道筋を指針として示しております。


景観の問題は、平成22年度に出たばかりなので、都市及び地方計画の専門問題I-1で出る可能性はあまり高くない感じがします。しかしながら、このガイドラインは「市街地再開発事業」「土地区画整理事業」「都市公園事業」など、都市局所管の各事業種別ごとにまとめられています。このため、都市計画及び地方計画I-2で各分野の問題のネタに使われる可能性があると思います。自分の専門とする事項に関するこのガイドラインの内容はきちんと勉強しておくことをお勧めいたします。
建設環境の方では「都市景観」は、平成19年度(ネタは主に道路景観)、平成22年度,平成23年度と出題科目の王道です。このガイドラインの改正点をきちっと抑えておいて下さい。
爆弾低気圧が過ぎ去り、昨日は肌寒かったものの今日はやっと春らしい日和になりました。
それにしても今年は春の訪れが遅いです。
結局春一番は吹かなかったし、もう4月の入学式シーズンなのに、桜は三分咲きの状況・・・。

そんな中、雪国では去年に引き続き今年もひどい豪雪だったとの報道がなされています。
最近では、平成18年度、平成22年度、そして平成23年度がけた外れの豪雪だったとか、なんか頻度が増えていますね。地球温暖化による気候変動の影響なんでしょうか・・・。


こうした中、国土交通省の豪雪地帯対策の推進というサイトにおいて「大雪に対する防災力の向上方策検討会報告書~豪雪地域の防災力向上に向けて~」という報告書が発表されました。


去年、今年と連続した豪雪で、雪下ろしをする若い担い手がいない、震災復興で土建業者が出払い雪下ろしや雪かきを受託する業者がいない等で社会問題化しましたが、その解決に向けた方向性を示したものです。
この内容を斜め読みして思いましたが、「豪雪」も「地震・津波や土砂災害等に対する地域防災」も「地域活性化」も、人口減少、低成長社会だからこそより顕在化した問題といえます。
過疎町村、限界集落にとって、防災、活性あらゆる面で「今後の存続が問われる」事態になっていると感じます。


都市計画専門では、防災まちづくりのネタに関連した設問が最右翼と考えていますが、震災・津波対策一筋ではなく、こうした切り口にも十分対応できるような学習を進めて下さい。


例題にも一問追加しておきたいと思います。


年度末でガタガタしていて気づきませんでしたが、「都市の低炭素化の促進に関する法律」という新法が先月末に閣議決定されたことが国土交通省HPに掲示されていました。

■都市の低炭素化の促進に関する法律案について
平成24年2月28日

標記法案について、本日閣議決定されましたので、その関係資料を公表いたします。
1.背景
社会経済活動その他の活動に伴って発生する二酸化炭素の相当部分が都市において発生しているものであることに鑑み、都市の低炭素化を図るため、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針の策定、市町村による低炭素まちづくり計画の作成及びこれに基づく特別の措置並びに低炭素建築物の普及の促進のための措置を講ずる。

2.概要
(1)都市の低炭素化の促進に関する基本方針の策定
  国土交通大臣、環境大臣及び経済産業大臣は、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならないこととする。
(2)低炭素まちづくり計画に係る特別の措置
 [1] 市町村は、単独で又は共同して、基本方針に基づき、市街化区域等のうち都市の低炭素化の促進に関する施策を総合的に推進することが効果的であると認められる区域について、低炭素まちづくり計画を作成することができることとする。
 [2] 市町村は、低炭素まちづくり計画の作成に関する協議及び低炭素まちづくり計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会を組織することができることとする。
 [3] 低炭素まちづくり計画に基づき、以下の措置を講ずることとする。
  ア 集約都市開発事業(病院、共同住宅その他の多数の者が利用する建築物の整備等に関する事業であって都市機能の集約を図るための拠点の形成に資するもの)を市町村長が認定する制度を創設し、所要の支援措置を講ずることとする。
  イ 低炭素まちづくり計画に記載された駐車機能集約区域内において建築物の新築等を行おうとする者に対し、条例で、集約駐車施設内に駐車施設を設けなければならない旨等を定めることができることとする。
  ウ 低炭素まちづくり計画に記載された鉄道利便増進事業等を実施しようとする者は、当該事業を実施するための計画を作成し、これに基づき当該事業を実施することとするとともに、当該計画について国土交通大臣の認定を受けた場合には、鉄道事業法等による許可若しくは認可を受け、又は届出をしたものとみなすこととする。
  エ 市町村又は緑地管理機構は、低炭素まちづくり計画に記載された樹木保全推進区域内の一定の樹木等の所有者等と樹木等管理協定を締結し、その管理を行うことができることとする。
  オ 低炭素まちづくり計画に記載された下水熱利用のための設備を有する熱供給施設の整備等に関する事業の実施主体は、公共下水道管理者等の許可を受けて、公共下水道等の排水施設からの下水の取水等をすることができることとする。
  カ その他所要の措置を講ずることとする。
(3)低炭素建築物新築等計画の認定制度の創設
  市街化区域等内において、低炭素化のための建築物の新築等をしようとする者が作成する低炭素建築物新築等計画を所管行政庁が認定する制度を創設し、所要の支援措置を講ずることとする。

3.閣議決定日
平成24年2月28日(火)

これまで、低炭素型都市づくりに関して国はガイドラインを示しているにすぎませんでしたが、この法律がこのまま成立すると、市町村が「低炭素まちづくり計画」を策定することにより各種の補助や支援メニューの恩恵を受けられるようになるみたいです。
制度創設なので、出題のネタにされる可能性があります。
但し、建設環境では去年出たばっかりなので、出るとしたら都市計画かな~。
まあ、いずれにしろ準備しておくことに超したことはありません。
・・・それにしてもこの都市の低炭素化の促進に関する法律案の概要は、去年の建設環境の解答骨子そのまんまですね。
国土交通省から「東日本大震災からの復興に係る公園緑地整備に関する技術的指針」が示されました。構成を以下に示します。
 第1章 検討の趣旨
 第2章 東日本大震災による津波被害の概要
 第3章 公園緑地整備に関する基本的考え方
  I 復興まちづくりの考え方
  II 東日本大震災の教訓を踏まえた公園緑地の機能
  III 復興まちづくりにおける公園緑地等計画の基本的考え方
  IV 公園緑地の計画・設計等の考え方
 第4章 公園緑地の整備における災害廃棄物の活用に関する基本的考え方
  I 災害廃棄物の処理及び有効活用に関する動き
  II 東日本大震災における災害廃棄物の概要
  III 災害廃棄物の処理スケジュール
  IV 公園緑地の整備における災害廃棄物の活用
  V 植栽基盤
 第5章 おわりに
中身はざっと見ましたが、従前の防災公園にあった被災時に拠点として活用できる機能等のほか、津波の減衰能力のある植栽や現在問題となっている「津波被災地の瓦礫」の公園整備への活用等にも言及しています。
公園緑地関連における「東日本大震災関連ネタ」であり、作問時期との兼ね合いもジャストです。都市及び地方計画、建設環境を受ける方(特に公園緑地・ランドスケープアーキテクト関連の方)は、必ず勉強しておくことをお勧めいたします。
ここからは私見で受験に全く関係のない話です。試験実施体制側(国側)は「放射瓦礫拡散」の考えですので以下のようなニュアンスは絶対解答に書いてはいけません。
現在、「放射能を帯びた(可能性のある者を含む)瓦礫の広域拡散」が重大な社会問題となっています。
私は基本的に「放射性物質は閉じこめる」ことが原則と考えています。
今回の震災では、福島第一原発事故の影響で東北から関東、さらには中部(静岡)や信越にかけて放射性物質が降り注ぎ汚染されてしまいました。本来であればこれを全て東電の手で回収し、放射性廃棄物処理施設で厳重に保管しなければならないのですが、現実に全ての除染・回収は難しいと考えます。
したがって、被災地の瓦礫放射能に汚染された瓦礫(可能性のある物も含む)は全て被災地で処理すべきです。クリアランスレベルの100ベクレル/kg未満であれば移動してもいいとは思いますが、スポット的な濃淡の激しい汚染の瓦礫をすべて確実にモニタリング、安全な物とそうでない物に振り分けるのは不可能だと思います。
この技術的指針をざっと見ましたが、瓦礫の性状に関しては「不同沈下や陥没、発熱、ガス」等に触れているだけで、放射能に全く言及していません。実に「ワザと触れていない」気がします。
本来なら、こうした指針は「瓦礫の被災地での地先処理」を進め、清浄な国土も含む放射性物質の広域拡散防止に資する目的を持ったものという位置づけで、これを明確に明記した物でなければならないと強く感じました。
今年の技術士二次試験の建設部門各部門における筆記合格率について、日経BPが集計した結果が発表されました。

◆技術士建設部門の科目別合格率に明暗、震災や一般論文が影響(日経BP)
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20111115/555497/
 日本技術士会は11月10日、2011年度技術士第二次試験の筆記試験の合格率などを
理事会で承認した。日本技術士会の資料によれば、建設部門の合格率は11科目の平
均で15.2%。受験者数は1万4352人だった。東日本大震災の影響などで2010年度より
受験者数が952人、合格者数が130人、それぞれ減ったものの、合格率は0.1ポイント
上昇とほぼ横ばいだった。
 建設部門の11科目のうち、「施工計画、施工設備及び積算」と「土質及び基礎」、
「鉄道」、「トンネル」の4科目を除く7科目で、2010年度より合格率が上がった。
最も上がったのは、「電力土木」で1.9ポイント上昇。これに、1.8ポイント上昇し
た「道路」と、0.8ポイント上がった「河川、砂防及び海岸・海洋」が続いた。
H23筆記合格率
 技術士試験の動向に詳しい5Doors’(名古屋市)の堀与志男代表によれば、2011
年度は専門論文の難易度が増したとは一部を除いて考えにくいという。受験者に共
通で課される一般論文も、出題は社会資本整備の課題がテーマ。「合格率の伸びが
大きかった3科目の受験者は、一般論文のテーマが専門分野に近かったので、解き
やすかったのかもしれない」(堀代表)


まあ、去年と殆ど同じ結果だったみたいで、対受験者合格率は15.2%、下記のように私が算出してみた推計も概ね合っていたみたいです(河川がちょっと推計より悪かったみたいですね・・・)。
●都市及び地方計画:推計16.8% 結果17.0%
●河川、砂防及び海岸・海洋:推計13.4% 結果12.2%
●建設環境:推計15.0% 14.9%
今年の結果を見て感じるのは、例年と比較して科目毎の合格率のばらつきが小さい感じがします。
建設環境は昨年より筆記合格率が上がっているんですね・・・。口頭試問で気を抜かないようにしなければ・・・。
私の自宅最寄り駅は利用客6000人/日程度で、しかも駅前広場もロータリーもなにもなくて、駅前には整骨院(何年か前まではファミマだった)しかなくて閑散としています。しかしながら、数年前、改築工事が施され、エレベータや車いす用トイレなどが完備されて完全なバリアフリー対応になりました。
平成20年度の都市計画の技術士試験で、【バリアフリー】の問題に解答しました。
解答の中で「利用客数5000人/日以上の駅のバリアフリー化は4割程度に留まっている」と問題提起しました。
このように、国交省では、利用客数5000人/日以上の駅について、全てバリアフリーにすべく事業を進めていますが、私の都市計画受験時から数年しかたってないのに、すごい成果を上げているようです。
鉄道駅のバリアフリー化が大幅に進みました!!
なんと、バリアフリー化率は40%から93%に暴騰しています。
こういう現状を認識せずに、依然として「鉄道駅のバリアフリー化が遅れている」なんて解答に書くとベケを喰らいます。
認識を改めましょう。
今年の都市及び地方計画のI-2-1は良問だと思います。
おもしろそうなので解答してみました。
I-2-1 下の表は、ある地方都市の人口等の推移である。この都市の現状及び推移のそれぞれについて、都市計画の観点から重要と考えられる事象を挙げて説明せよ。また、この都市の将来についてあなたが考える課題を1つ挙げ、行政がとるべき対応策とその適用に当たっての留意点を述べよ。
都計1-1-1表

設問における地方都市をA市とした上で、以下に解答を記述する。
  

1.A市の現状及び推移

 A市では、市域の総人口、DID 地区内面積と人口、市街化区域面積と人口のいずれもが1965年から1985年にかけて増加している。これは、高度成長期からバブル期にかけて、人口の急激な増加とともに都市構造の拡大が進んだことを示している。

 しかしながら、バブル期以降、市街化区域の人口は引き続き微増傾向にあるが、総人口は1985年以降に早くも減少に転じている。我が国全体の人口ピークは2005年頃と推定されている。したがって、A市の少子・高齢化による人口減少は全国平均よりかなり早く始まっているといえる。これは3大都市圏以外の地方中小都市の典型的なケースである。

 一方、市街化区域に関しては、1995年から2005年にかけても約300ha強拡大している。A市では人口減少社会を迎えた以降も、拡大基調の都市政策を取りつづけていることが伺える。

  

2.都市計画の観点から重要と考えられる事象

 私は以上に示した現状及び推移から、都市計画において重要な事象には以下に挙げるようなものがあると考える。

1) 市街化区域拡大や都市計画道路新設等に伴い、住宅団地のほか、公的機関、病院、大型商業施設等の郊外立地の拡大

2) 上記の都市構造拡散と、全国的に進んだモーターリゼーション進展等による「クルマ社会化」の進行と、これに伴う鉄道、バス等公共交通機関の衰退

3) 郊外に立地していた農地や山林等が開発行為等により失われてしまったことによる緑被率の減少

4) 都市計画道路(バイパス)沿いへの郊外型大型商業施設立地等に伴う中心市街地の衰退

  

3.A市が解決すべき課題

 以上に示した事象に対応するため、A市の都市行政は、無秩序な拡大基調の都市政策を改めるとともに、今後ますます進行する高齢化に対応可能なまちづくりを進めていく必要がある。このためには、都市構造の集約化等の施策により「歩いて暮らせるまちづくり」を目指すべきと考える。 

 

4.A市行政が取るべき対応策と留意点

(1) 都市構造の集約と中心市街地活性化

 公共施設や病院、商業施設等、都市拠点機能の中心市街地への再配置を検討すべきである。また、これまで郊外部に居住していた高齢者等を受け入れる居住区についても、中心市街地至近に設ける必要がある。同時に、中心市街地への商業施設誘導等により、中心市街地に失われていたにぎわいを取り戻す取組も必要である。このようなコンパクトなまちづくりを進めるに当たっては、住民や地権者、商工関係者等との合意形成が重要である。このためには、こうした多様な関係者が主体的に計画に参画する仕組みづくりが必要と考える。

  

(2) 都市交通の再構築

 中心市街地を主体に、道路・交通体系の再構築を図る必要がある。公共交通について、融通性の高いLRT やデマンドバス等採用も含めた魅力向上策を図るとともに、歩道、交通結節点、車両等、連続性を持ったバリアフリー化を実現していくべきである。

  

(3) スマートシュリンクによる緑農地再生

 施設や住宅の郊外からの撤退により、利用密度が低下した郊外の土地利用をうまく誘導して、自然あふれる空間を目指していくことも必要である。未利用地となった郊外部に、緑地や農地、都市公園等を配置することで、緑豊かな都市外輪部を構成することが求められる。

―以上―


こんな感じでどんなもんですかね・・・
今年の問題総括もひとまず最後となりました。
都市及び地方計画のI-2について、私見に基づき振り返ってみたいと思います。
I-2 次の6設問(I-2-1~I-2-6)のうち1設問を選んで解答せよ。(解答設問番号を明記すること。)
 I-2-1 下の表は、ある地方都市の人口等の推移である。この都市の現状及び推移のそれぞれについて、都市計画の観点から重要と考えられる事象を挙げて説明せよ。また、この都市の将来についてあなたが考える課題を1つ挙げ、行政がとるべき対応策とその適用に当たっての留意点を述べよ。

都計1-1-1表 

I-2-2 建替事業が進められるマンションの特徴を述べよ。また「建物の区分所有等に関する法律」の建替え決議を経て、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」に基づき行われるマンション建替事業について、 その進め方を説明せよ。さらに、一団地に数棟の建物がある団地型マンションの建替事業に特有の問題を挙げ、 その解決のためにどう対応すべきかあなたの考えを述べよ。
I-2-3 近年、多くの都市において、都市計画道路の廃止・変更等の見直しが行われている。このような取組が進められている背景を述べた上で、都市計画道路の見直し案の作成に当たっての課題を3つ挙げ、それぞれの課題に対する具体的な対応方策について、あなたの考えを述べよ。
I-2-4 密集地区を含む既成市街地において、土地区画整理事業を活用し、居住環境や防災性の向上を図るための市街地整備を行う場合、合意形成、事業計画策定、換地計画策定及び工事実施の各段階における課題を2つずつ挙げ、それぞれについて具体的な解決方策を述べよ。なお、事業計画策定、換地計画策定及び工事実施の各段階の解決方策には、課題解決に有効な他事業との連携方策を含めること。
I-2-5 平成18年に施行されたいわゆるバリアフリー新法により、公共施設等のバリアフリー化に向けた各種の取組が行われてきているが、この背景又は意義を2つ述べよ。また、「移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準」に定められた主な内容について、都市公園の管理者に課せられた2つの義務に触れつつ述べよ。さらに、これからのユニバーサルデザインによる都市公園の計画設計や整備、管理などを一層推進していく上での課題と解決方策について、あなたの考えを述べよ。
I-2-6 近年、多様な観点から、里地里山の持続的な保全が求められているが、里地里山がおかれている現状と保全が求められている社会的背景を述べた上で、持続的な保全の意義を3つ挙げよ。また、里地里山の持続的な保全に資する法律や条例に基づく制度を2つ挙げ、それぞれの制度ごとに、持続的な保全をさらに進めるための方策について、あなたの考えを述べよ。
I-2-1は狭義の都市計画分野の問題ですが、これまで見たことがない、データから現状を分析、課題を考察させるとともに都市計画行政がとるべき対応策について書かせる問題です。役所や委託業者で都市計画実務にどっぷり携わり、よりよいまちづくりのため日々を過ごしてきた方なら、準備がなくとも手応えのある解答が書けたはずです。

私なりに解答方針を考えてみます。

表からは、高度成長期からバブル期にかけ、総人口、DID区域面積や区域内人口ともに伸びていますが、バブル期以降人口はいずれも減少に転じていることが読み取れます。一方、都計法における市街化区域は近年になっても拡大を続けているようです。
高度成長期からバブルにかけてのDID区域の拡大や区域内人口の急伸は、スプロール現象を示しています。しかしながら、DID区域内、総人口とも、少子高齢化の影響を受け、近年は人口減少傾向が止まりません。
にもかかわらず、市街化区域の面積拡大傾向は相変わらずのようです。私は都市計画行政上、ここに大きな問題があると思います。
この都市は、もはやむやみな都市構造の拡散などは考えずに、都市構造の集約化やスマートシュリンク等に向けた施策へと都市政策の転換を図るべきです。

というのが私の考察結果ですが、どんなもんでしょうかね。いずれにしろ、非常に良問だと感じました。
I-2-2は、都市再開発分野ではおなじみの「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」問題です。国土交通省サイト内のここなどが非常に参考になります。特に、高度成長期に建てられた団地型マンションの立替は独特の問題をはらんでいます。上記したサイトからマニュアルがダウンロードできますが、これに問題点や解決方策が詳しく載っています。このあたりが解答のツボだと思います。
I-2-3は交通計画分野の都市計画道路見直しに関する出題です。都市計画道路というと、用途指定図にただ線だけ入っていて「絵に描いた餅」というイメージがありましたが、例えばこの横浜市の事例のように、近年は「スタートしたら止まらない公共事業計画」という悪習を改め、「絵に描いた餅」はなくす方向で積極的に見直す取組が各地で行われています。まあ、都市計画というよりも、どちらかというと道路計画に従事されている方が得意な分野ではないでしょうか。
I-2-4は毎度おなじみの土地区画整理事業による木造密集市街地対策の問題です。今回の問題は、区画整理事業に関して、基本的な業務遂行段階毎の課題や解決方策を書かせる総合的な問題です。特徴は、「課題解決に有効な他事業との連携方策を含める」という但し書きです。中心市街池活性化施策や公園事業、交通結節点再整備などが該当するのではないかと考えます。
I-2-5は公園緑地分野におけるバリアフリーに関する問題です。バリアフリーに関しては法改正があったので注目はしていましたが、公園限定で出されました。バリアフリー新法の背景と意義は、私が平成20年に解答したほぼそのまんま(ここで詳述しております)でOKだと思います。
設問にもある移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を事前に勉強した方であればA評定レベルの物が書けると思います。
また、「都市公園の管理者に課せられた2つの義務に触れつつ」とあります。あくまでも私の憶測ですが、「施設のバリアフリー化を図る」「バリアフリー施設の利用状況のモニタリング等を継続しPDCAに基づいた改善を図る」の2つに触れればよいのではないかと思います。
I-2-6は公園緑地分野の問題で、お題は近年流行の「里地・里山の保全」。意義は「都市景観」「生物多様性保全」「環境学習の場の提供」「温室効果ガス抑制やヒートアイランド防止」等、一般的な緑地整備の意義と殆ど同じで構わないと思います。「里地里山の持続的な保全に資する法律や条例に基づく制度2つ」は別に環境省所管の里地里山と冠言葉がついた制度等を挙げなくとも、都市緑地法の各種の民地緑地を保全するための制度(屋上緑化とかはちょっと趣向が違いますね・・・)や生産緑地制度等、緑地保全・再生に係る制度に言及すればよいと考えます。
以上が今年の都市及び地方計画のI-2です。非常のオーソドックスであり、なおかつ大震災の影響は全くありませんでした(I-2-4の密集市街地問題も今回の被災とはあまり関係ないと判断できます)。大震災に関しては、各地で復興まちづくり計画が固まってきている来年にでも爆発するのでしょうか・・・。
以上で平成23年度の問題総括を終わります。
問題文をご提供いただいた受講者の皆様、ありがとうございました。

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