建設環境

これまでの3部門5科目の合格経験に基づき、貴方の技術士二次試験受験について徹底的にサポートさせていただきます。
詐欺士からのコメント
 平成26年度の技術士二次試験の合格発表がありました。合格された方々、本当におめでとうございます。今度は技術士として相応しいキャリア形成を図り、立派なエンジニアになってご活躍されるようお祈りしております。(H27/03/02)
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第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)がもうすぐ始まります。
建設環境で口頭試問を受ける人は、この動向は十分把握しておいて下さい。
また、今年の都市計画や建設環境の課題解決能力(問題III)で低炭素都市づくりの問題が出ましたが、アレに答えた人は特にこの動向は把握しておくべきです。

温暖化対策で三たび交渉 COP19、自主目標案が軸
日本経済新聞・2013/11/16
 【ワルシャワ=浅沼直樹】政府は15日、地球温暖化対策推進本部(本部長・安倍晋三首相)で、2020年までに温暖化ガスを05年比で3.8%削減する新目標を了承した。国際ルールの第3弾となる20年以降の枠組みづくりに向けた議論は来週、ポーランドのワルシャワでの閣僚交渉で始まる。日本が新目標を示すことで、交渉が本格化する。
 この交渉は第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)。すべての国が参加することを目指しており、国際ルールの第1弾だった京都議定書とは違い、削減義務は設けない方向で議論が進む見通し。各国が自主的に削減目標を出す方式が軸になりそうだ。目標設定の仕方などが15年の採択に向けた今後の交渉の焦点だ。
 ワルシャワでは事務レベルの協議が始まっており、新枠組みづくりの議論の前に新興国や途上国は資金や技術などの支援を先進国に要求。「先進国が温暖化ガスを排出してきた責任を評価すべきだ」(ブラジル)、「温暖化の責任が最も小さい国々が最も影響を受ける」(太平洋などの島しょ国連合)などと訴えている。
温暖化削減目標
 日本は今回の新目標とともに、途上国への支援160億ドル(約1兆6000億円)を3年間で提供することを決定し、今後の交渉で各国に理解を求める。これは途上国が必要とする金額の3分の1に相当する。日本は自国の排出削減だけではなく、途上国への支援を通して世界全体として温暖化防止に貢献することをアピールする。
 とはいえ、日本の3.8%という新目標に対する参加国の反発は強い。中国代表団の蘇偉副代表は「国際的な責務を果たすべきだ」と指摘。島しょ国連合も「福島原発事故の悲劇には同情するが、新目標は我々を危機に陥れる」との声明を発表。英国も日本の資金支援には「歓迎する」としながらも、目標には「失望した」としている。
 国際交渉の第1弾となった1997年のCOP3では、削減余地が大きい欧州連合(EU)や米国、日本の主要排出国間で激しくやり合い京都議定書が誕生した。だが、01年に米国が新興国や途上国に削減義務がないことを理由に離脱。第2弾の京都議定書の第2約束期間(13~20年)では、日本やロシア、カナダなどが参加しなかった。
 第3弾となる新枠組みづくりで、日本の姿勢が理解されて存在感を示せるのか、来週から始まる閣僚級協議の焦点となる。


それにしても、日本の目標は90年比でプラス3%ですか・・・。
京都議定書の既定路線だったマイナス6%、そして鳩山が何の根拠も無しで勝手に決めたマイナス25%に比較すると、大幅な後退でよその国から批判されるのは仕方ありませんね。
でも、国内の原発があれだけの事故を起こしてしまった以上、原発依存から脱却するしかないし、そうであればこれが現実的な数字なのだと考えます。
いずれにしろ、現状における地球温暖化防止のための国の基本的な目標はキチンと把握しておくことは重要だと思います。
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タグ : 口頭試験 建設一般 建設環境 都市及び地方計画

問題II-1 (専門知識)
解答2枚物の出題を予想していましたが、上下水道の専門問題のような1枚物が出題されました。
今年はたまたま生物関係が専門の人は、順応的管理と生態系保全で行けました。しかしながら、他科目と同様、今後は「自分の専門以外についても勉強しておく」ということが強いられると思います。

II-1-1 環境再生等における順応的管理の基本的な考え方及びそのプロセスについて述べよ。また、順応的管理を実際の事業で適用する上での留意点を3つ挙げよ。


 II-1-2 平成25年4月1日から施行された環境影響評価法の主な改正事項を2点挙げ、それぞれの改正の背景と内容を述べよ。


II-1-3 建設リサイクルを取り巻く課題を3つに大別して、それぞれ、概要を説明せよ。また、課題解決に資する具体的な対応方法について述べよ。


II-1-4 「生態系ネットワーク」の考え方を説明し、ネットワーク形成のための具体的対策を建設環境の技術士の立揚から2つ挙げて留意点を述べよ。


出題テーマは順応的管理、環境アセス、建設リサイクル、生態系保全の4つであり、このうち2問に解答しなければなりません。
II-1-1の順応的管理は、私が添削等で「自然環境ネタは継続的なモニタリングとこの結果に基づいたスパイラルアップが重要」と強調してきましたが、まさにこのことです。このテーマは分野という狭い範囲を超えていて、今回改正後の出題としては珍しいと思います。
II-1-2は環境影響評価法改正に関する問題。予想問題として取り上げていましたので、あれで勉強された方はよく書けたのではないかと思います。
II-1-3は毎度おなじみの建設リサイクル。課題は汚泥や木系廃棄物のリサイクル推進のため、解決が必要な課題を挙げればいいのかと思います。
II-1-4は生態系ネットワークの考え方という問題。これも私が添削等で強調していた「自然環境ネタは面的な連続性確保が重要」をスジとした解答がいいのではと思います。
問題II-2(応用能力)
こちらは予想通り解答2枚物の問題でした。他の科目はほとんど「ケースを想定した上で」等の仮定を条件設定に基づいた業務手順や留意点を問うものでした。

II-2-1 ある建設事業によって環境への影響が懸念される区域内に希少種が生育・生息している。あなたは建設環境の技術士として、工事実施に伴う希少種に対する影響を予測し、環境保全措置を検討することになった。建設事業と希少種を1種想定した上で、当該業務に関する以下の問いに答えよ。

(1)あなたが想定した建設事業と希少種を挙げよ。また,想定した建設事業の概要を述べよ。

(2)希少種に及ぼす環境影響として考えられる項目を2つ挙げ,その内容を希少種の特性との関連から述べよ。
 
(3)(2)で挙げた項目から1つ選び、影響を予測する手法を述べよ。 (4)(3)で選定した項目に対して考えられる環境保全措置を1つ挙げ、その内容を述べよ。また、当該環境保全措置を検討する際に留意すべき事項を1つ挙げよ。


 II-2-2 工事による生活環境への影響が懸念される建設事業において、影響についての調査・予測、環境保全措置の検討を行うに当たり、以下の問いに答えよ。
 
(1)建設事業の内容、及びその建設事業が実施される地域の状況を想定し、具体的に述べよ。

(2)懸念される環境影響について、影響を及ぼす要因及び影響を受ける環境要素(以下、環境項目という。)を挙げ、その理由を述べよ。
 
(3)(2)で挙げた環境項目を1つ選び、調査・予測を実施する手順を述べよ。 (4)(3)で選んだ環境項目について、実施することが適切と考えられる環境保全措置を説明せよ。


こちらの方は、「希少種保全対策」「生活環境保全措置」と科目全般に関わりのあるネタについての設問でした。ただ、改正説明会で試験委員が言っていたように、「業務芸歴があるかどうか」でかなり難易度が違う感じです。この辺、コンサルで普通に設計業務等に従事している人にとってはけっこう厳しいかもしれません。
II-2-1は希少種として、オオタカなりホトケドジョウなり挙げた上で、具体的な工事等を想定、このインパクトからの保全方策について述べるものです。経験が無くともなんか行けそうな気がします。
II-2-2は上記と同様に工事を想定した上、生活環境保全(騒音、振動、水質)について記述するものです。こちらは具体的な定量値(騒音なら何デシベル以下にするとか・・・)等の知識が必要であり、こちらはちょっと実務経験無しでは手が出せない気がします。
問題III(課題解決能力)
昨年までの建設一般のように「課題を3つ抽出した上解決策を書け」スタイルだと予測していましたが、むしろ総監に近いような、長文で、解答要求事項が細かい問題でした。
建設環境で特徴的なのは「建設環境の技術士として答えよ」という設問形式です。

III-1 我が国における総CO2排出量においては、都市における社会経済活動に起因することが大きい家庭部門やオフィスや商業等の業務部門と自動車・鉄道等の運輸部門における排出量が全体の約5割を占めている。このような状況を踏まえ、建設環境の技術士として以下の問いに答えよ。
 
(1)低炭素都市づくりを実現するための方策を3つ具体的に示し、各々の方策が低炭素に寄与する仕組みを述べよ。
 
(2)その方策のうち、あなたが重要と考えるもの1つについて、その理由を説明するとともに、その方策の実施に当たっての技術的課題を述べよ。
 
(3)上記の課題を解決するための技術的提案及びその提案の留意点やリスクについて述べよ。


III-2 東京湾、伊勢湾、大阪湾等の閉鎖性海城の水質改善に向けて、各海域で再生行動計画が策定され、関係機関が流入負荷削減対策等に取り組んでいる。しかしながら、貧酸素水塊の発生が解消されず、生物の発死を招く等の課題も残されている。このような状況を考慮して、建設環境の技術士として以下の問いに答えよ。
 
(1)閉鎖性海域の環境改善を図る上であなたが重要と考える目標について述べよ。
 
(2)上述した目標を達成するための対策を1つ挙げ、その対策の技術的課題を示せ。
 
(3)上記の課題を解決するための技術的提案を示すとともに、提案を実施する際の問題点、トラブルについて述べよ。


III-1は低炭素都市づくりです。それにしても低炭素都市はすごい出題頻度ですね。一昨年出たばかり(私はこれに解答しました)なのにまた出ました。余談ですが今年は都市計画でも出ています。もちろん解答はガイドラインに沿った内容を記述すればよいと思います。
III-2は閉鎖性水域の貧酸素水塊についてです。
貧酸素水塊とはずいぶんマニアックな用語を出してきたと思いましたが、要は俗語でいう青潮のことで、DO(用損酸素量)低下により生物が死滅してしまう状態です。課題と解決策はあくまで「閉鎖性水域の水質改善」を念頭に書けばいいと思います。
総論(建設環境)
建設環境、総体的には予想通りでした。但し、生活環境系より自然環境系のネタが重要視されている感じがします。このため従来の「鉄道環境」「道路環境」等を専門とする方々は、単なる騒音や振動等だけでなく、自然環境系の勉強も十分慕う絵で受験することが重要になってくると思います。

タグ : 建設環境 過去問

引き続いて河川、砂防関連の景観ネタです。
東日本大震災の復興事業にあたり、河川・海岸構造物の復旧における景観配慮の手引きというものが、平成23年11月に出されています。
津波や地震で壊れた堤防や樹林帯、水門等の復旧工事にあたっての景観配慮方策について示したものです。
景観関連の問題が最近出ていないこと、そしてこれは時事ネタであることを踏まえると、単なる景観ガイドラインに関する問題より出題確率は高いような気がします。
建設環境、そして河川、砂防及び海岸・海洋の受験者はお勉強をお忘れなく!!!
なお、これも建設環境のBグループに例題を追加しておきます。
建設環境や河川では、多自然川づくり、生態系保全等といったネタの出題が毎年のようにされています。元来、河川や海岸は自然公物ですので、これに付帯するインフラ整備のためには自然環境に最大限配慮しなければなりません。
 ここで、環境機能の重要な要素として「景観」があります。建設環境の最近の出題履歴を見ますと、平成19年度の制度改正以来、道路景観(H19年度)や都市景観(H22年度・H23年度)は出ていますが、河川や海岸に関するものはありません。
一方で出題ネタは以下のように豊富に揃っています。
■河川景観ガイドライン「河川景観の形成と保全の考え方」(H18,10・国土交通省)
■砂防関係事業における景観形成ガイドライン(H19,02・国土交通省)

■海岸景観形成ガイドライン(H18,01・国土交通省)
とにかく、いつ出されてもいいような状態となっています。
また、建設環境の他、河川、砂防及び海岸・海洋の過去問題もチェックしてみましたが、こちらでも最近は出ていませんので出題の可能性がありそうです。
とりあえず、建設環境専門(Bグループ)の例題を追加しておきます。
建設環境の専門記述では、ほぼ毎年のように環境アセスメントに関連した問題が出題されます。
そして、昨年はされませんでしたので、今年は再び出題される可能性が限りなく高いと考えています。
ここで、環境アセスを所管する環境影響評価法の改正案が平成22年度に閣議決定、平成23年4月に改正、公布、その一部は平成24年4月に施行されています。これまでは、SEAとか手続きの手順とかをネタに出題されてきましたが、今年出題されるとなるとこの法改正絡みが濃厚だと考えます。
改正の概要は以下の通りです。
■改正の概要
(1)補助金を交付金化する取組が進められていることを踏まえ、交付金の交付対象事業についても法対象事業とする
(2)事業の早期段階における環境配慮を図るため、第一種事業を実施しようとする者は、事業の位置、規模等を選定するにあたり環境の保全のために配慮すべき事項について検討を行い、計画段階配慮書を作成することを義務化
(3)法施行後に作成されている方法書の実態として、図書紙数の分量が多く、内容も専門的なものとなっていること等を踏まえ、事業者による方法書段階における説明会の実施を義務化する
(4)電子化の進展を踏まえ、インターネットの利用等による環境影響評価図書の電子縦覧を義務化
(5)現行制度において環境大臣意見は評価書の段階でのみ述べられることとなっているが、評価項目等の選定段階においても、環境大臣が主務大臣に対し技術的見地から意見を述べることができるものとする
(6)現行制度においては都道府県知事が関係市町村長の意見を集約したうえで事業者に対して意見を述べる仕組みとなっている。地方分権の進展等を踏まえ、事業の影響が単独の政令で定める市の区域内のみに収まると考えられる場合は、当該市の長から直接事業者に意見を述べるものとする
(7)事業着手後の環境保全措置等の実施状況を明らかにすることは、環境影響評価後の環境配慮の充実に資するものであることから、評価書の公告を行った事業者に対して、環境保全措置等の実施状況についての公表等を義務化
私は環境アセスは超度素人なのですが、これ、クサイクサイ!プンプン匂いますね。
建設環境受験者は是非とも重点的にお勉強して下さい。
もちろん例題にも早速追加しておきます。
年度末でガタガタしていて気づきませんでしたが、「都市の低炭素化の促進に関する法律」という新法が先月末に閣議決定されたことが国土交通省HPに掲示されていました。

■都市の低炭素化の促進に関する法律案について
平成24年2月28日

標記法案について、本日閣議決定されましたので、その関係資料を公表いたします。
1.背景
社会経済活動その他の活動に伴って発生する二酸化炭素の相当部分が都市において発生しているものであることに鑑み、都市の低炭素化を図るため、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針の策定、市町村による低炭素まちづくり計画の作成及びこれに基づく特別の措置並びに低炭素建築物の普及の促進のための措置を講ずる。

2.概要
(1)都市の低炭素化の促進に関する基本方針の策定
  国土交通大臣、環境大臣及び経済産業大臣は、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならないこととする。
(2)低炭素まちづくり計画に係る特別の措置
 [1] 市町村は、単独で又は共同して、基本方針に基づき、市街化区域等のうち都市の低炭素化の促進に関する施策を総合的に推進することが効果的であると認められる区域について、低炭素まちづくり計画を作成することができることとする。
 [2] 市町村は、低炭素まちづくり計画の作成に関する協議及び低炭素まちづくり計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会を組織することができることとする。
 [3] 低炭素まちづくり計画に基づき、以下の措置を講ずることとする。
  ア 集約都市開発事業(病院、共同住宅その他の多数の者が利用する建築物の整備等に関する事業であって都市機能の集約を図るための拠点の形成に資するもの)を市町村長が認定する制度を創設し、所要の支援措置を講ずることとする。
  イ 低炭素まちづくり計画に記載された駐車機能集約区域内において建築物の新築等を行おうとする者に対し、条例で、集約駐車施設内に駐車施設を設けなければならない旨等を定めることができることとする。
  ウ 低炭素まちづくり計画に記載された鉄道利便増進事業等を実施しようとする者は、当該事業を実施するための計画を作成し、これに基づき当該事業を実施することとするとともに、当該計画について国土交通大臣の認定を受けた場合には、鉄道事業法等による許可若しくは認可を受け、又は届出をしたものとみなすこととする。
  エ 市町村又は緑地管理機構は、低炭素まちづくり計画に記載された樹木保全推進区域内の一定の樹木等の所有者等と樹木等管理協定を締結し、その管理を行うことができることとする。
  オ 低炭素まちづくり計画に記載された下水熱利用のための設備を有する熱供給施設の整備等に関する事業の実施主体は、公共下水道管理者等の許可を受けて、公共下水道等の排水施設からの下水の取水等をすることができることとする。
  カ その他所要の措置を講ずることとする。
(3)低炭素建築物新築等計画の認定制度の創設
  市街化区域等内において、低炭素化のための建築物の新築等をしようとする者が作成する低炭素建築物新築等計画を所管行政庁が認定する制度を創設し、所要の支援措置を講ずることとする。

3.閣議決定日
平成24年2月28日(火)

これまで、低炭素型都市づくりに関して国はガイドラインを示しているにすぎませんでしたが、この法律がこのまま成立すると、市町村が「低炭素まちづくり計画」を策定することにより各種の補助や支援メニューの恩恵を受けられるようになるみたいです。
制度創設なので、出題のネタにされる可能性があります。
但し、建設環境では去年出たばっかりなので、出るとしたら都市計画かな~。
まあ、いずれにしろ準備しておくことに超したことはありません。
・・・それにしてもこの都市の低炭素化の促進に関する法律案の概要は、去年の建設環境の解答骨子そのまんまですね。
もうすぐ年度末も終わり、いよいよ新たな年度となります。
それと同時に、今年も技術士試験の申し込みが開始、平成24年度の技術士受験シーズン(?)が正式にスタートします。
今日は、昨年の建設環境の合格論文について述べたいと思います。
今日取り上げるのは、Bグループの「多自然川づくり」です。
問題は下記の通りです。
I-9 多自然川づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 多自然川づくりの現状と課題について述べよ。
(2) (1)で述べた課題を踏まえた上で、多自然川づくりを推進するために必要な方策についてあなたの考えを述べよ。
私は平成18年度に河川の技術士を取得しましたが、ちょうどその試験の直前、下記のような提言が国土交通省の設けた委員会から示されました。
■提言「多自然川づくりへの展開」
「これはクサイ」と思った私は、この内容に基づき「多自然型川づくり」の「現状と問題点」「課題」「今後のあり方」をとりまとめ学習しました。
結果としてこれがドンピシャリと大当たり、めでたく河川の技術士になれるきっかけとなりました。
以下に当時の問題と再現解答全文を掲載いたします。
平成18年度専門問題(河川、砂防及び海岸・海洋)
I-2-3(B) 
現在までの多自然型川づくりが抱える課題を分析し、今後の多自然型川づくりの推進方策について述べよ。
1.はじめに
 平成2年に「多自然型川づくりの推進について」が通達されてから約15年が経過した。この間、多自然型川づくりは広まりを見せるとともに、平成14年度には河川改修工事全体の約7割が多自然型川づくりが占める等、川づくりのスタンダードになるまでに至った。
 しかしながら、こうした川づくりの中には、画一的な断面形状で計画したり、かえって河床や水際を単調にしてしまっているものがある等、問題のあるものも数多く見受けられる状況である。
 以上のような点を踏まえ、これまでの多自然型川づくりの課題を整理するとともに、多自然型川づくりの今後のあるべき方向性、推進すべき方策について、私の考えを記述する。

2.多自然型川づくりの抱える課題
 現在まで行われてきた多自然型川づくりの課題について整理すると、以下に示す4つが挙げられる。
 1)多自然型川づくりに関する共通認識の欠如
 2)多自然型川づくりを支援する仕組みが不十分
 3)多自然型川づくりを推進する体制が不十分
 4)多自然型川づくりを担う人材を育成するシステムが不十分

3.今後のあるべき方向性
 これまでの多自然型川づくりが抱えている課題に対し、課題解決のため推進すべき方策のあるべき方向性を整理すると、次の3つが挙げられる。
 1)個別箇所の多自然ではなく、河川全体を視野に入れた多自然へと転換
 2)地域の暮らし、文化や歴史と結びついた川づくり
 3)維持管理を踏まえた川づくり

4.推進のための方策
 1)これまでの知見や現場体験等に基づいた「課題の残る川づくりの解消」
 2)中長期的視野に立った「川づくり全体の水準の向上」

(1)課題の残る川づくりの解消
 これまでの知見や技術、現場経験等に基づいて、現在実施されている課題の残る川づくりの解消を図っていく必要がある。そのためには、以下に挙げるような施策を推進すべきと考える。
 1)既往の技術に基づいた実施事例等の整理
 2)多自然型川づくりに関する図書や技術資料集等の刊行
 3)多自然型川づくりに関する講習会や現場見学会等、研修の機会の増加や充実
 4)行政関係者、現場担当者等の間における多自然型川づくりに係るナレッジマネジメントの構築
 5)多自然型川づくりに係るPRの推進

(2)川づくり全体の水準の向上
 中長期的なスタンスに立って、多自然型川づくりに係る研究・開発等を進めるともに、よりよいものへと川づくり全体の水準を高めていく必要がある。そのためには、以下に挙げるような方策を進めていく必要がある。
 1)多自然型川づくりに係る計画、設計技術の研究・開発
 2)多自然型川づくりに係る施工技術の開発
 3)モニタリングの継続的実施と調査結果のフィードバック
 4)多自然型川づくりに係る指針や示方書等の整備
 5)インパクト-レスポンスに関する科学的解明

4.おわりに
 多自然型川づくりにあたっては、本来その川が持っている河川特性に応じたダイナミズムを確保するとともに、川の縦断的、横断的な生物多様性を維持、創造することが重要である。
 私は河川に関わる技術者として、多自然型川づくりに微力ながら尽力したいと考えている。
-以上-

結局試験直後の平成18年10月に、この提言に基づいた「多自然川づくり基本指針」が出されました。
当時は、我ながら自分の試験関連情報事前収集の結果に満足した次第です。
さて、それから5年が経過して平成23年の建設環境受験。
技術士試験受験に向けた他人様の添削には勤しんでいましたが、自らの受験勉強はほとんどしておらずほぼ丸腰の状態でした。(但し「他人様の添削指導」はあとから振り返ると実は非常に有意義な受験勉強でした)
ただし、そんな中でも過去に河川と都市計画で勉強した「多自然川づくり」と「連続した緑地保全・創造」だけは前日図書館で再度骨子をとりまとめる作業を行いました。
結論として、これが再び大当たりになりました。
以下に問題と解答全文を掲載いたします。
平成23年度専門問題(建設環境)
I-9 多自然川づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 多自然川づくりの現状と課題について述べよ。
(2) (1)で述べた課題を踏まえた上で、多自然川づくりを推進するために必要な方策についてあなたの考えを述べよ。

1.多自然川づくりの現状
 平成2年に旧建設省が「多自然型川づくりの推進について」を通達して20年余が経過した。この間、多自然川づくりは大きく拡大し、現在では河川工事の大部分を多自然川づくりが占める状況となっている。
 しかしながら、一方では、標準定規断面にこだわりすぎて川や水辺の連続性等を全く考慮していなかったり、単に環境配慮部材等を用いただけの、いわゆる「多自然型川づくり」であったり等、課題が残る川づくりが多いのが現状である。
 また、施設整備後に適切な維持管理がなされておらず、河床変動やみお筋の移動等により、施設本来の機能が大きく損なわれてしまっている事例等も多い状況である。

2.多自然川づくりにおける課題
 以上に述べたような現状を踏まえ、多自然川づくりをよりよいものとしていくためには、次に挙げる課題を解決していく必要がある。
(1) 河川全体の営みを視野に入れた川づくり
 川は自然公物であり生き物である。川づくりにあたっては、河川の自然の営みへの配慮が求められる。
このため、川や水辺環境、生態系等の横断的、縦断的、そして面的な連続性に十分留意した上で、その場その場の多自然ではなく、河川全体の営みを視野に入れた川づくりを進めることが必要と考える。
(2)まちや地域と一体の川づくり
 我が国の都市はその大部分が低平地に位置している。このため、古来から漁業や舟運、水利用等によりまちと川は強く結びついている。優れた景観や伝統行事等の地域観光資産にも、川とまちと切っても切れないような物が多い。
以上により、地域の歴史や文化に根ざした、まちや地域と一体の川づくりを目指すことが重要である。
(3)維持・管理まで見据えた川づくり
 多自然川づくりは施設整備だけでは完結しない。整備した空間に自然が持続的に宿ることで多自然川づくりは初めて成り立つ。 このため、単に施設を整備するだけでなく、持続的、永続的な維持管理までを視野に入れた取組が求められている。

3.多自然川づくりを推進するため必要な方策
 以上に挙げた課題を解決するとともに、多自然川づくりをよりよいものとしていくため、当面の施策として「課題の残る川づくりの解消」に取り組んでいく必要がある。
 また、中長期的な視野で「川づくり全体の水準の向上」を図るための取組も重要である。
 以上に挙げた2つのテーマ毎に、私が必要と考える方策を記述する。
(1) 課題の残る川づくりの解消
 1)多自然川づくりに関する研修の開催や図書発行等の推進
 2)河川管理者、施工者、維持管理者等、多自然川づくりに携わる現場担当者間におけるナレッジマネジメントの構築
 3)地域や市民に対する多自然川づくり関する広報・周知の推進
 4)地域や市民、NPO団体や学識経験者等、多様な主体が多自然川づくりに参画するための仕組みの構築
(2)川づくり全体の水準の向上
 1)多自然型川づくりに関する工法、施工技術等の研究・開発
 2)インパクト-レスポンスの科学的解明等、多自然川づくりに関連する生態系、自然現象等の研究・開発
 3)河川工学、生態系、自然環境等の知識を併せ持った、多自然川づくりに従事する担い手となる人材育成
 4)継続的なモニタリングの実施と、この結果を十分に反映させた、PDCAサイクルによるスパイラルアップに向けた取組
―以上―

設問に合わせた章立てにしたり、平成19年度以降の長文問題に対応した「はじめに&おわりに無しバージョン」にしたりはしましたが、書いた内容はほぼ平成18年度の時そのままです。
このように、多自然川づくりには「一粒で二度おいしい」思いをさせていただきました。

建設環境、そして河川、砂防及び海岸・海洋の河川環境ネタとして、「多自然川づくり」は出題頻度が高い分野と考えています。特に、平成22年8月に中小河川技術基準が改定され、昨年ポイントブックIIIという指南書が発行された「水際の多自然」は「建設環境」「河川、砂防及び海岸・海洋」のいずれでも出題確度が高いと考えています。受験者の皆様、準備を怠らないようにして下さい。
今日は、昨年の建設環境の合格論文について述べたいと思います。
今日取り上げるのは、Aグループの「低炭素都市づくり」です。
問題は下記の通りです。
I-1 地球温暖化を緩和する低炭素都市づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 低炭素都市づくりに貢献できると考えられる「交通・都市構造」、「エネルギー」、「みどり」の3分野における取組をそれぞれ1つ挙げ、その概要を述べよ。
(2) (1)で挙げた取組の1つを取り上げ、その推進に当たっての課題と解決策についてあなたの意見を述べよ。

平成22年8月に国土交通省から「低炭素都市づくりガイドライン」というものが出されました。こうしたこともあって、平成22年の都市計画で(ガイドライン発刊前でいささかフライング気味ですが・・・)ほとんど同じような出題がされていました。 以下の問題です。
◇平成22年度・都市及び地方計画の問題
I-1-1 近年、都市及び地方計画の分野においても、低炭素社会の実現について議論がなされている。このような議論がなされるようになった現状と背景を述べよ。今後、低炭素社会を実現するために、都市構造、都市交通、エネルギー、緑の施策分野ごとに具体的な方策を挙げた上で、これらの施策の実効性を高める取組について、あなたの考えを述べよ。

違いは、都市計画の方は、都市構造と交通が分かれていること、及び現状と背景の記述を強いていること位で、基本的にはほとんど同じ問題といっても良いくらいです。そして、昨年の受講生様で何人かがこの出題をテーマに論文を書いており、これを添削させていただいていました。この時に得た知識が非常に役に立ちました。
平成19年度以降の長文問題に共通のことですが、問題で聞いている事項を十二分に把握して、基本は設問にオウム返しで組み立てるようにしています。このため、以前は良く書いた「はじめに」や「おわりに」もあまり書かなくなりました。
文章構成は以下のようにしました。
◇低炭素都市づくりに貢献できる取組
 ●歩いて暮らせるまちづくり(交通・都市構造)
 ●未利用・未活用エネルギーの活用(エネルギー)
 ●水と緑のネットワーク構築(みどり)
◇(水と緑のネットワーク構築)取組に当たっての課題
 ●面的に連続した緑化推進
 ●維持管理を見据えた取組
◇課題解決策
 ●面的に連続した緑化推進
  ▽公園・緑地の他、河川、道路、斜面防災施設等、あらゆるパブリック空間での緑化推進
  ▽都市緑地法の諸制度等による、適切なインセンティブ付与等に基づいた民有地内緑地の保全推進
  ▽緑の基本計画、都市計画(地区計画の緑地率等)等による適切な目標の設定
 ●維持管理を見据えた取組
  ▽適切なインセンティブ付与(日当や資材等の提供、アドプトプログラム等)等も踏まえた、地域や市民が維持管理に参画できる仕組みづくり
  ▽NPO による管理の適用や、指定管理者制度等、維持管理へのPPP/PFIの導入
  ▽継続的なモニタリングの実施とこの結果に基づいたスパイラルアップ 

まあ、何とかそつなくまとめられたなと思います。
以下に解答論文全文を掲載いたします。
 1.低炭素都市づくりに貢献できる取組
 私が低炭素都市づくりに貢献すると考えている取組について、「交通・都市構造」、「エネルギー」、「みどり」の3分野からそれぞれ1つ挙げ、概要を述べる。
(1) 歩いて暮らせるまちづくり(交通・都市構造)
 我が国では高度成長期以降、モーターリゼーション進展等により公共施設や商業施設等の公害移転が特に地方都市で進行、都市構造がスプロール化している。このため、社会生活の大部分を自家用車等に依存する「クルマ社会」が形成されるとともに、バスや鉄道等の公共交通機関の利用が大きく低下している。
 低炭素都市を実現していくためには、ガソリン等化石燃料に依存した社会生活を改めるとともに、CO2 排出量の少ない公共交通へとモーダルシフトを図っていくべきと考える。
 このため、拡散してしまった都市構造の集約化を進めるとともに、LRT やデマンドバス等、集約型都市構造で利用しやすい公共交通の再構築を図っていくことで、歩いて暮らせるまちづくりを実現していく必要がある。
(2) 未利用、未活用エネルギーの活用(エネルギー)
 電力の大部分は、石油、石炭等化石燃料から生成される。一方、原子力についてはCO2 排出量の観点では優等生であるが、未だ収束が見えない福島第一原子力発電所の事故を踏まえると、今後これを拡大していくことは困難である。以上により、化石燃料に変わる未利用、未活用エネルギーの活用が求められている。
 まちづくりにおいては、適切なインセンティブ付与等により太陽光発電や風力発電等を増やす取組が必要である。また、集約都市構造における下水排熱のヒートポンプ利用等、まちや地域が一体となって「エコタウン」を目指す取組も重要と考える。
(3) 水とみどりのネットワーク構築(みどり)
 みどりには、直接的なCO2 吸収源となり低炭素都市づくりに貢献するだけでなく、ヒートアイランド防止、良好な景観、生物多様性の保全等、多様な環境機能を有している。
 都市空間に水とみどりのネットワークを構築することで、こうした多様な環境機能を持ったまちづくりを進めていくことは、都市政策として極めて重要と考える。 
2.取組の推進に当たっての課題と解決策
 以上に述べた中から、「水とみどりのネットワーク構築」について、取組の推進に当たっての課題及び解決策について述べる。
(1) 取組に当たっての課題
1) 面的に連続した緑化推進
 CO2 吸収源としてはもちろんのこと、景観面、ヒートアイランド対策(風の通り道)、生物の成育空間等あらゆる面で面的に連続した緑化が求められる。「都市の中に緑がある」のではなく「緑の中に都市がある」を目指したまちづくりが重要と考える。
2) 維持管理を見据えた取組
 みどりは生物である。このため、みどりが持続的に優れた環境機能を都市に提供していくためには、適切に維持管理されることが必要である。単に整備するだけでなく、維持管理まで見据えた取組が求められる。
(2) 課題解決のための解決策
 以上に挙げた課題を解決するため必要な解決策について、各課題毎に私の考えを述べる。
1) 面的に連続した緑化推進
 ①公園・緑地の他、河川、道路、斜面防災施設等、あらゆるパブリック空間での緑化推進
 ②都市緑地法の諸制度等による、適切なインセンティブ付与等に基づいた民有地内緑地の保全推進
 ③緑の基本計画、都市計画(地区計画の緑地率等)等による適切な目標の設定
2) 維持管理を見据えた取組
 ①適切なインセンティブ付与(日当や資材等の提供、アドプトプログラム等)等も踏まえた、地域や市民が維持管理に参画できる仕組みづくり
 ②NPO による管理の適用や、指定管理者制度等、維持管理へのPPP/PFIの導入
 ③継続的なモニタリングの実施とこの結果に基づいたスパイラルアップ
―以上―
今日から来週前半まで盆休みで自宅から真っ昼間の書き込みです。
本日より家族旅行のため、PC使用環境からしばらく乖離いたしますので宜しくお願いいたします。
さて、今日は特別編として趣を変えて、今年の建設環境の問題を振り返ってみたいと思います。



H23建設環境1
H23建設環境2H23建設環境3 
■Aグループ
毎年のように出る環境アセスメント関連の問題が出ませんでした。
低炭素都市づくりと循環型社会。
低炭素都市づくりは、ガイドラインが策定され最近都市計画で出題されました。なので、「都市及び地方計画」を目指す勉強をしていた人なら難なく書けたと思います。
私ももちろん、何編かこの題材の添削をさせて頂いたこともありこれを解答しました。
■Bグループ
道路は排ガスですか、ちょっとマニアックですね。
都市計画は、都市緑地、景観と2問出ています。いずれも旬ネタです。Aグループもそうですが、建設環境は都市計画に明るい人にとって有利だと思います。
鉄道は温室効果ガス低減。まあ、順当な話題ではないかな・・・。
海岸・港湾はちょっと趣向が変わりました。埋立処分場の護岸なんてかなりマニアックですね。これで望んだ人は面食らったでしょう。
電力土木は各発電方式の基礎という感じです。まあ、どうしても福一事故には言及しちゃうでしょうね。
河川は「多自然川づくり」と「湖沼における水生植物による水質浄化」。
多自然は王道ですね。多自然川づくり基本指針ベースの解答が求められます。私はこれを選び、基本指針の元となった提言「多自然川づくりへの展開」をベースに書いたH18の河川解答を再度書いてきました。
湖沼は霞ヶ浦とかのこの手の業務に従事している人なら書けるのかな・・・。私にはチョット無理ですけど。
一方、数年前まで毎年出題されていた建設リサイクル関係(施工管理関連)の問題は、今年も復活しませんでした。建設リサイクルはリサイクルの優等生でかなり普及が進んでいます。すでに世の中の課題ではなくなったのかもしれません。
7月より、建設環境は道路、河川、都市計画と一人で2つの建コン登録が可能となりました。
特に「都市及び地方計画」と「河川、砂防及び海岸・海洋」はBグループで毎年2問(海岸も入れると河川は毎年3問)も出題されます。
以上により、建設環境はこの3つの既技術士の方が目指す科目として、是非ともお勧めです。
以上建設環境の落第+失格経験者の戯言です。
今年も専門は我ながらよくできましたが、建設一般のネタふりが・・・・・・
■はじめに
 本日も、昨年の解答の自己添削指導をしてみたいと思います。
 今日の問題は「設問I-2」で、本講座が対象としていない「建設環境」のものです。
 まあでも「地球温暖化対策関連」で「建設一般」となんとなく共通な面もあるジャンルの問題ですので、宜しければおつきあい下さい。
■問題
I-2 世界的なエネルギー・環境問題の情勢変化の下、我が国においても再生可能エネルギー利用拡大に向けた技術動向が注目されている。これら再生可能エネルギーの内、今後の普及拡大への期待が大きい「太陽光発電」、「風力発電」、「バイオマス発電」、「中小規模水力発電」、「太陽熱利用」の新エネルギーの中から、あなたが特に重要と考える技術を2つ選び、(1) その概要と利点について述べるとともに、(2) それぞれの課題と普及に向けた将来展望について、あなたの考えを述べよ。
■章立ての検討
 実は昨年暮れに、ある港湾管理者の「港湾施設における地球温暖化防止に向けた方策検討」みたいな業務を受注し、間接的ですが携わりました。守秘義務があるので細かくは述べられませんが、太陽光や風力による発電、NAS電池を用いた供給電力平準化等のFSを行いました。
 したがって、今ならもう少しつっこんだ解答が出来たかなと悔やんでいます。
※NASというスポーツジムは知っていますが、NAS電池なんて全く知りませんでした・・・。
 さて、設問に対応した章立ての設定です。
 当時は太陽光や風力は「NAS電池なんて知らないのでNASすべもない(超寒いオヤジギャグ・・・)」ので、下水関連とかで何となく知っている「バイオマス発電」と、前にプロポでネタにして書くため勉強したことのある(非特定でしたが・・・)小水力発電を選びました。
 設問は長ったらしい文章で、「概要」「利点」「課題」「普及に向けた将来展望」の4つを明確に求めています。したがって、これに素直にオウム返しする章立てとしました。
●はじめに
●バイオマス発電
 ○概要
 ○利点
 ○課題
 ○普及に向けた将来展望
●中小規模水力発電
 ○概要
 ○利点
 ○課題
 ○普及に向けた将来展望
■解答骨子の検討
●はじめに
産業革命以降化石燃料使いすぎ、IPCCがあおっているとおり地球温暖化進行は深刻、対策が急務。
以上を踏まえ「バイオマス発電」と「小水力発電」を選んで解答します。

●バイオマス発電
 ○概要
  △生物由来の物質を発酵して得られるエネルギー
  △代表例は下水処理場の汚泥消化タンク
 ○利点
  △生物由来なら何でも活用できる可能異性有り
  △下水汚泥、ゴミ、麦ワラや廃材もOK
  △以上により、エネルギー利用と廃棄物処理がいっぺんに可能
 ○課題
  △効率的な燃料転換技術の開発
  △農作物由来から廃棄物由来への転換
 ○普及に向けた将来展望
  △ゴミやワラなんかを材料にするのは技術が確立してないので技術開発を進めてコスト縮減を図る
  △ブラジルなんかで盛んなサトウキビなど食い物を材料にするのは食料受給と競合するのでゴミ主体に改めるべき

●中小水力発電
 ○概要
  △ダムなどによらず、身近な水流を活用(落差1m?数m)した発電システム
  △河川等の他、下水処理場の放流渠等でも試行
 ○利点
  △二酸化炭素等を全く排出しない
  △降雨量が多く急峻な国土を有する我が国にとって非常に合理的
 ○課題
  △個々の発電システムの高出力化は困難であり、多数の設置が必要
  △多数の発電システムからの集電設備整備
 ○普及に向けた将来展望
  △小水力発電は技術的には確立
  △普及促進のための施策(設置者へのインセンティブ付与制度等)必要
  △行政や電力会社等関係者が連携し、設置数の量的拡大を目指す
■解答全文
 以上の骨子に基づき論述した解答全文は、以下に示した通りです。
1.はじめに
 私たちは、現代社会において快適で利便性の高い生活を享受している。人類がこうした文化的な生活を営めるようになった背景には、人類に「エネルギーを利活用する能力」があったからだと言っても過言ではない。特に19世紀からは石炭、そして20世紀半ばからは石油と、化石燃料が現在の高度な文明社会構築に果たした役割は甚大なものがある。
 しかしながら、こうした長年にわたる化石燃料の燃焼により、地球を取り巻く温室効果ガスは大幅に増加している。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2007年に示した第4次報告書では、地球温暖化の進行はもはや確定的であり、今後かなり規模の温暖化防止策を図ったとしても気候変動による災害発生リスク増大等は免れない状況としている。「化石燃料に依存した社会構造からの脱却」は、地球規模の大きな課題と考える。
 以上のようなことを踏まえ、設問に示された5つの新エネルギーの中から「バイオマス発電」と「中小規模水力発電」を選び、概要と利点、及び課題と普及に向けた将来展望について私の考えを記述する。

2.バイオマス発電
(1) 概要
 バイオマスエネルギーとは、生物由来の物質を発酵させることで得られるエネルギーの総称である。バイオマス発電の代表事例としては、各地の下水処理場で実施されている汚泥消化ガス発電等が挙げられる。
(2) 利点
 バイオマス燃料は、下水道汚泥の他、生物由来の有機物なら何からでも取り出せる可能性がある。このため、農業から排出されるワラ、家庭から出される生ゴミ、建設廃材の木材等を用いたシステムの場合等は、新エネルギーが有効活用できるとともに、廃棄物処理を兼ねる効果が期待できる。
(3) 課題
 バイオマス発電の普及促進に向けた課題として、次の2つを挙げる。
 ●効率的な燃料転換技術の開発
 ●農作物由来から廃棄物由来への転換
(4) 普及に向けた将来展望
 麦ワラや建設廃材からバイオマス燃料を得る技術が確立されておらず、現状ではコスト的に事業化が難しい状況である。普及に向けて、廃棄物由来のバイオマスを燃料に転換する技術開発を進めていく必要がある。
 一方、ブラジルや米国では農作物由来のバイオ燃料の活用が進んでいるが、これが世界の農作物市況に悪影響を与えている。世界の持続的発展を踏まえた場合、農作物由来から廃棄物等由来への転換を図っていくべきと考える。

3.中小規模水力発電
(1) 概要
 中小規模水力発電(以下小水力発電とする)とは、環境へのインパクトが大きいダムなどによらず、身近な水流を活用(落差1m?数m)した発電システムである。河川等の他、下水処理場の放流渠等でも試行されている。
(2) 利点
 小水力発電の大きな利点として、二酸化炭素等を全く排出しないことが挙げられる。また、降雨量が多く、なおかつ急峻な国土を有する我が国にとって非常に合理的な技術といえる。
(3) 課題
 小水力発電の普及促進に向けた課題として、次の2つを挙げる。
 ●個々の発電システムの高出力化は困難であり、多数の設置が必要である
 ●多数の発電システムからの集電設備整備
(4) 普及に向けた将来展望
 小水力発電は技術的には確立している。普及促進には設置者へのインセンティブ付与制度等の整備、集電設備構築等に行政や電力会社等関係者が連携して取り組み、設置数の量的拡大を目指す必要がある
―以上―

■自己添削指導
 論文の構成については、設問に素直に解答しており特に問題は見あたらない。
 しかしながら、バイオマス燃料に関しては「廃棄物の活用」も大きな利点のひとつではあるが、それ以上に「カーボンニュートラル」であることが最大の利点として挙げられる。しかしながら、この解答はこれに言及していない。大きなマイナスである。
 また、小水力発電普及に向けた課題として、集電設備や多数設置ということもなきにしもあらずではあるが、次に挙げるような大きな課題を見落としている。したがって、この解答は論点が大きくずれているとしかいわざるを得ない。これは大きな減点対象である。
 ●環境保護(環境保護の観点から「魚」などの動植物への影響度調査が必要な場合がある)
 ●投資に対する回収期間が比較的長い
 ●水利権の取得などをクリアする必要がある

▼参考資料(資源エネルギー庁の説明)
 以上により、貴殿には15点を与えるので、可及的速やかに再検討・再提出のこと!
添削指導ありがとうございました>>俺
どうやら専門B評価の原因は、この作文だったみたいですね。

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