2012年03月

これまでの3部門5科目の合格経験に基づき、貴方の技術士二次試験受験について徹底的にサポートさせていただきます。
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年度末でガタガタしていて気づきませんでしたが、「都市の低炭素化の促進に関する法律」という新法が先月末に閣議決定されたことが国土交通省HPに掲示されていました。

■都市の低炭素化の促進に関する法律案について
平成24年2月28日

標記法案について、本日閣議決定されましたので、その関係資料を公表いたします。
1.背景
社会経済活動その他の活動に伴って発生する二酸化炭素の相当部分が都市において発生しているものであることに鑑み、都市の低炭素化を図るため、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針の策定、市町村による低炭素まちづくり計画の作成及びこれに基づく特別の措置並びに低炭素建築物の普及の促進のための措置を講ずる。

2.概要
(1)都市の低炭素化の促進に関する基本方針の策定
  国土交通大臣、環境大臣及び経済産業大臣は、都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならないこととする。
(2)低炭素まちづくり計画に係る特別の措置
 [1] 市町村は、単独で又は共同して、基本方針に基づき、市街化区域等のうち都市の低炭素化の促進に関する施策を総合的に推進することが効果的であると認められる区域について、低炭素まちづくり計画を作成することができることとする。
 [2] 市町村は、低炭素まちづくり計画の作成に関する協議及び低炭素まちづくり計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会を組織することができることとする。
 [3] 低炭素まちづくり計画に基づき、以下の措置を講ずることとする。
  ア 集約都市開発事業(病院、共同住宅その他の多数の者が利用する建築物の整備等に関する事業であって都市機能の集約を図るための拠点の形成に資するもの)を市町村長が認定する制度を創設し、所要の支援措置を講ずることとする。
  イ 低炭素まちづくり計画に記載された駐車機能集約区域内において建築物の新築等を行おうとする者に対し、条例で、集約駐車施設内に駐車施設を設けなければならない旨等を定めることができることとする。
  ウ 低炭素まちづくり計画に記載された鉄道利便増進事業等を実施しようとする者は、当該事業を実施するための計画を作成し、これに基づき当該事業を実施することとするとともに、当該計画について国土交通大臣の認定を受けた場合には、鉄道事業法等による許可若しくは認可を受け、又は届出をしたものとみなすこととする。
  エ 市町村又は緑地管理機構は、低炭素まちづくり計画に記載された樹木保全推進区域内の一定の樹木等の所有者等と樹木等管理協定を締結し、その管理を行うことができることとする。
  オ 低炭素まちづくり計画に記載された下水熱利用のための設備を有する熱供給施設の整備等に関する事業の実施主体は、公共下水道管理者等の許可を受けて、公共下水道等の排水施設からの下水の取水等をすることができることとする。
  カ その他所要の措置を講ずることとする。
(3)低炭素建築物新築等計画の認定制度の創設
  市街化区域等内において、低炭素化のための建築物の新築等をしようとする者が作成する低炭素建築物新築等計画を所管行政庁が認定する制度を創設し、所要の支援措置を講ずることとする。

3.閣議決定日
平成24年2月28日(火)

これまで、低炭素型都市づくりに関して国はガイドラインを示しているにすぎませんでしたが、この法律がこのまま成立すると、市町村が「低炭素まちづくり計画」を策定することにより各種の補助や支援メニューの恩恵を受けられるようになるみたいです。
制度創設なので、出題のネタにされる可能性があります。
但し、建設環境では去年出たばっかりなので、出るとしたら都市計画かな~。
まあ、いずれにしろ準備しておくことに超したことはありません。
・・・それにしてもこの都市の低炭素化の促進に関する法律案の概要は、去年の建設環境の解答骨子そのまんまですね。
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タグ : 技術士 予想問題 都市及び地方計画 建設環境

国土交通省から「東日本大震災からの復興に係る公園緑地整備に関する技術的指針」が示されました。構成を以下に示します。
 第1章 検討の趣旨
 第2章 東日本大震災による津波被害の概要
 第3章 公園緑地整備に関する基本的考え方
  I 復興まちづくりの考え方
  II 東日本大震災の教訓を踏まえた公園緑地の機能
  III 復興まちづくりにおける公園緑地等計画の基本的考え方
  IV 公園緑地の計画・設計等の考え方
 第4章 公園緑地の整備における災害廃棄物の活用に関する基本的考え方
  I 災害廃棄物の処理及び有効活用に関する動き
  II 東日本大震災における災害廃棄物の概要
  III 災害廃棄物の処理スケジュール
  IV 公園緑地の整備における災害廃棄物の活用
  V 植栽基盤
 第5章 おわりに
中身はざっと見ましたが、従前の防災公園にあった被災時に拠点として活用できる機能等のほか、津波の減衰能力のある植栽や現在問題となっている「津波被災地の瓦礫」の公園整備への活用等にも言及しています。
公園緑地関連における「東日本大震災関連ネタ」であり、作問時期との兼ね合いもジャストです。都市及び地方計画、建設環境を受ける方(特に公園緑地・ランドスケープアーキテクト関連の方)は、必ず勉強しておくことをお勧めいたします。
ここからは私見で受験に全く関係のない話です。試験実施体制側(国側)は「放射瓦礫拡散」の考えですので以下のようなニュアンスは絶対解答に書いてはいけません。
現在、「放射能を帯びた(可能性のある者を含む)瓦礫の広域拡散」が重大な社会問題となっています。
私は基本的に「放射性物質は閉じこめる」ことが原則と考えています。
今回の震災では、福島第一原発事故の影響で東北から関東、さらには中部(静岡)や信越にかけて放射性物質が降り注ぎ汚染されてしまいました。本来であればこれを全て東電の手で回収し、放射性廃棄物処理施設で厳重に保管しなければならないのですが、現実に全ての除染・回収は難しいと考えます。
したがって、被災地の瓦礫放射能に汚染された瓦礫(可能性のある物も含む)は全て被災地で処理すべきです。クリアランスレベルの100ベクレル/kg未満であれば移動してもいいとは思いますが、スポット的な濃淡の激しい汚染の瓦礫をすべて確実にモニタリング、安全な物とそうでない物に振り分けるのは不可能だと思います。
この技術的指針をざっと見ましたが、瓦礫の性状に関しては「不同沈下や陥没、発熱、ガス」等に触れているだけで、放射能に全く言及していません。実に「ワザと触れていない」気がします。
本来なら、こうした指針は「瓦礫の被災地での地先処理」を進め、清浄な国土も含む放射性物質の広域拡散防止に資する目的を持ったものという位置づけで、これを明確に明記した物でなければならないと強く感じました。
もうすぐ年度末も終わり、いよいよ新たな年度となります。
それと同時に、今年も技術士試験の申し込みが開始、平成24年度の技術士受験シーズン(?)が正式にスタートします。
今日は、昨年の建設環境の合格論文について述べたいと思います。
今日取り上げるのは、Bグループの「多自然川づくり」です。
問題は下記の通りです。
I-9 多自然川づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 多自然川づくりの現状と課題について述べよ。
(2) (1)で述べた課題を踏まえた上で、多自然川づくりを推進するために必要な方策についてあなたの考えを述べよ。
私は平成18年度に河川の技術士を取得しましたが、ちょうどその試験の直前、下記のような提言が国土交通省の設けた委員会から示されました。
■提言「多自然川づくりへの展開」
「これはクサイ」と思った私は、この内容に基づき「多自然型川づくり」の「現状と問題点」「課題」「今後のあり方」をとりまとめ学習しました。
結果としてこれがドンピシャリと大当たり、めでたく河川の技術士になれるきっかけとなりました。
以下に当時の問題と再現解答全文を掲載いたします。
平成18年度専門問題(河川、砂防及び海岸・海洋)
I-2-3(B) 
現在までの多自然型川づくりが抱える課題を分析し、今後の多自然型川づくりの推進方策について述べよ。
1.はじめに
 平成2年に「多自然型川づくりの推進について」が通達されてから約15年が経過した。この間、多自然型川づくりは広まりを見せるとともに、平成14年度には河川改修工事全体の約7割が多自然型川づくりが占める等、川づくりのスタンダードになるまでに至った。
 しかしながら、こうした川づくりの中には、画一的な断面形状で計画したり、かえって河床や水際を単調にしてしまっているものがある等、問題のあるものも数多く見受けられる状況である。
 以上のような点を踏まえ、これまでの多自然型川づくりの課題を整理するとともに、多自然型川づくりの今後のあるべき方向性、推進すべき方策について、私の考えを記述する。

2.多自然型川づくりの抱える課題
 現在まで行われてきた多自然型川づくりの課題について整理すると、以下に示す4つが挙げられる。
 1)多自然型川づくりに関する共通認識の欠如
 2)多自然型川づくりを支援する仕組みが不十分
 3)多自然型川づくりを推進する体制が不十分
 4)多自然型川づくりを担う人材を育成するシステムが不十分

3.今後のあるべき方向性
 これまでの多自然型川づくりが抱えている課題に対し、課題解決のため推進すべき方策のあるべき方向性を整理すると、次の3つが挙げられる。
 1)個別箇所の多自然ではなく、河川全体を視野に入れた多自然へと転換
 2)地域の暮らし、文化や歴史と結びついた川づくり
 3)維持管理を踏まえた川づくり

4.推進のための方策
 1)これまでの知見や現場体験等に基づいた「課題の残る川づくりの解消」
 2)中長期的視野に立った「川づくり全体の水準の向上」

(1)課題の残る川づくりの解消
 これまでの知見や技術、現場経験等に基づいて、現在実施されている課題の残る川づくりの解消を図っていく必要がある。そのためには、以下に挙げるような施策を推進すべきと考える。
 1)既往の技術に基づいた実施事例等の整理
 2)多自然型川づくりに関する図書や技術資料集等の刊行
 3)多自然型川づくりに関する講習会や現場見学会等、研修の機会の増加や充実
 4)行政関係者、現場担当者等の間における多自然型川づくりに係るナレッジマネジメントの構築
 5)多自然型川づくりに係るPRの推進

(2)川づくり全体の水準の向上
 中長期的なスタンスに立って、多自然型川づくりに係る研究・開発等を進めるともに、よりよいものへと川づくり全体の水準を高めていく必要がある。そのためには、以下に挙げるような方策を進めていく必要がある。
 1)多自然型川づくりに係る計画、設計技術の研究・開発
 2)多自然型川づくりに係る施工技術の開発
 3)モニタリングの継続的実施と調査結果のフィードバック
 4)多自然型川づくりに係る指針や示方書等の整備
 5)インパクト-レスポンスに関する科学的解明

4.おわりに
 多自然型川づくりにあたっては、本来その川が持っている河川特性に応じたダイナミズムを確保するとともに、川の縦断的、横断的な生物多様性を維持、創造することが重要である。
 私は河川に関わる技術者として、多自然型川づくりに微力ながら尽力したいと考えている。
-以上-

結局試験直後の平成18年10月に、この提言に基づいた「多自然川づくり基本指針」が出されました。
当時は、我ながら自分の試験関連情報事前収集の結果に満足した次第です。
さて、それから5年が経過して平成23年の建設環境受験。
技術士試験受験に向けた他人様の添削には勤しんでいましたが、自らの受験勉強はほとんどしておらずほぼ丸腰の状態でした。(但し「他人様の添削指導」はあとから振り返ると実は非常に有意義な受験勉強でした)
ただし、そんな中でも過去に河川と都市計画で勉強した「多自然川づくり」と「連続した緑地保全・創造」だけは前日図書館で再度骨子をとりまとめる作業を行いました。
結論として、これが再び大当たりになりました。
以下に問題と解答全文を掲載いたします。
平成23年度専門問題(建設環境)
I-9 多自然川づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 多自然川づくりの現状と課題について述べよ。
(2) (1)で述べた課題を踏まえた上で、多自然川づくりを推進するために必要な方策についてあなたの考えを述べよ。

1.多自然川づくりの現状
 平成2年に旧建設省が「多自然型川づくりの推進について」を通達して20年余が経過した。この間、多自然川づくりは大きく拡大し、現在では河川工事の大部分を多自然川づくりが占める状況となっている。
 しかしながら、一方では、標準定規断面にこだわりすぎて川や水辺の連続性等を全く考慮していなかったり、単に環境配慮部材等を用いただけの、いわゆる「多自然型川づくり」であったり等、課題が残る川づくりが多いのが現状である。
 また、施設整備後に適切な維持管理がなされておらず、河床変動やみお筋の移動等により、施設本来の機能が大きく損なわれてしまっている事例等も多い状況である。

2.多自然川づくりにおける課題
 以上に述べたような現状を踏まえ、多自然川づくりをよりよいものとしていくためには、次に挙げる課題を解決していく必要がある。
(1) 河川全体の営みを視野に入れた川づくり
 川は自然公物であり生き物である。川づくりにあたっては、河川の自然の営みへの配慮が求められる。
このため、川や水辺環境、生態系等の横断的、縦断的、そして面的な連続性に十分留意した上で、その場その場の多自然ではなく、河川全体の営みを視野に入れた川づくりを進めることが必要と考える。
(2)まちや地域と一体の川づくり
 我が国の都市はその大部分が低平地に位置している。このため、古来から漁業や舟運、水利用等によりまちと川は強く結びついている。優れた景観や伝統行事等の地域観光資産にも、川とまちと切っても切れないような物が多い。
以上により、地域の歴史や文化に根ざした、まちや地域と一体の川づくりを目指すことが重要である。
(3)維持・管理まで見据えた川づくり
 多自然川づくりは施設整備だけでは完結しない。整備した空間に自然が持続的に宿ることで多自然川づくりは初めて成り立つ。 このため、単に施設を整備するだけでなく、持続的、永続的な維持管理までを視野に入れた取組が求められている。

3.多自然川づくりを推進するため必要な方策
 以上に挙げた課題を解決するとともに、多自然川づくりをよりよいものとしていくため、当面の施策として「課題の残る川づくりの解消」に取り組んでいく必要がある。
 また、中長期的な視野で「川づくり全体の水準の向上」を図るための取組も重要である。
 以上に挙げた2つのテーマ毎に、私が必要と考える方策を記述する。
(1) 課題の残る川づくりの解消
 1)多自然川づくりに関する研修の開催や図書発行等の推進
 2)河川管理者、施工者、維持管理者等、多自然川づくりに携わる現場担当者間におけるナレッジマネジメントの構築
 3)地域や市民に対する多自然川づくり関する広報・周知の推進
 4)地域や市民、NPO団体や学識経験者等、多様な主体が多自然川づくりに参画するための仕組みの構築
(2)川づくり全体の水準の向上
 1)多自然型川づくりに関する工法、施工技術等の研究・開発
 2)インパクト-レスポンスの科学的解明等、多自然川づくりに関連する生態系、自然現象等の研究・開発
 3)河川工学、生態系、自然環境等の知識を併せ持った、多自然川づくりに従事する担い手となる人材育成
 4)継続的なモニタリングの実施と、この結果を十分に反映させた、PDCAサイクルによるスパイラルアップに向けた取組
―以上―

設問に合わせた章立てにしたり、平成19年度以降の長文問題に対応した「はじめに&おわりに無しバージョン」にしたりはしましたが、書いた内容はほぼ平成18年度の時そのままです。
このように、多自然川づくりには「一粒で二度おいしい」思いをさせていただきました。

建設環境、そして河川、砂防及び海岸・海洋の河川環境ネタとして、「多自然川づくり」は出題頻度が高い分野と考えています。特に、平成22年8月に中小河川技術基準が改定され、昨年ポイントブックIIIという指南書が発行された「水際の多自然」は「建設環境」「河川、砂防及び海岸・海洋」のいずれでも出題確度が高いと考えています。受験者の皆様、準備を怠らないようにして下さい。

日本技術士会から「平成24年度技術士第二次試験実施案内」が発表されています。
今年もまた、シーズン突入です。


総合支援コース受講生の皆様で、経歴や技術的体験論文素案がまだの方は、年度が開けて落ち着いてからで構いませんので、提出の方宜しくお願いいたします。

タグ : 技術士 申し込み

今日は、昨年の建設環境の合格論文について述べたいと思います。
今日取り上げるのは、Aグループの「低炭素都市づくり」です。
問題は下記の通りです。
I-1 地球温暖化を緩和する低炭素都市づくりについて、以下の問いに答えよ。
(1) 低炭素都市づくりに貢献できると考えられる「交通・都市構造」、「エネルギー」、「みどり」の3分野における取組をそれぞれ1つ挙げ、その概要を述べよ。
(2) (1)で挙げた取組の1つを取り上げ、その推進に当たっての課題と解決策についてあなたの意見を述べよ。

平成22年8月に国土交通省から「低炭素都市づくりガイドライン」というものが出されました。こうしたこともあって、平成22年の都市計画で(ガイドライン発刊前でいささかフライング気味ですが・・・)ほとんど同じような出題がされていました。 以下の問題です。
◇平成22年度・都市及び地方計画の問題
I-1-1 近年、都市及び地方計画の分野においても、低炭素社会の実現について議論がなされている。このような議論がなされるようになった現状と背景を述べよ。今後、低炭素社会を実現するために、都市構造、都市交通、エネルギー、緑の施策分野ごとに具体的な方策を挙げた上で、これらの施策の実効性を高める取組について、あなたの考えを述べよ。

違いは、都市計画の方は、都市構造と交通が分かれていること、及び現状と背景の記述を強いていること位で、基本的にはほとんど同じ問題といっても良いくらいです。そして、昨年の受講生様で何人かがこの出題をテーマに論文を書いており、これを添削させていただいていました。この時に得た知識が非常に役に立ちました。
平成19年度以降の長文問題に共通のことですが、問題で聞いている事項を十二分に把握して、基本は設問にオウム返しで組み立てるようにしています。このため、以前は良く書いた「はじめに」や「おわりに」もあまり書かなくなりました。
文章構成は以下のようにしました。
◇低炭素都市づくりに貢献できる取組
 ●歩いて暮らせるまちづくり(交通・都市構造)
 ●未利用・未活用エネルギーの活用(エネルギー)
 ●水と緑のネットワーク構築(みどり)
◇(水と緑のネットワーク構築)取組に当たっての課題
 ●面的に連続した緑化推進
 ●維持管理を見据えた取組
◇課題解決策
 ●面的に連続した緑化推進
  ▽公園・緑地の他、河川、道路、斜面防災施設等、あらゆるパブリック空間での緑化推進
  ▽都市緑地法の諸制度等による、適切なインセンティブ付与等に基づいた民有地内緑地の保全推進
  ▽緑の基本計画、都市計画(地区計画の緑地率等)等による適切な目標の設定
 ●維持管理を見据えた取組
  ▽適切なインセンティブ付与(日当や資材等の提供、アドプトプログラム等)等も踏まえた、地域や市民が維持管理に参画できる仕組みづくり
  ▽NPO による管理の適用や、指定管理者制度等、維持管理へのPPP/PFIの導入
  ▽継続的なモニタリングの実施とこの結果に基づいたスパイラルアップ 

まあ、何とかそつなくまとめられたなと思います。
以下に解答論文全文を掲載いたします。
 1.低炭素都市づくりに貢献できる取組
 私が低炭素都市づくりに貢献すると考えている取組について、「交通・都市構造」、「エネルギー」、「みどり」の3分野からそれぞれ1つ挙げ、概要を述べる。
(1) 歩いて暮らせるまちづくり(交通・都市構造)
 我が国では高度成長期以降、モーターリゼーション進展等により公共施設や商業施設等の公害移転が特に地方都市で進行、都市構造がスプロール化している。このため、社会生活の大部分を自家用車等に依存する「クルマ社会」が形成されるとともに、バスや鉄道等の公共交通機関の利用が大きく低下している。
 低炭素都市を実現していくためには、ガソリン等化石燃料に依存した社会生活を改めるとともに、CO2 排出量の少ない公共交通へとモーダルシフトを図っていくべきと考える。
 このため、拡散してしまった都市構造の集約化を進めるとともに、LRT やデマンドバス等、集約型都市構造で利用しやすい公共交通の再構築を図っていくことで、歩いて暮らせるまちづくりを実現していく必要がある。
(2) 未利用、未活用エネルギーの活用(エネルギー)
 電力の大部分は、石油、石炭等化石燃料から生成される。一方、原子力についてはCO2 排出量の観点では優等生であるが、未だ収束が見えない福島第一原子力発電所の事故を踏まえると、今後これを拡大していくことは困難である。以上により、化石燃料に変わる未利用、未活用エネルギーの活用が求められている。
 まちづくりにおいては、適切なインセンティブ付与等により太陽光発電や風力発電等を増やす取組が必要である。また、集約都市構造における下水排熱のヒートポンプ利用等、まちや地域が一体となって「エコタウン」を目指す取組も重要と考える。
(3) 水とみどりのネットワーク構築(みどり)
 みどりには、直接的なCO2 吸収源となり低炭素都市づくりに貢献するだけでなく、ヒートアイランド防止、良好な景観、生物多様性の保全等、多様な環境機能を有している。
 都市空間に水とみどりのネットワークを構築することで、こうした多様な環境機能を持ったまちづくりを進めていくことは、都市政策として極めて重要と考える。 
2.取組の推進に当たっての課題と解決策
 以上に述べた中から、「水とみどりのネットワーク構築」について、取組の推進に当たっての課題及び解決策について述べる。
(1) 取組に当たっての課題
1) 面的に連続した緑化推進
 CO2 吸収源としてはもちろんのこと、景観面、ヒートアイランド対策(風の通り道)、生物の成育空間等あらゆる面で面的に連続した緑化が求められる。「都市の中に緑がある」のではなく「緑の中に都市がある」を目指したまちづくりが重要と考える。
2) 維持管理を見据えた取組
 みどりは生物である。このため、みどりが持続的に優れた環境機能を都市に提供していくためには、適切に維持管理されることが必要である。単に整備するだけでなく、維持管理まで見据えた取組が求められる。
(2) 課題解決のための解決策
 以上に挙げた課題を解決するため必要な解決策について、各課題毎に私の考えを述べる。
1) 面的に連続した緑化推進
 ①公園・緑地の他、河川、道路、斜面防災施設等、あらゆるパブリック空間での緑化推進
 ②都市緑地法の諸制度等による、適切なインセンティブ付与等に基づいた民有地内緑地の保全推進
 ③緑の基本計画、都市計画(地区計画の緑地率等)等による適切な目標の設定
2) 維持管理を見据えた取組
 ①適切なインセンティブ付与(日当や資材等の提供、アドプトプログラム等)等も踏まえた、地域や市民が維持管理に参画できる仕組みづくり
 ②NPO による管理の適用や、指定管理者制度等、維持管理へのPPP/PFIの導入
 ③継続的なモニタリングの実施とこの結果に基づいたスパイラルアップ
―以上―
平成24年度も「詐欺士の添削塾」に対して、たくさんの方にご応募いただきありがとうございました。
おかげさまをもちまして、受講者様の数が予定数に達しましたので募集を打ち切らせていただきます。

なお、現在受講中の方の追加申し込み には対応させていただく所存です。その場合は随時メールでご相談下さい。
平成24年3月12日 詐欺士

タグ : 添削講座 技術士

建設一般の出題形式についてです。
以前は「○○について今後の社会資本整備はいかにあるべきかあなたの意見を述べよ」みたいな抽象的な出題が多かったのですが、平成22年度から概ね以下の設問形式に統一されています。
■○○の課題について3つ挙げ内容を説明せよ。
■これらの課題
に対してどのように取り組むべきかあなたの意見を述べよ。

建設一般の論文を検討するに当たっては、どんなテーマでも「3つの課題」「課題解決のための取組」というスタイルで作成することをお勧めいたします。
国土交通省から、「耐津波対策を考慮した下水道施設設計の考え方」に関する第4次提言が出されました。


「耐津波対策を考慮した下水道施設設計の考え方」(下水道地震・津波対策技術検討委員会とりまとめ)について・平成24年3月8日
 国土交通省では、東日本大震災で被災した下水道施設の復旧のあり方をとりまとめるとともに、下水道施設における今後の地震・津波対策の方向性についてとりまとめることを目的として、(社)日本下水道協会と共同で、学識者等からなる「下水道地震・津波対策技術検討委員会」(委員長:濱田政則早稲田大学教授)を昨年4月12日に設置しました。
 同委員会では、同年4月15日に「下水道施設の復旧にあたっての技術的緊急提言」、6月13日に第2次提言「段階的応急復旧のあり方」、8月11日に第3次提言「本復旧のあり方」をとりまとめていただき、被災地における応急復旧、本復旧に活用されているところです。
 今般、同委員会において、別添のとおり第4次提言「耐津波対策を考慮した下水道施設設計の考え方」がとりまとめられました。本提言は、東日本大震災を踏まえ、今後、巨大地震に伴う大規模な津波が想定される地域の下水道施設に適用すべくとりまとめられたものです。今後の下水道施設における耐津波対策に活用して下さい。
 国土交通省では、委員会のとりまとめを受けて、下水道部下水道事業課企画専門官通知として、都道府県・政令市に提言を発出しました。
※提言の概要は別添のとおり。
提言の詳細については、添付資料をご覧ください


耐津波対策を策定する場合の想定外力(想定津波)の考え方や津波被災時に下水道施設が確保すべき機能について詳しく述べられています。
なお、これは提言なので、今後さらにこれに基づいた法令改正やガイドライン発行等も十分予測されます。
いずれにしろ、この内容は今年の下水道専門問題のネタの最右翼である事は間違いありません。下水道で受験する方は内容を十分理解しておくことをお勧めいたします。
これを踏まえた例題(3-11)を追加しましたので参考にして下さい。

タグ : 下水道 予想問題

二次試験の合格発表が済みましたので、機会を見て昨年の私の解答を紹介していきたいと思います。
今日は、建設一般の再現論文です。
問題は以下の通りです。
II-1 我が国の社会資本は、戦後の高度経済成長とともに着実に整備され、膨大な量の社会資本ストックが形成されてきた。しかしながら、これらの社会資本は老朽・劣化が進行しつつあり、今後、社会資本の高齢化が急速に進行する事態に直面することになる。
 また、我が国の経済社会は、人口減少や少子高齢化の進展に加え、厳しい財政状況にあることから、社会資本への投資額が抑えられる状況が続いており、かつてのような右肩上がりの投資を期待することは困難である。
 建設部門に携わる技術者として、このような我が国の社会資本と経済社会の現状を踏まえ、今後の社会資本整備における課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。
 また、これらの課題に対してどのように取り組むべきか、あなたの意見を述べよ。

私は今回の受験に際し、建設一般は「東日本大震災一本」に絞っていました。このため、前日一夜漬けで骨子ポイントをとりまとめました。
それに対し、一見「全く震災関係ないよ!」と言うような設問。
一方で、もう一問は建設産業の再生(昨年に引き続き建設分野の国際展開ネタ主体)で、出題可能性をブログに紹介したりしてたので多少知識がありました。このためどっちに解答するかは正直迷いました。
で、結論は「IIー1の社会資本ネタに対し勉強した震災にねじ曲げて解答する」でした。
以下が解答です。
1.社会資本整備を取り巻く現状
 戦後復興から高度成長期、バブル期にかけ、我が国では著しい経済成長に伴い膨大な量の社会資本が整備された。
 しかしながら、1990年代以降は我が国の社会・経済情勢は一転、少子高齢化や低成長経済への転換が露呈した。この状況は21世紀となった現在も続いており、税収減等により国や地方の財政状況は逼迫している。このため、今後も社会資本整備への投資拡大等は全く見込めない状況となっている。
 こうした中、本年3月11日に東日本大震災が国土の広い範囲を揺るがした。これまでの想定をはるかに越える大津波等により二万人以上の方が犠牲となり、かつて経験したことのない原子力災害が発生する等、戦後最大の甚大な自然災害となってしまった。この震災により我々は「防災対策に想定外という言い訳は許されない」ということを学んだ。
2.今後の社会資本整備に向けた課題
 以上に述べた社会資本整備を取りまく現状を踏まえ、今後社会資本整備を進めていく上での課題を3つ挙げ概要について述べる。
(1) 安心、安全の確保
 東日本大震災の発生に伴い、国民の安心、安全確保への意識が高まっている。このため、たとえ財政状況逼迫等の環境下においても、考えられる最大規模の災害に対し、国民の安心、安全を確保するための施策が必要と考える。
(2) ストックマネジメント体制の確立
 高度成長期以降整備された膨大な社会資本について、今後も低成長経済の継続が予測される中適切に維持管理していく必要がある。このため、社会資本を経済的、効率的に維持管理していくストックマネジメント体制を確立することが重要である。
(3) 社会環境変化への対応
 社会・経済情勢の変化に伴い、社会資本が担うべき役割が大きく変わってきている。「少子高齢化」「地球温暖化防止」「社会経済のグローバル化」等、社会資本を取りまく環境変化に対応する取組が求められている。
3.課題解決に向けた取組
 以上に示した課題解決のため、今後の社会資本整備においてどのような取組を推進すべきか、各課題ごとに私の考えを述べる。
(1) 安全・安心の確保
 これまでの防災施策は、近世の記録に残る災害をベースに実施されてきた。一方、近年の調査・研究によれば、約1100年前に発生した貞観地震の際の大津波が今回の大震災とほぼ同程度の規模であったことが明らかになっている。今後は津波堆積物調査や古文書調査等の調査・研究を全国的に進めるとともに、発生が近いとされる東海、東南海、南海地震の震源が同時に動くケース等、想定される外力を考えられる最大規模に見直していくべきである。また、こうした見直しを地震等だけでなく、超過洪水、同時多発土砂災害等、各種の災害についても進める必要がある。
 防災対策については、これまでの想定規模の外力には防災施設整備等一線防御を基本とするが、見直した外力全てについて、防災施設のみで対応することは財政面等で困難である。こうした範囲はソフト施策や自助・共助等との連携も考慮した、多重防御による防災施策で対応すべきと考える。
(2) ストックマネジメント体制の確立
 膨大な社会資本の維持管理において、予防保全型維持管理(アセットマネジメント)の適用により、「予算の平準化」「トータルコストの縮減」「劣化による事故等の未然防止」を図っていくべきである。
 また、指定管理者制度等、PPP/PFIを適用すること等で、経済的、効率的な維持管理を目指す必要がある。
(3) 社会環境変化への対応
 表-1に示すような、社会環境変化に対応した社会資本のブラッシュアップを進めていく必要がある。
表-1
図-1 
設問の前書きで、財政難やストック増大を嘆いています。通常であれば、「ストックマネジメント・維持管理に特化」した解答が望ましいと考えます。
でも、私の知識不足と、「せっかく勉強したので大震災ネタを書きたい」という私の個人的事由によりこんな論文を書いてしまいました。
「ネタ振りが露骨すぎたな~」ということで、A評定は難しいと自己評定していましたが、結果としては合格できました。
東日本大震災は、平成23年に建設分野、さらに我が国社会全体に対し、強烈なインパクトを与えた事象です。
当然、試験官もそういった意識を持っています。だからこそ、この論文がA評定を得ることが出来たと考えています。
今回この論文で合格できたことから、建設一般の解答は、そのときの社会・経済情勢を強く反映したモノが望ましいんだなと、改めて痛感いたしました。

技術士二次試験の合格発表がありました。
本年度支援させていただいた方のうち、6名が筆記を通過しましたが、その全ての方の合格を確認いたしました。
本当におめでとうございます。そして、お疲れさまでした。

技術士資格は「取って終わり」ではありません。合格者の方は登録後晴れて技術士になりますが、これは「これからは技術士としての責任ある仕事をしていく」というスタート地点なのです。
このことを忘れず、今後の業務に邁進されて下さい。


さて、平成23年度の試験結果のうち、日経BPで筆記合格者が発表されている建設部門だけですが、筆記と口頭結果をまとめてみました。 
H23試験結果 
口頭試問の合格率が、以前より総じて低いように感じます。
特に土質基礎、鋼コン、港湾、そして私が受けた建設環境(冷汗)あたりはかなり低く、70%台からギリギリ80%位です。
トータルの口頭合格率を見ても83%弱です。あきらかに平成18年度以前より口頭通過が難しくなっていることがいえます。

今後の技術士二次試験では、口頭試問に向けた対策がますます重要になっていく気がします。

タグ : 技術士 口頭試験

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