2013年10月

これまでの3部門5科目の合格経験に基づき、貴方の技術士二次試験受験について徹底的にサポートさせていただきます。
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従来の筆記対策では(一部下水道等を除き)基本的に【600字×3枚】という大枠が同じだったため、書くべき文章の内容や分量は【600字×3枚】を念頭に記述内容を検討してきました。
しかしながら、試験制度改定によって「問題II-1」「問題II-2」「問題III」のそれぞれにおいて、解答に書くべき文章の内容や分量が大きく変わりました。このスタイルがいつまで続くか分かりませんが、当面はこれに合わせた勉強方法により、問題毎に違う解答方法を身につけることが重要です。
今日は問題II-1の解答方法について、私見を述べたいと思います。
とりあえず、今年の「河川、砂防及び海岸・海洋」の問題を題材に考えてみましょう。

II-1 次の4設問(Ⅱ-1-1~Ⅱ-1-4)のうち2設問を選びに解答せよ。(設問ごとに答案用紙を替えて解答設問番号を明記し、それぞれ1枚以内にまとめよ。)

II-1-1 一級河川の河川整備計画の策定に関して、河川法の目的に照らして、計画内容として配慮すべき事項について述べよ。なお、当該河川においては、河川整備基本方針で洪水調節施設は位置づけられていないものとする。

II-1-2 近年、着目されている新技術である「台形CSGダム」について、重力式コンクリートダムと比較して、その技術的な特徴を述べよ。

II-1-3 土砂災害対策を検討する上で考慮すべき災害の特徴を、近年の土砂災害の実態を踏まえて2つ述べるとともに、それぞれの特徴に対応するためのハード・ソフト両面の対策について留意点を述べよ。
 
II-1-4 大規模な津波が来襲し、天端を越流した場合でも海岸堤防の効果が粘り強く発揮できるよう、海岸堤防の構造上の工夫について述べよ。

何度もいいますが、問題数がグッと少なくなったことにより、例えば「河川」を専門とする人でも、「砂防地すべり」「ダム」「海岸・海洋」のいずれかの解答も強いられるようになりました。
但し、ここで注意しておきたいのは、「解答用紙1枚なので要点や概要をキチンと明示できればよい」ということです。上記の設問に対し、余り深入りした解答は必要ありません。というか解答用紙1枚では深入りしたくともできません。
上記より、私も専門外でほとんど知識が乏しいダム分野の「II-1-2」を選び、どのような解答を書いたらよいかを検討してみましょう。
台形CSGダムについてネットで検索したら、(財)ダム技術センターの方が書かれた、「台形CSGダムの検討状況」という説明資料がヒットしました。ここに解答すべきことの要素が間違いなくあります。
当該資料によれば、「CSG」とは現地調達骨材のことであり、「台形ダム」とは従来の直角三角形ではなく台形断面を有する重力式ダムのことだそうです。そして、CSGによる台形ダムが「CSG台形ダム」です。
CSGを採用することの特長は以下の通りです。
●ダムサイト周辺で得られる材料を有効活用できる
●施工の簡略化と連続打設による急速施工が可能
●原石山、骨材製造設備の省略、施工の簡素化等によるコスト縮減と環境保全が可能
欠点としては、現地調達材料なので規格化された骨材と比較してどうしても品質面で劣ることのようです。
一方、躯体形状に台形ダムを採用することの特長は以下の通りです。
●堤体内に発生する応力が小さく、最良に求められる所要強度を小さくできる
●荷重条件の変化に対し、発生応力の変動が小さくできる
●転倒や滑動に対する安全性を高めることができる
欠点は、直角三角形断面と比較して断面寸法が大きくなる(コンクリート打設量が増える)ことみたいです。
以上が基本的に学習によって押さえておきたい知識の内容です。
ここで、この論文の一番最初に「要旨」という概要文が示されていることに着目しましょう。以下にこれを引用させていただきます。

要 旨
 日本では、近年の公共事業費の削減、自然環境の保 護・保全に対する強い要望を受け、ダム事業には、今 まで以上のコスト縮減と環境への配慮が望まれている。 このような社会背景から、河床砂礫や掘削ズリなどの 現地発生材を有効活用するCSG工法を用いたダム建 設への期待が高まっている。
 CSGは、河床砂礫や掘削ズリなど、ダムサイト近 傍で容易に入手できる岩石質材料に、セメント、水を 添加し、簡易な練り混ぜにより製造される材料である。 CSG工法をダム建設に採用した場合、原石山の省略 もしくは大幅な規模の縮小、骨材製造設備などの省略 あるいは簡略化が可能になると考えられ、建設コスト の縮減、環境保全が期待できる。一方、堤体形状が台 形であるダムは堤体内に発生する応力が小さく、比較 的強度の小さい材料であっても堤体材料として十分利 用することができる。
 このようなCSG工法と台形ダムの両方の特徴をあ わせ持つ新型武のダム「台形CSGダム」について検 討を進めてきているところであり、本論文は、台形C SGダムの概要を紹介するものである。

1枚物解答で求められている内容は、まさにこの「要旨」に書かれたレベルそのものだと思います。
それでは具体的な解答を考えてみましょう。
設問では「重力式コンクリートダムと比較して、その技術的な特徴を述べよ。」となっていますのでこれにキチンと対応させることが必要です。ここで「○○と対比した場合の特徴」「○○と比較した場合の特徴」という設問が筆記試験では頻繁になされます。これを書いていて、私が初めて合格できた下水道の試験でも「小規模下水道に適した処理方式を挙げ標準活性汚泥法と対比した場合の特徴を説明しろ」みたいな問題に答えたのを思い出しました。
こうした「○○と比較し」という表現で一瞬たじろいでしまう方も多いかと思います。「比較するためにはおのおのの方式の特徴をキチンと説明しなければならないんじゃないか」等心配される方が多いでしょう。でもその心配はほとんどありません。
こうした設問で比較対象に指定される「○○」は、その技術の標準的な物の場合がほとんどです。
このような場合、いちいちこの「○○」の特徴を記述したりしなくとも、単純に章立てや記述方法をちょっといじるだけで設問に適合化させることができます。
この設問が記述を求めている「CSG台形ダムの特徴」は、すなわち「標準的な方法と比較した場合の特徴」にほかなりません。したがって、いちいち標準的な工法である「重力式コンクリートダム」の特徴等を書かなくても、CSG台形ダムの特徴を述べる前文として「CSG台形ダムについて、重力式コンクリートダムと比較した場合の技術的な特徴について以下に列記する」と書いてやればいいのです。
では内容を検討します。
1枚物の場合、「はじめに」「おわりに」等は不要です。解答は限りなくシンプルな構成とすべきです。
設問をあらためて読んで下さい。設問は「CSG台形ダムは重力式コンクリートダムと比べてどんな特徴があるんですか」という問いかけになっています。また、「新技術であるCSG台形ダムの特徴」を書くためにはCSG台形ダムとは何か」もきちんと明示する必要があります。これらを踏まえた章立てが必要です。
1.CSG台形ダムの概要
2.重力式コンクリートダムと比較した場合の特徴

以上の構成でいいと思います。
ボリューム的には「概要」が30%、「特徴」が70%ってところが妥当だと思います。
では、本文を考えてみましょう。
まずは概要です。これは「要旨」に書かれたことが十分参考になります。
1.CSG台形ダムの概要
 CSGとは、河床砂礫や掘削ズリなど、ダムサイト
近傍で容易に入手できる岩石質材料に、セメント、水
を添加し、簡易な練り混ぜにより製造される材料であ
る。一方、ダムの堤体を台形とすることで、堤体内に
発生する応力を押さえ、比較的強度の小さい材料を堤
体材料として利用することが可能となる。CSG台形
ダムは、CSGにより築造する台形ダムの呼称である。
以上で8行です。ボリューム的には32%でいい感じじゃないでしょうか。
次に特徴です。まずは前述したような前文を付けます。
なお、「特徴」ですので、利点と欠点双方書くのがルール(「特長」の場合は利点のみ書く)です。このためその旨(得失として整理する)も記述しておきましょう。
2.重力式コンクリートダムと比較した場合の特徴
 CSG台形ダムについて、重力式コンクリートダム
と比較した場合の技術的特徴を得失として整理する。
あとは特徴の列記です。
文章でまとめてもいいですが、箇条書きの方がもれなく簡単に記述可能だと思います。
(利点)
1)ダムサイト周辺で得られる材料の有効活用が可能
2)施工の簡略化と連続打設による急速施工が可能
3)原石山、骨材製造設備の省略、施工の簡素化等によ
 るコスト縮減と環境保全が可能
4)堤体内に発生する応力が小さく、最良に求められる
 所要強度を小さくできる
5)荷重条件の変化に対し、発生応力の変動が小さい
6)転倒や滑動に対する安全性が高い
(欠点)
1)断面形状が大きくなり、コンクリート打設量が増加
 する
2)規格化された骨材を用いる場合と比較してどうして
 も品質や強度等が劣る
欠点1)は設備や輸送等のコストが縮減、トータルコストでは帳消し、欠点2)は、台形大型断面化により帳消しになるということです。
では、できた解答を見てみましょう。
1.CSG台形ダムの概要
 CSGとは、河床砂礫や掘削ズリなど、ダムサイト
近傍で容易に入手できる岩石質材料に、セメント、水
を添加し、簡易な練り混ぜにより製造される材料であ
る。一方、ダムの堤体を台形とすることで、堤体内に
発生する応力を押さえ、比較的強度の小さい材料を堤
体材料として利用することが可能となる。CSG台形
ダムは、CSGにより築造する台形ダムの呼称である。
2.重力式コンクリートダムと比較した場合の特徴
 CSG台形ダムについて、重力式コンクリートダム
と比較した場合の技術的特徴を得失として整理する。
(利点)
1)ダムサイト周辺で得られる材料の有効活用が可能
2)施工の簡略化と連続打設による急速施工が可能
3)原石山、骨材製造設備の省略、施工の簡素化等によ
 るコスト縮減と環境保全が可能
4)堤体内に発生する応力が小さく、最良に求められる
 所要強度を小さくできる
5)荷重条件の変化に対し、発生応力の変動が小さい
6)転倒や滑動に対する安全性が高い
(欠点)
1)断面形状が大きくなり、コンクリート打設量が増加
 する
2)規格化された骨材を用いる場合と比較してどうして
 も品質や強度等が劣る         -以上-
以上のレベルで書かれていれば、及第点(60点・A標定)は十分もらえると考えます。
以上のように、II-1(専門知識)は自分の専門外も勉強しなければなりませんが、決して深いところまで学習する必要はありません。「概要」「要旨」を知る程度のレベルで十分です。その分、「広く浅く」勉強しておくことが肝要だと思います。
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タグ : 解答方法

あっという間に夏は過ぎ、秋も深まり筆記の結果発表まで10日あまりという時期になりました。
合格が期待出来る手応えがあった人は、本当に待ち遠しい毎日だと思います。
そして逆に、「全問書けなかった」「解答はできたけど正直出来が最悪だった」「解答記述方法をミスってしまった」「問題Iが8点以下だった」等の方々もそろそろそのショックが和らいできたことともいます。そういう方々は(一応万が一の筆記合格に淡い期待をしつつも)そろそろリベンジに向け再起動しましょう。すでに平成26年度技術士二次筆記試験まで、(例年通り8月上旬実施とすると)、9ヶ月ちょっとしかありません
問題I
この問題で8点以下だった人は、基礎学力と関連知識のおさらいが重要です。
国交白書(建設部門)や日本の下水道(上下水道部門)等をじっくり読んで、「一般知識」を身につけて下さい。
問題II-1
この対策は従来の専門通りです。
ただし、出題数の減少により、選択肢が限られることに留意して下さい。
例えば「河川」の専門家でも、今後は「砂防」や「海岸」、「ダム」等についても一定の知識がないと満足な解答が書けません。
今後は少なくとも「受験する科目全般に係るゼネラリスト」を目指し、学習範囲を広げて下さい。
問題II-2
自分のリアル実務以外も含め、様々な「仕事」を抽出した上で、これを主任担当者として進めることを念頭に「その仕事の意義」「課題」「留意点」「問題点」等を洗い出し整理して下さい。
問題III
これは従来からある「科目のトピック」ネタです。
国交省HPや業界紙などから、受験科目に関し、社会・経済状況により課題となっているネタを抽出し、従前から推薦されている骨子法等により「現状と問題点」「課題」「課題解決に当たっての問題(ボトルネック)」「解決策」を整理して下さい。例えば今週台風により伊豆大島で甚大な土砂災害が発生してしまいました。今後原因究明が進み、「再度発生の防止」にむけた「防災情報」「施設整備」等の課題や解決方策等が議論されていくと思います。間違いなくこれなんかは来年出題ネタの最右翼になると思います。
いまから上記のような準備を実際にやれば、来年はより合格に近づくことうけあいです。ちなみに私はこの時期からの起動は全くもってできませんでした・・・。
頑張りましょう!

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