平成23年度再現解答(建設一般)

これまでの3部門5科目の合格経験に基づき、貴方の技術士二次試験受験について徹底的にサポートさせていただきます。
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二次試験の合格発表が済みましたので、機会を見て昨年の私の解答を紹介していきたいと思います。
今日は、建設一般の再現論文です。
問題は以下の通りです。
II-1 我が国の社会資本は、戦後の高度経済成長とともに着実に整備され、膨大な量の社会資本ストックが形成されてきた。しかしながら、これらの社会資本は老朽・劣化が進行しつつあり、今後、社会資本の高齢化が急速に進行する事態に直面することになる。
 また、我が国の経済社会は、人口減少や少子高齢化の進展に加え、厳しい財政状況にあることから、社会資本への投資額が抑えられる状況が続いており、かつてのような右肩上がりの投資を期待することは困難である。
 建設部門に携わる技術者として、このような我が国の社会資本と経済社会の現状を踏まえ、今後の社会資本整備における課題を3つ挙げ、その内容を説明せよ。
 また、これらの課題に対してどのように取り組むべきか、あなたの意見を述べよ。

私は今回の受験に際し、建設一般は「東日本大震災一本」に絞っていました。このため、前日一夜漬けで骨子ポイントをとりまとめました。
それに対し、一見「全く震災関係ないよ!」と言うような設問。
一方で、もう一問は建設産業の再生(昨年に引き続き建設分野の国際展開ネタ主体)で、出題可能性をブログに紹介したりしてたので多少知識がありました。このためどっちに解答するかは正直迷いました。
で、結論は「IIー1の社会資本ネタに対し勉強した震災にねじ曲げて解答する」でした。
以下が解答です。
1.社会資本整備を取り巻く現状
 戦後復興から高度成長期、バブル期にかけ、我が国では著しい経済成長に伴い膨大な量の社会資本が整備された。
 しかしながら、1990年代以降は我が国の社会・経済情勢は一転、少子高齢化や低成長経済への転換が露呈した。この状況は21世紀となった現在も続いており、税収減等により国や地方の財政状況は逼迫している。このため、今後も社会資本整備への投資拡大等は全く見込めない状況となっている。
 こうした中、本年3月11日に東日本大震災が国土の広い範囲を揺るがした。これまでの想定をはるかに越える大津波等により二万人以上の方が犠牲となり、かつて経験したことのない原子力災害が発生する等、戦後最大の甚大な自然災害となってしまった。この震災により我々は「防災対策に想定外という言い訳は許されない」ということを学んだ。
2.今後の社会資本整備に向けた課題
 以上に述べた社会資本整備を取りまく現状を踏まえ、今後社会資本整備を進めていく上での課題を3つ挙げ概要について述べる。
(1) 安心、安全の確保
 東日本大震災の発生に伴い、国民の安心、安全確保への意識が高まっている。このため、たとえ財政状況逼迫等の環境下においても、考えられる最大規模の災害に対し、国民の安心、安全を確保するための施策が必要と考える。
(2) ストックマネジメント体制の確立
 高度成長期以降整備された膨大な社会資本について、今後も低成長経済の継続が予測される中適切に維持管理していく必要がある。このため、社会資本を経済的、効率的に維持管理していくストックマネジメント体制を確立することが重要である。
(3) 社会環境変化への対応
 社会・経済情勢の変化に伴い、社会資本が担うべき役割が大きく変わってきている。「少子高齢化」「地球温暖化防止」「社会経済のグローバル化」等、社会資本を取りまく環境変化に対応する取組が求められている。
3.課題解決に向けた取組
 以上に示した課題解決のため、今後の社会資本整備においてどのような取組を推進すべきか、各課題ごとに私の考えを述べる。
(1) 安全・安心の確保
 これまでの防災施策は、近世の記録に残る災害をベースに実施されてきた。一方、近年の調査・研究によれば、約1100年前に発生した貞観地震の際の大津波が今回の大震災とほぼ同程度の規模であったことが明らかになっている。今後は津波堆積物調査や古文書調査等の調査・研究を全国的に進めるとともに、発生が近いとされる東海、東南海、南海地震の震源が同時に動くケース等、想定される外力を考えられる最大規模に見直していくべきである。また、こうした見直しを地震等だけでなく、超過洪水、同時多発土砂災害等、各種の災害についても進める必要がある。
 防災対策については、これまでの想定規模の外力には防災施設整備等一線防御を基本とするが、見直した外力全てについて、防災施設のみで対応することは財政面等で困難である。こうした範囲はソフト施策や自助・共助等との連携も考慮した、多重防御による防災施策で対応すべきと考える。
(2) ストックマネジメント体制の確立
 膨大な社会資本の維持管理において、予防保全型維持管理(アセットマネジメント)の適用により、「予算の平準化」「トータルコストの縮減」「劣化による事故等の未然防止」を図っていくべきである。
 また、指定管理者制度等、PPP/PFIを適用すること等で、経済的、効率的な維持管理を目指す必要がある。
(3) 社会環境変化への対応
 表-1に示すような、社会環境変化に対応した社会資本のブラッシュアップを進めていく必要がある。
表-1
図-1 
設問の前書きで、財政難やストック増大を嘆いています。通常であれば、「ストックマネジメント・維持管理に特化」した解答が望ましいと考えます。
でも、私の知識不足と、「せっかく勉強したので大震災ネタを書きたい」という私の個人的事由によりこんな論文を書いてしまいました。
「ネタ振りが露骨すぎたな~」ということで、A評定は難しいと自己評定していましたが、結果としては合格できました。
東日本大震災は、平成23年に建設分野、さらに我が国社会全体に対し、強烈なインパクトを与えた事象です。
当然、試験官もそういった意識を持っています。だからこそ、この論文がA評定を得ることが出来たと考えています。
今回この論文で合格できたことから、建設一般の解答は、そのときの社会・経済情勢を強く反映したモノが望ましいんだなと、改めて痛感いたしました。

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