技術バカではいけません

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「安心・安全の確保」、建設一般では出題頻度が高く、平均すると2年に1回位出ているネタです。
昨年も出ましたし、今年も未曾有の大震災による影響で「出題候補の最右翼」になっています。
一方で、専門問題の方でも、「安心・安全の確保」は見逃せないネタです。
建設一般では、時事ネタを織り込みながら記述することが重要ですが、専門でも同様のことがいえると思います。
以下に挙げる平成19年度に出題された都市及び地方計画の専門問題で例示します。

平成19年度都市計画専門
Ⅰ-7 都市公園利用者の安全確保に関して、都市公園においてその対応が重要であると思われる危険を2つ掲げ、それぞれに対する安全確保の考え方と具体的な対応策を述べよ。

設問では、「2つの危険」を挙げ、それぞれに対する安全確保の考え方と具体的な対応策を書けといっています。

この解答として、従来であれば次の2つを「危険」として挙げるのがオーソドックスな考え方だと思います。
1)水辺や急傾斜地等、公園内の危険箇所における事故
2)遊具の劣化や機能不全、誤った利用方法による事故

安全確保の考え方は、
1)水辺や急傾斜地
 ●安全確保のための施設整備
 ●利用者への危険性周知徹底
 ●悪天候、増水時等の立ち入り制限や禁止
2)遊具
 ●適正な点検・補修の実施
 ●劣化や事故のメカニズム解明
 ●正しい利用法、禁止行為等の利用者への周知
対応策は、
1)水辺や急傾斜地
 ○保安柵、階段、避難梯子等の整備
 ○サイン等による危険性の広報
 ○悪天候、増水等の情報提供手段の整備
2)遊具
 ○予防保全型維持管理の適用
 ○サインや管理指導等による正しい利用法の周知
 ○継続的なモニタリングとこれに基づいた改良

いつもの年だと、以上のような骨子に基づき論述すればよいのかなと思います。

但し、今年の今現在、「安心・安全な公園利用」でもっとも大きい問題と化しているのは、東日本一帯における原発事故に伴う放射能汚染です。
既に各市町村等は公園や校庭、プールといった個別施設の大々的な調査等を進めています。
それどころか、個人でサーベイメータを調達、安全を確認した上子どもを遊ばせるようにしている親御さんも多くなっています。
もし今年、「安全な公園利用」が出た場合、これをどう扱うか・・・。

私はやはり旬の話題であり、喫緊の課題と思うので、是非ともメインテーマとして触れた方がよいと考えています。
そして、あくまで技術士試験ですので、定量的、客観的な記述が求められると思います。
危険とされる放射線量は年間1msvか20msvか、はたまた100msvなのか見解が違います。
但し、あくまで「安全・安心確保」ですので、私なら「年間1msv」を選び、これに基づいて時間あたり線量を述べ判断基準として提案します。
具体的には
 1000μsv(1msv)÷(365日×24時間)=0.11μsv/hr
これを判断基準として提案するとともに、対策として、
○高線量箇所のサイン等による明示と立ち入り禁止柵等の整備
○排水系統や雨樋吐口など、放射物質が集積する場所の除染等の必要性
等を訴えます。

このように、技術士二次試験はたとえ同じ試験問題だったとしても、そのときの背景や社会情勢等により解答内容が変化します。
表現はあまり良くないのですが、昔から「技術バカは技術士になれない」といわれてきました。
技術だけ知っていてもこの資格は得られません。試験では保有している技術をその時々の世の中の情勢で、いかに応用、活用していくかが問われるのです。
したがって、単に技術畑の知識だけでなく、日頃から情報やマス・メディア等に基づき「今社会では何が起きているか」正しく把握するよう心がけることも合格に向けた大きなステップになると考えています。
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